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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より

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北の若 古里で来場所へ決意 支援する会着物贈る 「これからが勝負 馬力付けたい」

 北の若を支援する会(酒田市、会長・新田嘉一平田牧場グループ会長)は26日、酒田市出身で大相撲十両の北の若関(22)=八角部屋=に着物一式を贈呈し、さらなる活躍を期した。同日夕に行われたトークイベントに臨んだ北の若関は「期待に応えられるよう、全力で相撲道に精進していく」と決意を述べた。

 北の若関は宮野浦小、酒田一中出身。小学3年から酒田相撲教室に通い、中学3年時には全国都道府県中学生相撲選手権大会で優勝。さいたま市の埼玉栄高に進学し2018年、台湾で行われた第15回世界ジュニア相撲選手権大会、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)相撲競技でそれぞれ、個人と団体の2冠を達成した。

 19年3月に大阪・春場所で前相撲からデビュー。稽古を重ねて着実に力を付け、東幕下3枚目で臨んだ21年11月の九州場所で5勝2敗の好成績を収め、昨年の初場所に十両昇進。東2枚目と好位置で挑んだ今年の秋場所は8勝7敗と4場所連続で勝ち越し、新入幕も期待されている。

 支援する会は、北の若関を後援する企業・個人、いわゆる「タニマチ」で組織。本年度から活動を開始した。今回寄贈したのは、円形が連鎖し永遠につながる縁起の良い七宝柄を施した墨黒色の着物、前にしか飛ばないことから不退転の精神を表す「勝ち虫」のトンボをあしらった草履、角帯、はかまなど8点。いずれも本人の希望に沿ったものという。

 この日、同市のガーデンパレスみずほで行われた贈呈式では、新田嘉七会長代理(平田牧場代表取締役社長)ら4人が目録・現物を手渡した。北の若関は「勝ち越しのあいさつができてまずは良かった。すてきな着物を頂き感謝。今後も気を引き締めて頑張ります」と謝辞を述べた。

 北の若関は同日夕、同じくガーデンパレスみずほで行われた「荘銀酒田ゆりの会」(会長・新田社長)の発会記念イベントに、寄贈を受けた着物を着用しゲスト出演。加藤明子さん(チアーズ社長)との対談に臨み、冒頭「負け越していたら酒田に帰られないと思った」と会場を沸かせた。そして「相撲は最後まで何が起こるか分からない。気持ちの波が結果に出てしまったが、自分の中では今までで最も充実していた場所となった。何とか勝ち越して来場所につなげたいと思った」と続けた。

 「これからの目標」を問われ、「ようやくスタートラインに立ったという思いで、これからが勝負。柏戸関のような力で圧倒する男らしい力士に憧れており、当たり負けしないよう馬力を付けるため稽古を重ねていく」と力強く語ると、会場からは大きな拍手が送られた。

 一方、27日朝には市役所を表敬訪問し、矢口明子市長に秋場所の結果など報告した。

支援する会メンバーと記念写真に納まる北の若関(前列左から2人目)
支援する会メンバーと記念写真に納まる北の若関(前列左から2人目)

寄贈を受けた着物を身に着けイベントに臨む北の若関
寄贈を受けた着物を身に着けイベントに臨む北の若関


2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より

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自由に伸び伸び表現 今井アートギャラリーで子どもたち

 美術団体の白甕社(齋藤拓委員長)は24日、鶴岡市羽黒町仙道の羽黒・芸術の森今井アートギャラリーで、子ども対象の美術ワークショップ「いまいしげさぶろうさんコンニチハ」を開いた。

 来年に創立100周年を迎える白甕社が記念事業の一環で企画。3―10歳の子どもと保護者の8組23人が参加した。白甕社会員や保護者のサポートを受け、子どもたちは色画用紙にクレヨンや絵の具で、またスポンジを使ったり、絵の具を解いたスプレーの色水を画面に吹きかけたりして、初めて経験する技法にも積極的に挑戦しながら、さまざまな色と形で自由で伸び伸びとしたそれぞれの思いを表現していた。

 絵画制作の後は、スチレンボードや生け花に使うオアシス(スポンジ)を土台に、森で拾い集めた枝や落ち葉、木の実、色とりどりのモールなどを使った立体造形にも挑戦。希望者数人が、今井画伯が遺した手つかずのキャンバスを使って大画面(縦横約120センチ)の共同制作も体験し、芸術の秋を満喫した。

