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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 8月5日(土)付紙面より

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清流の水面彩るバイカモ 遊佐町牛渡川

 遊佐町直世地区を流れる牛渡川で、キンポウゲ科の水草「バイカモ」が白い花を咲かせ、周囲の景観に溶け込む緑色の藻とともに国内有数の清流を華やかに彩っている。

 同川を流れているのは全て鳥海山の湧き水。水温は年間を通して安定し、「清流のバロメーター」ともいわれるバイカモ、淡水魚「ハナカジカ」といった貴重な生物が生息している。

 バイカモは同川一帯に群生しており例年、6月中旬から梅の花に似たかれんで小さな花をつける。川沿いの一部に散策路もあり、エメラルドグリーンの湖面が神秘的な「丸池様」とともに一大観光スポットになっている。

 訪れた観光客らは水面(みなも)に浮かんだ小さな白い花に目を奪われ、記念撮影していた。宮城県から旅行で訪れたという女性は「丸池様を目指してきたが、初めて見てきれいだと思った。良い時期に来れた」と笑顔で話した。

 鳥海山・飛島ジオパークの畠中裕之認定ガイドによると、今年は咲き始めが遅く、梅雨終わりの7月中旬ごろから咲き始めたので、8月中旬のお盆ごろまで楽しめる予想という。

川面をきれいに彩るバイカモの花。小さな白い花が水面に浮かぶ=1日
川面をきれいに彩るバイカモの花。小さな白い花が水面に浮かぶ=1日


2023年(令和5年) 8月5日(土)付紙面より

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やまがた海洋塾 2023 ~アイデアでつなぐ私たちの庄内浜~ 上 鳥海丸で航海庄内砂丘望む 磯見漁に挑戦命を守る体験も ―7月29日―

 県内の小学生が庄内の海に親しみ、海を通じて海洋ごみ問題や自然保護、食文化などを学ぶ「やまがた海洋塾」が7月29日に開塾。8月5日まで計3日間の日程で、初日は酒田市と鶴岡市加茂地区、2日目は遊佐町を会場に、塾生27人が自然について学びを深めた。航海体験などを通して“海”を仕事とする人たちと交流し、5日には合同で海、川、山がもたらす恵みの知識を深める取り組みを行い、自然と触れ合いながらさらなる学習につなげる。

海に親しみ 学び深める

 海洋塾は日本財団が2015年から全国展開している事業「海と日本プロジェクト」の一環で、テレビユー山形(酒田市)が中心となった山形実行委員会が県内全域の小学5、6年生を対象に参加者を募集。子どもの頃から地元の海に慣れ親しむことで、海の良さや大切さに感心を持ち、将来的な地域活性化につなげていこうと、県水産研究所や加茂水産高校、県漁業協同組合加茂支所などの協力を得て体験型授業を展開している。今年初の試みとして、教育現場でもより海への理解を深めてもらおうと小学校教員の参加も募集した。

 初日の29日は内陸地域の児童を中心に13人と、教員2人が参加した。初めに酒田市の県酒田海洋センターで海と山のガイドを務める畠中裕之さん(遊佐町)が、庄内の海岸線の長さや庄内浜で取れる代表的な魚・ハタハタの生態などに関して講話した後、加茂水産高の漁業実習船「鳥海丸」に乗船し、鶴岡市の加茂港に向け酒田港を出港。外海に出ると、塾生たちは「海の色が違う」「青くてきれい」と口々に感動していた。漁船や貨物船とすれ違いながら庄内砂丘を海上から観察し、畠中さんに「ここではどんな魚が取れますか」など積極的に質問していた。

 航行中、船員らの案内で船内のエンジン室や無線室なども見学。余目一小6年の菅原大志君(11)は「操舵(そうだ)室で舵輪に触れたのがうれしい。庄内砂丘が遠くまで広がっているのを初めて見てすごいと思った」と話した。

