文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

ツイート

好調!!庄農うどん大作戦 4週で1160食注文 「おいしいね」の声に喜び実感 庄内農高うどん部

 鶴岡市の県立庄内農業高校(坂井孝朗校長)の生徒が取り組んでいる「庄農うどん大作戦!Season5」が好調だ。今年も今月初めに藤島地域の飲食店9店舗で生徒が作った「庄農うどん」の提供が始まったが、客の注文が相次ぎ売り切れる店が続出。11日間で1000食以上売り上げた。生徒たちは「先輩たちが築き上げた伝統のおかげ。もっとファンを増やせるよう努力したい」と張り切っている。

 大作戦は今年で5年目。生徒が仕込んだうどんを食堂、居酒屋、割烹(かっぽう)、そば屋、温泉旅館で「肉うどん」や「つけ麺」など各店が趣向を凝らしたオリジナルメニューに仕上げている。今年は今月2日にスタート。来月15日まで毎週金・土・日に参加店で提供する。

 同校によると今年の第1週目は255食、2週目は290食、3週目は325食、4週目は290食で計1160食が売れた。各店では営業が始まると同時に「庄農うどんください―」と注文が舞い込んでいる。

 バングラデシュ出身の父親を持つハックかりんさん(3年)は「大作戦が始まってすぐ、参加店で『今年も庄農うどんの人気ぶりはすごい』と評判を聞き、素直にうれしくなった」、古民家カフェ「藤の家」で接客対応を学んだ清野瑞季さん(3年)は「庄農うどんはいつ食べてもおいしいね、と年配の女性客から言われ、ありがたい気持ちを抱いた。大作戦の経験を自分の将来に生かしたい」と話す。

 1年生から3年生まで約30人の生徒で構成する同校の「農業部加工班(通称・庄農うどん部)」は今年8月に盛岡市で行われた「日本学校農業クラブ連盟大会」の東北大会で大作戦の活動内容を発表。地域ぐるみで取り組んでいることが高く評価され、優秀賞を受賞した。

 生徒を指導する叶野哲実習教諭(52)は「活動自体が5年目に入り『少し飽きられてしまうのかな』と心配したが、ふたを開けてみればその逆。お客さんの間で『9月になれば庄農うどんが食べられる』とすっかり定着した。これも生徒の頑張りと地域全体の協力があったから。感謝したい」と語る。

 のど越しの良さと麺のモチモチ感が自慢の庄農うどんは、昨年に続いて「つるおか麺フェス」(先月27日・荘銀タクト鶴岡)に出品。120食を完売し、生徒たちの自信はさらに深まった。今年の大作戦は残り3週間。生徒たちは、うどんの仕込みと接客の体験学習を行う一方で「参加店の食べ歩きを楽しんでほしい」とPRしている。

庄農うどん大作戦のチラシを手に意気込みを見せる庄内農業高の生徒たち
庄農うどん大作戦のチラシを手に意気込みを見せる庄内農業高の生徒たち


2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

ツイート

大蚕室夕闇に浮かび上がる 松ケ岡開墾場 期間限定 「サムライシルクナイト」

 鶴岡市の国指定史跡・松ケ岡開墾場に新たな魅力を創出するライトアップイベント「サムライシルクナイト」が23日、期間限定で始まった。約150年前の明治時代初めに建てられた大蚕室10棟のうち現存する5棟が夕闇に浮かび上がり、来場者は普段とは異なる情景を楽しみ、夜の開墾場の雰囲気に浸っていた。

 日本遺産「サムライゆかりのシルク」の構成文化財の中核となっている同開墾場を市内外に発信しようと、インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光庁の支援事業の採択を得て、史跡松ケ岡開墾場管理運営協議会(堀誠会長)が企画、実施。ANAあきんど庄内支店が事務局を担った。

 ライトアップは、1棟当たり全長38メートルあり、解体された鶴ケ岡城の瓦を使用して建築された木造の大蚕室5棟をLEDの照明灯18基で照らしたほか、蚕室が並ぶ中心部の通路と、隣接するピノ・コッリーナ・ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡と結ぶ通路に赤ワインで染めたシルク生地を使ったランタンなども設置した。

 イベント初日の23日夜には、5番蚕室を活用したワインディナーショーが開かれた。在日外国人ら市内外から訪れた約70人が、鶴岡市出身の歌舞伎役者・中村橋吾さんらによる演舞を堪能した。

 ライトアップは入場無料で、今後は30日と10月1日、7―9日の午後5時―同9時に実施され、30日と8日の午後5時半からは、ガイドが案内する「サムライシルクナイトウォーク」(参加費1000円)が予定されている。

ライトアップした5番蚕室を使って23日に開かれたディナーショー
ライトアップした5番蚕室を使って23日に開かれたディナーショー


2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

ツイート

フル規格新幹線の早期実現を

 県が公表した基準地価で、庄内の住宅地、商業地、工業地を合わせた平均変動率は25年連続の下落だった。ただ、県内で上昇率が高い上位5地点のうち、酒田市相生町一丁目のプラス1・4%が2位、駅に近接する同市ゆたか一丁目が同1・2%で3位だった。県不動産鑑定士協会は「酒田駅前の再開発事業と、日本海沿岸東北自動道(日沿道)延伸の効果」を挙げている。交通のアクセス向上が優れているということであろう。