 子どもたちが手掛けた作品は、10月20日まで今井アートギャラリーに展示される(入館料500円)。また、来年9月に鶴岡アートフォーラムで開催される創立100周年記念白甕社美術展でも展示され、同展の記念画集にも掲載される。

自由な発想で伸び伸びと制作に取り組む子どもたち
自由な発想で伸び伸びと制作に取り組む子どもたち


2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より

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日本刀物語変遷と魅力伝える 古代の直刀から軍刀まで 致道博物館 多彩な関連イベント開催

 鶴岡市の致道博物館(酒井忠順館長)で日本刀の変遷と魅力を伝える展示会「日本刀物語~変遷と魅力~」が開かれている。古代の直刀から旧日本軍人が使用していた刀まで、同館をはじめ庄内各地に残された刀剣、や古文書など関連資料合わせて40点余りが展示され、大勢のファンが足を運んでいる。

 “鉄(はがね)の美”として世界に誇る日本刀は、古くから武具だけでなく祭具として、近代では価値の高い美術品として現代までその形を残している。反りのある形状となり、多くの刀匠が技を磨きながら継承してきた日本刀の魅力と歴史を伝えようと企画した。展示に当たっては同館所蔵のもののほか、最上義光歴史館(山形市)や本間美術館(酒田市)、酒田市立資料館(同)、本住寺(鶴岡市)、總穏寺(同)の協力を得たほか、個人所有の刀剣も出品されている。

 展示の最初のコーナー「日本刀前夜~古代の刀剣~」では、遊佐町吹浦の三崎山で発見された中国・殷時代(紀元前11世紀)の青銅刀子(複製)や、柄(つか)の部分がワラビのように湾曲した蕨手刀(わらびてとう)などが飾られた。蕨手刀は青銅刀子と同じく三崎山から出土しており、大陸伝来の直刀に反りが取り入れられた「湾刀」で、日本刀の原型とされる。

 続く「日本刀のはじまり」では、平安後期に誕生した日本刀を紹介。同時代の刀は腰(刀部の根本付近)から強く反り、鋒(きっさき)に向かって細くなる日本独自の特徴を持った刀となった。最上義光歴史館所蔵の「刀・朱銘『来国次』」は最上義光の四男・山野辺光茂が所持していたとされる。江戸時代に「来国次」が「来たりて国を次(継)ぐ」と読めることから、将軍の世継ぎの贈り物として喜ばれたと伝えられる。

 また、江戸前期の刀として展示された「銘『藤原貞行』」は、1811(文化8)年9月に總穏寺境内で起きた土屋虎松による敵討ち事件で、虎松の相手となった土屋丑蔵が使用していた刀。この敵討ちは鶴岡市出身の作家・藤沢周平の小説「又蔵の火」のモデルとなった逸話として名高い。

 このほか粟田口藤四郎吉光、相州正宗、越中郷義弘の優れた刀工たちの手で鍛えられた「三作」に関わる刀や、水心子正秀と大慶直胤、源清麿の3刀工による「江戸三作」、庄内町出身で旧日本軍陸軍の佐藤幸徳中将が所持していた軍刀など、歴史的資料として価値が高い逸品がそろった。

 会場には大勢のファンが連日足を運んでおり、秋田や新潟など近隣県や関東圏のほか、遠くは福岡県からの来館者もいた。

 展示は11月5日(日)まで。関連イベントとして10月14日(土)、15日(日)、11月5日には刀匠の上林恒平氏による刀身彫刻の実演が行われる。時間はいずれも午前10時半から午後3時まで。10月29日(日)には体験講座「はじめての刀剣~触って聞いて、見る体験~」が行われる。講師は日本美術刀剣保存協会庄内支部の矢口秀春副支部長で、時間は午後2時から。10月21日(土)はゲーム「刀剣乱舞ONLINE」コラボイベントとして同ゲームの宣伝隊長「おっきいこんのすけ」が致道博物館を訪れる。10月28日(土)は学芸員によるギャラリートークが行われ、時間は午後2時から約1時間。

湾曲した独特のフォルムが美しい日本刀の魅力と歴史を伝える展示会「日本刀物語」
湾曲した独特のフォルムが美しい日本刀の魅力と歴史を伝える展示会「日本刀物語」


2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より

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リレーコンサート&フリーマルシェ 楽器演奏や買い物楽しむ にぎわい創出 初企画 庄内町