 加茂港に到着後、渚の交番「カモンマーレ」で庄内浜で取れる季節ごとの魚や漁業の種類について学んだほか、加茂レインボービーチでは地元漁師の加藤達男さんから、専用の道具を使って貝やモズクを取る磯見漁について学習。海中をのぞくガラス箱と、長さ5ほどの銛(もり)で貝を取る体験をした塾生たちは「水のせいで距離感がつかめない」と悪戦苦闘。加藤さんが熟練の技で軽々とサザエをつかむと、目を輝かせ拍手を送った。

 初日の最後は加茂水産高校の田代拓教諭を講師に、ライフジャケットの正しい着用方法と、海難事故に備えた2リットルの空ペットボトルを使った浮力体験を行った。山形西小5年の槙惣佑君(11)は「磯見漁に挑戦してみたけど全然できなくて、漁師さんはすごいと思った。ペットボトル1本で意外と浮くことが分かったり、初めて体験することが多くあった」と振り返った。

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鳥海丸での航海体験に出発=7月29日午前、酒田港東埠頭(上)2リットルの空ペットボトルを使った浮力体験=7月29日午後、加茂レインボービーチ
鳥海丸での航海体験に出発=7月29日午前、酒田港東埠頭(上)2リットルの空ペットボトルを使った浮力体験=7月29日午後、加茂レインボービーチ


2023年(令和5年) 8月5日(土)付紙面より

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広島平和記念日に思い巡る事

 広島(6日)と長崎(9日)に原爆が投下されてから78年。非人道的な核兵器は地球上に無用の物。「核兵器禁止条約」は2021年、国連で多数の国の賛成で発効したが、被爆国の日本は同条約を批准していない。一時期、核保有国間で核軍縮を話しあったが、今は核増強へと逆戻りしている。世界の安全と平和のため、核廃絶を訴え続けなければならない。

 5月、広島で先進7カ国首脳会議(G7)が開かれた。岸田文雄首相の出身地であり、首脳宣言に「核廃絶」が盛り込まれるとの期待感は、「核兵器のない世界に向けて取り組む」方針でとどまった。日本は核保有国と非核保有国の「橋渡し役」になることを掲げているが道は遠い。

◇      ◇

 今、世界の核保有国はロシア、米国、中国、フランス、英国、パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮。保有する核弾頭数を合わせれば1万2500発余。「核には核で」と国家間の対立がエスカレートした。核兵器の使用は地球の破滅につながるかもしれないのに、ウクライナ侵略を続けるロシアは使用すると威嚇している。北朝鮮は米国に届こうという弾道ミサイルなどを頻繁に発射して脅威をあおっている。世界の安全と平和のため、身勝手は許されない。

 広島の原爆を強烈な印象で受けたのは小学生の時、学校で見た紙芝居で。赤や黒で描かれた地獄絵のような惨状が記憶から消えない。今、鶴岡市の洋画家・三浦恒祺さんが、致道博物館で「原爆の形象」展を開いている。親の転勤で広島に住んでいた際被爆した。鶴岡に帰郷後、核廃絶を訴える作品を描き続け、絵は原爆の破壊力と恐怖心を表現するため赤や黒を多く使っている。

 核を用いた原子力発電の安全神話は、東日本大震災の東京電力福島第一原発事故で崩れた。被災地は表向きは復興しつつに見えるが、避難して古里を離れた人が戻ってこない。政府が安全だとして地域ごとに避難解除しても、家々が点在しているようでは生活を復興させることはできない。被災地をそのような環境から抜け出せないようにしているのは、目に見えない放射線への恐怖があるからだ。

◇      ◇

 日本には原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)があり、処分に困っている。欧州では脱原発に踏み切った国もあるが、日本では再稼働した原発もある。「核の平和利用」にも危険が潜んでいるのに、日本は核と向き合い続けなければならない。

