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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 9月2日(土)付紙面より

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ご神火 燃え盛る ― 羽黒山頂で「八朔祭」 ― 出羽三山神社 山伏たち秋の峰締めくくる

 豊作を願う出羽三山神社(阿部良一宮司)の「八朔(はっさく)祭」が31日夜、鶴岡市の羽黒山頂で行われた。「蜂子社」前の護摩壇にご神火がたかれ、山伏が荘厳な火祭り神事を繰り広げた。

 八朔祭は山伏修行「秋の峰」(8月26日―9月1日)を締めくくる勇壮な火祭り。旧暦で8月1日に当たり羽黒山の開祖・蜂子皇子の荒行をたどった山伏たちが稲の順調な収穫を祈願する。クライマックスは「火箸(ひばし)行事」。荒行を積んだ山伏が長さ約3メートルの「火箸」を持って体を回転させながら護摩壇を突き火の粉を舞い上がらせる場面は圧巻だ。

 この日は午後9時から蜂子社で阿部宮司や神職がお札を祈祷(きとう)。ご神火を護摩壇に付け祭りは最高潮に達した。山伏たちは燃え上がる火柱の前で崇敬者の名前を読み上げ「五穀豊穣(ほうじょう)」「商売繁盛」「家内安全」「身体堅固」「交通安全」を願った。

「火箸行事」で勢いよく護摩壇を突く山伏。火の粉が舞い上がり祭りは最高潮に
「火箸行事」で勢いよく護摩壇を突く山伏。火の粉が舞い上がり祭りは最高潮に

ご神火を受けたたいまつを持ち山伏が護摩壇へ。火を付けると火柱が上がった
ご神火を受けたたいまつを持ち山伏が護摩壇へ。火を付けると火柱が上がった


2023年(令和5年) 9月2日(土)付紙面より

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クレーター見えた!! 酒田 スーパームーン観望会

 月が地球に近づき、一年で最も明るく見える満月「スーパームーン」の観望会が30日夜、酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)で開かれ、参加者たちが希少な天体ショーを楽しんだ。

 酒田市デジタル人材育成委託事業として、公益大地域共創センターが主催。素粒子理論や天文教育を研究している公益大の山本裕樹教授を講師に、月についての講話と望遠鏡での観望を行った。

 この日はオンラインを含め天体に興味のある学生や市民ら約50人が参加。山本教授は天体の公転運動や月の満ち欠けについて説明した後、「月と地球の距離は最も遠いと約40万6000キロ、最も近くて約35万7000キロで、視直径で約14%大きさが違う。今回の最も近い満月の瞬間は8月31日の午前10時36分のため日本では確認できないが、条件が近い今夜、一緒に観察してみましょう」と解説した。

 その後、中庭に移動し南東の空を観望。あいにくの曇り空だったが、晴れ間に月の全体が見えた瞬間、参加者たちは「きれい」「大きく見える」と感嘆しながら望遠鏡をのぞいていた。

 親子で参加した亀ケ崎小2年の齊藤和玖(わく)君(8)は「宇宙に興味があって参加した。望遠鏡で月を見たら、クレーターがきれいに見えてすごいと思った」と話した。

大きな満月を見ようと望遠鏡をのぞき込む参加者たち=30日午後7時半ごろ
大きな満月を見ようと望遠鏡をのぞき込む参加者たち=30日午後7時半ごろ

望遠鏡で観察した月=30日午後 7 時半ごろ(参加した齊藤めぐみさん提供)
望遠鏡で観察した月=30日午後 7 時半ごろ(参加した齊藤めぐみさん提供)


2023年(令和5年) 9月2日(土)付紙面より

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羽黒山杉並木を将来に保全する

 2446段の石段参道の両脇に立ち並ぶ、国の天然記念物「羽黒山のスキ並木」を守る取り組みが始まった。杉並木には樹齢350―400年のスギが558本ある。その1本ずつの健康状態を調査し、倒木の危険性などを確かめて保全策を策定する。現在、確認されている枯れたスギは18本。杉並木参道の安全を確保することによって、景観が将来に伝えられる。

 杉並木の保全に向けた調査と計画策定は、羽黒町手向の住民組織「羽黒山スギ並木保全まちづくり協議会」と、北海道大学観光学高等研究センターが当たる。出羽三山信仰の入り口に当たるのが羽黒山であり、参拝道のシンボルの杉並木を、しっかり保全していきたい。

     ◇       ◇

 出羽三山は開山から1400年余。日本有数の修験道の聖地。羽黒山(現在)、月山(過去)、湯殿山(未来)を巡る「生まれかわりの旅」の信仰が息づき、三山巡りは人が再生するお参りとして考えられている。参道入り口の随神門をくぐると杉並木が下り坂になるのは、一度地獄に落ちるところからお参りが始まるためとされる。五重塔を過ぎると一の坂・二の坂・三の坂の急坂の表参道杉並木が続く。

 参道には、五重塔近くに樹齢1000年の「爺杉」もある。羽黒山にはスギを“長寿”にさせる環境があるとしても、長い年月を経れば樹勢が衰えることは避けられない。出羽三山神社の森林技師を務めた鈴木栄作さんは「国の天然記念物であり、腐食して倒れそうになっても枯死しなければ伐採できない決まりがある。ワイヤを取り付けて参道側に倒れない処置を施すことが必要」と語っている。