 ストリートピアノを活用したイベント「リレーコンサート&フリーマルシェ」が23日、庄内町狩川のウインドーム立川で開かれ、訪れた人が楽器演奏や買い物などを楽しんだ。

 ストリートピアノとは、駅、公園、ショッピングモールなど、公共の場所に設置された誰でも自由に演奏ができるピアノのことで、近年YouTubeやSNSなどで人気が出ている。庄内町では唯一、ウインドーム立川に設置されている。秋田県でストリートピアノを活用したイベント活動などを行っている庄内町狩川在住の今井卓也さん(39)、町内で「角蔵珈琲」を営む妻の美樹さん(35)が中心となりボランティア有志が主催。ストリートピアノの周知と活用を促進することで、にぎわい創出につなげようと、今回初めて企画した。

 この日は気持ちいい秋晴れの中、多くの家族連れや音楽好きが訪れ、同館アリーナに設置しているアップライトピアノを順番に演奏していった。ピアノのほかアコースティックギター、ウクレレ、オカリナ、カホンなど、多種多様な楽器演奏がリレー形式で披露され、中には飛び入り参加者も。聴衆はかわいらしいピアノ発表や熟練の演奏技術一つ一つに温かい拍手を送っていた。

 アリーナ内では出店ブース約20店が並び、来場者はリレーコンサートの音楽をBGMに買い物やワークショップを楽しんでいた。

 主催者代表の今井さんは「初めての企画だったので、出店や演奏者も含め人が集まるか不安だったが、多くの人が来場し、コンサートも5時間途切れることなく演奏が続いたのでうれしい驚き。今後、町民に親しまれるような秋の恒例イベントとして発展していけるよう目指していきたい」と話した。

演奏や買い物客らでにぎわいを見せたリレーコンサート&フリーマルシェ
演奏や買い物客らでにぎわいを見せたリレーコンサート&フリーマルシェ


2023年(令和5年) 9月28日(木)付紙面より

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だだちゃ豆おいしさの秘密 県内の旬の在来野菜知り味わう アル・ケッチァーノ アカデミー講座 奥田シェフが調理 江頭山大教授解説

 鶴岡をはじめとする県内の旬の在来野菜について知り、味わおうという「アル・ケッチァーノ アカデミー講座」が18日、鶴岡市遠賀原のアル・ケッチァーノで行われた。昨年11月に「藤沢カブ」を取り上げて第1回講座を行って以来、宝谷カブ、山形赤根ほうれんそう、孟宗、山菜、外内島キュウリなどをテーマに同店シェフの奥田政行さんが調理し、山形大学農学部教授の江頭宏昌さんが解説。参加者は食材についての知識を深めてから味わうというスタイルで開催。7回目となった今回は、晩生(おくて)のものが食べ頃になった「だだちゃ豆」を取り上げた。通常、講座の定員は16人だが、今回は人気、食味、生産量、収獲高など全国でもトップレベルのだだちゃ豆のさまざまな調理方法が紹介されるとあって30人余りが参加。江頭さんのほかに元山形大客員教授の赤澤經也さん、松柏会の大場裕子(ゆうこ)さん、生産農家の富樫裕子(ひろこ)さんらがゲストスピーカーで参加した。

 奥田さんが「東京の大手食品メーカーが講座を開いても、これだけの講師陣は集められない」と話すだけあり、だだちゃ豆の由来や栄養価、新品種の育成、ゆで方などさまざまな角度から、だだちゃ豆のおいしさの秘密を探った。

 今回出されただだちゃ豆は、平田、本白山、細谷、甘露、赤澤3号の5種類。最初に塩ゆでしたものを食べ比べ。エビのリゾットやポタージュ、ピクルス、カニとだだちゃ豆のシーザーサラダ、奥田さんがミラノ万博で提供したフリーズドライのだだちゃ豆と鶏のチーズリゾットなどが次々と運ばれた。また、だだちゃ豆のジェラートに本みりんを掛けて、栗のような味わいになる変化も体験。参加者は「大好きなだだちゃ豆がますます好きになった」などと話しながら、豆を口に運ぶ手が止まらない様子だった。

 講座は今後も食材を変え、継続していくという。

豪華な講師陣がだだちゃ豆について語ったアカデミー講座
豪華な講師陣がだだちゃ豆について語ったアカデミー講座

メニューの一つ、エビのリゾット
メニューの一つ、エビのリゾット



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