2024年(令和6年) 1月6日(土)付紙面より
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昨年開設50年の節目を迎えた三川町押切新田の公設庄内青果物地方卸売市場で5日、「初競り」が行われた。約1週間ぶりに仲買人の威勢のいい掛け声が場内に飛び交った。
初市行事では庄内広域行政組合の理事長を務める皆川治鶴岡市長が「農産物の流通を安定させることが重要。消費者にしっかり届けるため、市場としての役割を発揮しなければならない。今年一年、よろしくお願いしたい」とあいさつ。同組合副理事長の矢口明子酒田市長の景気良い三本締めで今年最初の競りに入った。
ひな壇には買い受け人が並び、ダイコン、ナガイモ、タマネギ、ハウス栽培のサクランボなどが次々と競り落とされた。今後は青島ミカンや栃木のイチゴ、千葉のサツマイモ、静岡のレタスなどが中心という。
庄印庄果の齋藤弘明代表取締役社長は「野菜と果物も順調に入荷し、潤沢な新年のスタートといえる。(能登半島地震で)被災した方は大変な思いをしているが今のところ物流的な影響は出ていない。特に今年は2024年問題が大きな課題。安定供給に向けて行政と連携を取りながら対応に努力したい」と話した。
酒田市の酒田水産物協同組合(酒田水協、小野良文代表理事)の初競りが5日朝、同市船場町二丁目の酒田魚市場(社長・大川賢一日本海水産社長)で行われた。集まった魚介類は少なめだったものの、ほぼ1週間ぶりに威勢の良い競り声が場内に響いた。
酒田水協は酒田魚市場の仲買人組織。毎年1月5日朝に初競り行事を行い、その年の商売をスタートさせる。この日は全国から集まったマダラ(寒鱈)、ブリ、タイ、カンパチなどのトロ箱が並んだ。
午前7時半から初競り行事が行われ、全員で神棚を拝礼し今年一年の発展を祈願。大川社長は「イカも駄目、サケも駄目、サンマも駄目と昨年は『ダメダメ尽くし』だった。今年も早々に大きな災害があり、良くない状況からのスタートとなるが、市民に公正な値で安全な食を届けなければいけない。昇り龍のように上昇する一年になるよう祈念する」とあいさつ。安川智之副市長は「厳しい状況が続く中、現場の皆さんの声を聴き市としてできる限りの支援をしたい。今月28日には『酒田日本海寒鱈まつり』が開かれる。豊漁を期待する」と述べた。
乾杯、三本締めの後、競りがスタート。競り人の威勢の良い声が場内に響き渡ると、買い受け人が箱詰めされた魚介類を次々と競り落として早速、トラックに積み込んでいた。