 オーストリアで、核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会が開会した。NPT体制の維持による平和な国際社会の再構築が話し合われる。核廃絶には保有国すべての足並みがそろわなければならない。現状ではその道のりはまだ遠いが、歩みを止めることなく実現してもらいたい。広島平和記念日に思い巡るつれづれである。

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2023年(令和5年) 8月5日(土)付紙面より

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出羽三山中心とした観光振興へ 鶴信金 西川町 連携協定「モデル地域選定」目指す

 鶴岡信用金庫(佐藤祐司理事長)と西川町は1日、出羽三山を中心とした観光振興に関する包括連携協定を結んだ。信金のネットワークを生かした観光情報発信などで地域活性化に取り組む。

 同町は昨年度、出羽三山エリアの鶴岡市と庄内町とともに、観光庁がインバウンド誘致を集中支援する高付加価値化事業の「モデル観光地選定」で「継続検討」地域となった。西川町役場で行われた締結式で、菅野大志町長は「選定には参画する民間事業者の拡大が必要。鶴岡信金とつながりのある観光事業者にも協力をいただき、庄内の民間事業者を巻き込んで本年度のモデル地域選定を目指したい」と話した。

 協定では、西川町の地ビールなど特産品の販路開拓や地域を越えた企業のマッチングなどにも連携して取り組む。佐藤理事長は「観光振興に加え、地域資源を生かした地元企業の活性化に貢献したい」と述べた。

包括連携協定を結んだ佐藤理事長(左)と菅野町長=1日、西川町役場
包括連携協定を結んだ佐藤理事長(左)と菅野町長=1日、西川町役場


2023年(令和5年) 8月5日(土)付紙面より

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「酒田の開祖」徳尼公の縁学ぶ 岩手・平泉と交流 小中生一行が来酒

 「酒田の開祖」とされる徳尼公とその家臣「三十六人衆」の縁(えにし)をきっかけに、酒田市と文化交流協定を締結する岩手県平泉町をはじめ同県2市1町の小・中学生22人が4日、酒田を訪問。徳尼公の木製座像が安置されている泉流寺(中央西町、高橋卓真住職)、国指定史跡「山居倉庫」(山居町一丁目)など巡って見聞を広げた。

 文化面を中心とした交流を推進することで、交流人口の増加を図り、文化振興と地域経済の発展に寄与することを目的に酒田市と平泉町は今年6月、「奥州藤原氏が紡いだ酒田市・平泉町の絆を未来につなぐ文化交流協定」を締結した。

 締結後初の交流事業となった子どもたちの酒田訪問は、幅広い知識を得てもらうとともに、相互交流を深めることで社会性を身に付けてもらおうと、岩手県平泉、一関、奥州の2市1町教育委員会が実行委員会(委員長・吉野新平平泉町教育長)を組織し、22年前から全国で実施している「ときめき世界遺産塾」の一環。

 本年度は吉野教育長を団長に3市町の小学4―中学2年生22人が参加。4日まで1泊2日の日程で行われ、初日は山形市の立石寺を散策した後、酒田入りした。

 この日は最初、三十六人衆の子孫で組織する「酒田三十六人衆」の須藤秀明代表と高橋住職の案内で泉流寺を見学。須藤代表は酒田と平泉のつながりなど紹介した上で、「徳尼公は『酒田の開祖』として今でも酒田で愛され、親しまれている存在」と語り掛けた。徳尼公の座像が安置されている御廟を特別公開、子どもたちはメモを取りながら熱心に高橋住職の話に聴き入っていた。

 参加者の一人、平泉町立長島小6年の今野莉桜さん(12)は「酒田は初めての訪問。酒田と平泉は離れているのにつながりがあってすごいと思った」と話した。一行は、修復工事中の旧鐙屋、山居倉庫、城輪柵跡を見学し、同日夕に帰郷。

平泉町など岩手県内の子どもたちが酒田を訪問=4日午前、泉流寺
平泉町など岩手県内の子どもたちが酒田を訪問=4日午前、泉流寺



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