 地価は景気を計る指標の一つとされ、「地の利」ともいえる。北海道では8割の市町村で下落しているのに、札幌市周辺は住宅地、商業地とも大幅に上昇しており、2030年の北海道新幹線開業を見越した動きが背景にあるとみられている。

◇      ◇

 山形県は高速鉄道の整備から後れを取っている。県内では山形新幹線が走っているが、新庄―福島間は在来線を改良したミニ新幹線で、部分的だが最高速度は130キロ。高速鉄道整備の悲願はフル規格による「奥羽新幹線・羽越新幹線」が走ること。1973年に政府の基本計画に位置付けられたが、依然として整備新幹線に格上げされていない。同時に基本計画になった北海道・北陸・九州の各新幹線は、ほぼ完成に近づいている。

 先ごろ、フル規格新幹線の実現を目指す「県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟」(会長・吉村美栄子知事)の促進大会が開かれた。同同盟会は16年に設立された。今度の大会では奥羽新幹線整備の当面の課題となる「米沢トンネル(仮称)」の早期実現の大会決議を採択、併せてPRのロゴマークも披露した。しかし、「山形県の未来を拓く希望のトンネル 山形新幹線 米沢トンネル」のキャッチフレーズから、羽越新幹線の“姿”があまり感じられない。

 北陸新幹線は来年3月、金沢―敦賀間の延伸開業が決まり、23日から試験走行が始まった。将来は大阪までつながる、東京―北陸新幹線―東海道新幹線―東京を乗り継ぐ“環状新幹線”となる。あまりにも人口集中圏重視の、政府の鉄道政策である。

◇      ◇

 地価公示で、酒田市の中心市街地の一部でようやく地価がプラスに転じた。高速交通網の整備が少なからず地方の土地の付加価値を高めるという、専門家の指摘もある。庄内空港があり、日沿道の未接続区間の整備も進んでいる。残すは羽越新幹線の整備あるのみ。

 札幌市周辺の地価の変動率はプラス30%も上昇、企業進出も相次いでいる。大都市圏という好条件があるとしても、新幹線の開業効果を見越した動きが背景にある。奥羽・羽越新幹線が国の基本計画に位置付けられてから、手付かずのまま50年が過ぎた。その中で、羽越新幹線は奥羽新幹線にも後れを取っている感さえある。庄内挙げて県や国への働きかけを強めたい。

画像(JPEG)


2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

ツイート

料亭の味に舌鼓 酒田DMO×調桜会「志幡」 社員食堂ランチで提供

 酒田市の観光地域づくり法人・酒田DMO(荒井朋之理事長)と、庄内地域の料亭・飲食店で組織する県調理師組合「調桜会」(阿部秀志会長)による、料亭で調理した料理を社員食堂で提供する「料亭コラボランチ」が22日昼、同市のプレステージ・インターナショナル山形BPOパークで行われ、社員が料亭の味に舌鼓を打った。

 酒田には昔ながらの伝統を守りつつ、おいしい料理を提供する料亭が多くあるものの、支えているのは年配の常連客が中心。同法人が、調桜会の会員店に対しヒアリング調査したところ、若い世代のファン開拓、コロナ禍に伴う利用客の減少が課題となっていることが分かった。

 同法人と調桜会は、「未来の常連客」となる若い世代から酒田の食文化の素晴らしさを広く知ってもらうとともに、敷居が高いと思われている料亭を身近に感じてもらい、積極的に足を運んでもらおうと、市の助成、同社の協力を得て「美酒美食の街さかた事業」の一環として今年6月にコラボランチを開始。初回は料亭「香梅咲」(日和町一丁目)が担当した。

 2回目の今回は、くつろぎ割烹「志幡」(山居町一丁目)が調理。かつて日和山の割烹小幡で提供していたという庄内豚を使ったしょうゆ仕立てのいも煮、ごま豆腐に、文化庁「100年フード」に認定された「むきそば」を添え、1食450円(税込み)で提供。午前11時ごろから社員が食堂を訪れ早速、味わった。

 共に酒田市出身・在住の中條香音さん(27)と富樫ふくさん(40)は「おいしい」と第一声。中條さんは「前回のコラボランチで提供されたむきそばがおいしく、また食べたいと思っていた」、富樫さんは「しょうゆ仕立てのいも煮は新鮮な感じ」と話した。限定80食のうち半分ほどは予約で埋まったという。

 同法人の小林和也さんによると、次回は11月の予定。「料亭同様、すし店も若い世代のファン獲得が急務と聞く。酒田DMOとしてつなぐ役目を果たしていきたい」(小林さん)という。