 2019年、国内最大級の外国人向け日本情報サイトが公表した、「外国人が訪れるべき日本の観光地ランキングトップ10」で鶴岡市が8位に入った。出羽三山信仰の精神性と神秘性などが評価された。即身仏、山伏修行、精進料理などを取り上げ「鶴岡には不思議がたくさんある」と紹介している。随神門から三神合祭殿へと続く日光を遮るような杉並木の景観も圧巻だ。

     ◇       ◇

 岩手県盛岡市が今年1月、米国のニューヨーク・タイムズに、23年に行ってみるべき世界の52カ所に英国・ロンドンに次いで2番目の場所として紹介されて話題になった。今年8月の夏祭り「さんさ踊り」は例年にない人出があったという。街の歴史性や景観などが人々を引き寄せたのだろう。

 出羽三山は信仰の山であると同時に貴重な観光資源。参道の石段には天狗の面、ひょうたん、山伏の姿などさまざまな彫り物がある。難所の二の坂には、弁慶が神様にささげる油を持って登る途中、急坂に疲れ果て油をこぼしてしまった「油こぼし」の異称がある。どれもが羽黒山が誇る杉並木参道があればこそ。杉並木を後世に残す最良の保全策が練られることを期待したい。

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2023年(令和5年) 9月2日(土)付紙面より

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酒田ふれあいスタンプラリー始まる シール集めて賞品当てよう 10月1日まで

 個人消費の喚起などを目的に、酒田市の酒田ふれあい商工会(富樫秀克会長)は、9月1日から消費喚起事業「ふれあいスタンプラリー」を開始した。10月1日(日)までの間、市内62の会員事業所で買い物するとシールを贈呈。シール数に応じて地元の人気商品が当たる抽選会に応募できる。

 地元店舗の周知、来店機会の創出を図ることで、コロナ禍で大きな打撃を受けた地域商工業者などの販売促進、地域経済の活性化につなげようと、昨年に引き続き市と共に企画。10月1日までの期間中、ポスターやのぼり旗を掲示している小売、飲食、理美容、宿泊などの会員事業所で買い物をするとシールを1枚プレゼント、これをスタンプラリー台紙に貼っていく。

 シール5枚で応募できるA賞(当選10人)は▽平牧工房「三元豚特製カレー・金華豚肉巻きおにぎり6個セット」▽サカタフーズ「ハンバーグ・加工品詰め合わせ」―を用意。3枚以上のB賞(同30人)は▽楯の川酒造▽松山酒造▽麓井酒造▽升田罐詰▽鳥海やわた観光▽みどりサービス―の人気商品が当たる。2枚以上のC賞、1枚で応募可のD賞、特別賞もあり、賞品はバラエティーに富んでいる。台紙は二つ折りの名刺サイズで、各会員事業所でもらうことができる。シールを貼った台紙を会員事業所の応募箱に投函(とうかん)し、応募は完了。1人何枚でも応募することができる。

 商工会事務局は「昨年の応募総数は5706枚で、『お客さんとのつながりができた』『チラシを見て初めて店に行った』など会員事業所からも応募者からも大きな好評を得られた。住民に地元の店舗を知ってもらうきっかけになれば」と話した。参加事業所は商工会ホームページ=https://sakatafureai-shokokai.jp/=に掲載している。抽選会は10月上旬で、当選者には10月中に賞品を発送する予定。問い合わせなどは酒田ふれあい商工会=電0234(52)3012=へ。

ふれあいスタンプラリーをPRする酒田ふれあい商工会職員たち
ふれあいスタンプラリーをPRする酒田ふれあい商工会職員たち


2023年(令和5年) 9月2日(土)付紙面より

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大きくな~れ おいしくな~れ 焼き畑に温海かぶ種まき 伝統農法理解深める あつみ小

 鶴岡市槙代の天魄(てんぱく)山麓にある「温和の森」で31日、あつみ小学校(里見研校長、児童131人)の3年生20人が焼き畑での温海かぶの種まきを体験した。殺菌効果の高い焼き畑の特性について説明を受け、地元の特産物と伝統農法について理解を深めた。

 森・川・海の資源を活用した地域の営みを学び、関心を高めてもらう「天魄森林自然教室」の一環。鶴岡市がやまがた緑環境税を活用し、あつみ小3―5年生を対象に実施している。

 種まき体験は約50平方メートルの急斜面の畑で行われた。初めに温海町森林組合職員による火入れを見学。火入れには5年生が7月に温和の森で枝打ちした枝が使われた。市温海庁舎職員から「火入れをすることで病気や虫の害を防ぎ、殺菌の効果がある。さらに草木灰が栄養満点の天然肥料となる」と伝統の焼き畑農法について説明を受けた。

 畑の火が収まった後、児童たちは川底から採取した砂と混ぜ合わせたカブの種を手に取り、斜面の上と下から「大きくな~れ」「おいしくな~れ」と声をそろえて勢いよくまいた。

 伊藤大夢君(9)は「ばい菌を防ぐ灰の力はすごいと思った。今日まいた種も大きなカブに育ってほしい」と話していた。3年生は11月下旬ごろ収穫と温海かぶの漬け込み体験を行う。余った種は校舎のプランターなどに植え、来年度の3年生が新たに種を採取するという。

「大きくな~れ」。児童たちが焼き畑に温海かぶの種をまいた
「大きくな~れ」。児童たちが焼き畑に温海かぶの種をまいた



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