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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より

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美人画の絵灯篭 優美に浮かび上がる 20日まで松山城址館

 酒田市出身の日本画家、故・佐藤公紀さん(1920―97年)が手掛けた美人画を用いた絵灯篭(とうろう)5基が同市の松山城址館で展示され、優美に浮かび上がった美人画が訪れた人の目を楽しませている。

 佐藤さんは1940年に日本画壇の巨匠・伊東深水に師事。酒田はもとより全国各地で個展を開催し、美人画の神髄を広く紹介した。91年に当時旧松山町が制定していた阿部次郎文化賞を受賞。絵灯篭、うちわ絵といった美人画で多くの人を魅了した。

 絵灯篭は縦1・8メートル、横1・2メートルで、佐藤さんの美人画を転写している。色鮮やかな着物を着て涼しげな表情で並ぶ美人画に、夕涼みなどで訪れた人々はしきりにシャッターを切っていた。夜間点灯は午後7時―9時。展示は20日(日)まで。

灯篭の明かりで浮かび上がる美人画
灯篭の明かりで浮かび上がる美人画


2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より

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対談 『らんまん』から考える人材育成と植物科学4 終

東山 哲也氏( 鶴岡市出身・植物学者東京大学大学院理学系研究科教授)×門松 秀樹氏(『らんまん』時代考証担当東北公益文科大学教授)

庄内の環境と中高一貫校大きなチャンス…東山氏
6年間の学びで高大接続もスムーズ…門松氏

 門松 酒田と鶴岡が合併して庄内地域を1つの市にできれば人口規模として山形市にほぼ並ぶ。大きな拠点が海沿いにでき、庄内だけでなく、秋田などともいろいろなことができたはず。県内2番目、3番目の都市が別々にあるので求心力に欠けているところがあるのかと思う。

 東山 文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」で鶴岡南に関わっている。鶴岡南のSSHは文系も含まれる点でユニーク。今の鶴岡は山大農学部、慶應、理研、公益大がある。この環境はすごいことなのでこの関わりはいいチャンス。特に科学に興味のある子にはすごくいい。現在は高校生が対象だが中学校に広げてもいいと思う。高校からだとテーマを決めて実験できるのは1年間くらいになってしまうが、中学から実験をしたり、先輩の姿を見ながら考えたりできるので、そこが中高一貫校の分かりやすい意義。

 門松 理系に興味のある生徒を増やすためには小学校くらいから実験をたくさんした方がいい。教科書に載っていても実際に目の前でその現象が起こるのはすごく興味をそそられるだろう。中学、高校になってくると実験をやっている時間がないから飛ばされてひたすら授業になってしまう。実験なしでは「どうしてこうなったのだろう」ということにはつながりづらいのでは。体験させる理科の実験は大事なことだと思う。

 戦前の旧制高校のような大学に入る前の学校はかなり自由に自分のやりたいことをやれる教育だった。せっかく致道館高校・致道館中学校は中高一貫で6年間あるので中学で興味を育てたり、基礎的な学力を身に付け、高校でそれを使って自由に興味のあることを学ぶ。偏差値が高いから大学に行くのではなく、自分の興味の最先端はどの大学かを選ぶようになれば大学生として学問への向き合い方が変わってくる。受験勉強して覚えるのは苦行だが、自分が面白いと思っていることを調べたり、覚えるのは本人にとって楽しいこと。高大接続もスムーズにいくのではないか。

 東山 今回講演の機会を頂いて致道館というものをあらためて理解したが、致道館高校・致道館中学校に関わる子どもも親も教職員も、藩校・致道館がどういう教育の場だったのか一度理解しておくとすごい宝になる。冨田勝先生(前慶應義塾大学先端生命科学研究所長)も言っているが、これこそこれからの時代に求められるものだ。藩校・致道館の教育の姿勢はこれからの時代、本当に必要になる。サイエンスパークを中心とした学びの場は興味のある子にとって、いろいろなチャンスとなる。庄内地域は文系的な部分もすごく強いと思うので、SSHのような取り組みを通して今までの中高とは違う経験を子どもたちにさせてほしいし、そうした希望を持つ子がたくさん集まってくれれば。入試制度も徐々に変わりつつあるので、何か興味のあることを見つけてどんどん先にいけるようになればいい。中高一貫校を大きなチャンス と捉え、興味のある子が活発に活動する場になればいいと思う。

東山哲也氏
東山哲也氏

門松秀樹氏
門松秀樹氏


2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より

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激しく勇壮に御獅子舞 鶴岡市添川 両所神社例大祭で伝統の踊り

 鶴岡市添川の両所神社(菅原光保宮司)で18日、例大祭が行われた。伝統の「御獅子舞」(獅子踊り、市指定無形民俗文化財)が奉納上演され、5頭の獅子が腰に付けた鼓を打ち鳴らしながら舞う独特の踊りが祭り客を楽しませた。