「料亭の味」に舌鼓を打つ山形BPOパークの社員
「料亭の味」に舌鼓を打つ山形BPOパークの社員


2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

ツイート

本物のすごさ体感 とても楽しい 酒田 プロ棋士招き親子将棋教室

 プロ棋士の植山悦行七段を招いた親子将棋教室が24日、酒田市の亀ケ崎コミュニティ防災センターで開かれ、園児・児童たちが手ほどきを受けた。

 日本将棋連盟酒田荘内支部(佐々木清支部長)が本年度、文化庁「伝統文化親子教室事業」の助成を受けて開催している教室の一環。この日は園児・児童11人が参加し午前中に通常の教室を開き、午後から植山七段が指導した。

 子どもたちを前に、植山七段は「駒それぞれに特徴があり、どこに使ったらよいかよく考えて」「両取りの形を作ってみよう」などと積極的に指導。2―6枚落ちの6面指しで対局し、子どもたちはプロのすごさを体感していた。参加児童の一人、酒井忠行君(8)=朝暘三小3年=は「将棋は3カ月前に始めたばかりで、普段は父と指している。とても楽しい」と話した。

 同支部では引き続き教室参加者を募集している。対象は高校生までで将棋のルールが分かる人。次回は10月8日(日)の午前10時から。費用は無料。問い合わせは同支部の阿部悟さん=電090(7526)6035=へ。

植山七段(中央)と対局する子どもたち
植山七段(中央)と対局する子どもたち


2023年(令和5年) 9月27日(水)付紙面より

ツイート

「どうする家康」トークショー裏話4(終) 鳴らなかった「酒井の太鼓」

 トークショーの中での質問コーナーでは出なかったが、どうしても聞きたいことがあった。それは忠次最大の見せ場の一つ、三方ケ原の戦いでの「酒井の太鼓」だ。ドラマではどのような解釈をするか興味があったのだが、終わってみれば明かりのともった浜松城の姿が映るばかり―。

 ドラマで描かれたのは蜀の軍師・諸葛孔明が、魏との戦いで取った策といわれる「 空城(くうじょう)の計」。形勢不利になると使われる「三十六計、逃げるにしかず」は兵法最後の36番目。空城の計は三十二計に当たるので、最後の手段に変わりはない。武田軍との戦いに敗れて城へ逃げ帰った徳川軍が、酒井忠次の提案で取った苦肉の策。武田信玄は「空城の計」と見破りつつも、家康にそのような策を授ける家臣がいたことに敬意を表し、退却したように描かれた。

 トークショー後の報道陣の質問会で「鶴岡市民としては太鼓が鳴らず、とても残念」と話しを向けたところで大森南朋さんが「あれはまったくNHKサイドの不手際」と謝り、関係者からは笑いが起こった。役柄について丹念に調べ上げる大森さんのこと、「酒井の太鼓」の逸話は知っていたが「台本にはなかった。忠次が主人公ならきっと描かれたと思いますが。申し訳ありません」とさらに謝らせてしまった。

 質問会が終了するや、磯智明チーフプロデューサーが側に来て、「空城の計」と「酒井の太鼓」のどちらでいくか脚本家の古沢良太さんとも相談したが、静まり返って人がいないように見せる城内で太鼓をたたくことに整合性がないと判断してのことだったと説明。「酒井の太鼓」も候補にあっての結果だという。孔明は静かな城内で琴を弾いたというが、と納得しない部分も残しながら、あの日の浜松城は美しかったことに免じて、“次の機会”を待つことにしたい。

 最初の質問に戻るが、本当は「残念だ」の後に「忠次の見せ場が減ってしまい、どう思われましたか?」と続けるはずだった。しかし、大森さんの「台本になかったので」という言葉で、主役は家康と分(ぶ)をわきまえ、「見せ場が減ったとは思わない」と答えると思い、それ以上は質問を続けなかった。

 だが、待てよ。トークショーではこんなことが。

 番組の次週予告の最後に家康の金陀美(きんだみ)具足をかぶった出演者の顔がくるくる変わる演出が好評だという話が出た折、大森さんはオンエアを見て、「あれ、オレ出なかった」と思うことがあると言っていた。やはり、見せ場があればうれしいのだろう。

 忠次にはこれから、もっと大きな見せ場が待っている。家康は関ケ原の戦いを経て天下の大将軍へと上り詰めるが、忠次は関ケ原以前に亡くなっている。磯チーフプロデューサーは「いずれ家康と忠次に別れがくる。最後に家康に伝えるメッセージは、数正と同じ、いやそれ以上にインパクトのある言葉となっている」と期待を持たせた。

 「忠次の最後の回も楽しみにしていてください」と笑顔で話す大森さん。放送がいつなのか、まだ発表はないが、その日は近い。(編集局・難波恵美)

トークショーの最後に会場の人たちと記念撮影。左から磯チーフプロデューサー、大森さん、羽隅将一アナウンサー
トークショーの最後に会場の人たちと記念撮影。左から磯チーフプロデューサー、大森さん、羽隅将一アナウンサー



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field