 鶴岡市藤島地域は「獅子郷」と呼ばれるほど獅子踊りが盛んで、一人立ちの獅子5頭が胸や腰に付けた太鼓をたたきながら踊る伝統の様式が、多くの集落で受け継がれている。中でも添川地区の獅子踊りは歴史が古く、1686(貞享3)年に同神社が現在地に建立された時の大祭典で、若衆が競って奉納したのが起源とされる。現在は地元住民でつくる保存会(太田清士会長)が踊りを承継している。1972年に旧藤島町が無形民俗文化財に指定した。

 コロナ禍や悪天候などのため、神社境内で獅子踊りが披露されるのは4年ぶり。この日は神事の後、午後2時過ぎから太鼓を先頭に、老若男女の住民100人余りが奴振りや花梵天、みこしなどの行列をつくり、社殿の周りを3周した。

 境内でのくねりが終わると、地元の20~30代の青年5人による獅子踊りが社殿南側で始まった。謡に合わせて獅子たちが「ダダッコ、ダダッコ」と独特のリズムで腰の太鼓を鳴らし、山鳥の尾や鈴などで飾った頭を左右に激しく振りながら体を覆った紺色の幕をクルクルとはためかせ、勇壮な踊りを披露した。

 獅子踊りのメンバーとなって2年目の寒河江智大さん(20)は「7月初旬から土日以外は毎日1時間半ほど練習してきた。大勢の見物客がいるので緊張するが、獅子踊りを楽しんでほしい」と話していた。

社殿から大勢の祭り客が見守る中、伝統の獅子踊りが披露された
社殿から大勢の祭り客が見守る中、伝統の獅子踊りが披露された


2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より

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収穫時期 最も早い状況 刈屋梨目揃え会 出荷量は平年並み

 酒田市特産の「刈屋梨」の出荷目揃(めぞろ)え会が18日、同市のJA庄内みどり北部選果場で開かれ、生産者たちが主力品種「幸水」の出荷規格を確認した。20日から収穫、共同選果がスタートし、間もなく秋を代表する味覚が消費者に届く。

 同市刈屋地区では明治時代初期にナシ栽培が始まり、土壌が適していたことや、地元農家の努力で「刈屋梨」のブランド名が定着。13―14度と高い糖度が特徴で、一般消費だけでなく贈答用としても多くの引き合いがある。現在は同市北部を流れる荒瀬川左岸地域の果樹園約32ヘクタールで主力の「幸水」を中心に、甘味と酸味のバランスが良い「豊水」など和ナシとともに、洋ナシも栽培して出荷している。

 この日は同JA刈屋梨出荷組合(佐藤尚人組合長、39人)の生産者やJAの関係者ら計約60人が出席。JA担当者が秀品(赤秀)、優品(青秀)、無印、規格外の等級や出荷上の注意事項などを解説し、生産者はテーブルに並んだ各等級のサンプルを手に取って確認していた。佐藤組合長によると、今季は5キロ換算で幸水2万1000ケース、豊水6000ケースの出荷を見込む。小ぶりだが品質は良く、平年並みの個数を確保できる予定という。

 佐藤組合長は「温暖化の影響からか、今季は収穫時期がこれまでで最も早い。天気に気を付けながら、おいしい状態で皆さんに提供していきたい」と話した。

 収穫作業は幸水が来月中旬まで、豊水が10月中旬まで。12月の洋ナシ「シルバーベル」まで続くという。

刈屋梨の出荷規格を確認する生産者たち
刈屋梨の出荷規格を確認する生産者たち


2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より

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フロア管理業務引き継ぐ フーデバー 鶴岡市が運営会社から

 鶴岡市のJR鶴岡駅前にある「つるおか食文化市場FOODEVER(フーデバー)」について、市は18日、民間の運営会社からフロア管理業務を引き継ぐ方向で調整していることを明らかにした。運営会社は4年ほど前から経営難を理由に管理業務から撤退する意向を示し、昨年4月末から今年7月末まで市への賃料約1300万円分が未納となっている。飲食店とのテナント入居契約は市が承継する。

 同日開いた市議会への主要事項説明会で市が状況を説明した。フーデバーは2017年7月、市が所有するマリカ東館1階にオープン。市の観光案内所のほか、民間の運営会社「Fu―Do(ふうど)」が市に賃料を支払い直営部分に加え、飲食店のテナントに貸し出して広さ約1690平方メートルのフロア管理業務を担っている。市によると、コロナ禍などで同社の経営が厳しくなり、賃料や実費負担となる毎月の光熱水費の支払いが滞るなどしたため、本年度中にフロア管理業務に関する賃貸借契約を終了する方向で調整を進めている。

 市は施設の管理運営を同社から引き継ぐ一方で、来年度以降については新たな運営事業者の募集も検討している。

市が民間の運営会社からフロア管理業務を引き継ぐ方向で調整が進むフーデバー
市が民間の運営会社からフロア管理業務を引き継ぐ方向で調整が進むフーデバー



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