2024年(令和6年) 1月7日(日)付紙面より
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鶴岡市は4日から、新年に数え年で100歳の「長寿」を迎えた市内在住の高齢者に賀詞を贈り、長寿を祝っている。対象者は1925(大正14)年生まれの市民で、先月13日現在で119人(男性12人、女性107人)。それぞれの自宅などに市職員が訪問し、賀詞と祝い金を贈る。
長年社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝おうと旧鶴岡市時代の93年から毎年実施している。
5日は皆川治市長が対象者3人の自宅を訪問した。このうち同市大山三丁目の大瀧直之助さん(25年11月25日生まれ)方では、皆川市長が「おめでとうございます。お元気で、とても100歳には見えませんね」とお祝いの言葉を贈り、あつみ杉製の額縁に入った賀詞を読み上げ、祝い金とともに手渡した。大瀧さんは「わざわざお越しいただき、ありがとうございます」と元気な声でお礼を述べた。
大瀧家は酒どころ大山地区で江戸時代から昭和の戦中まで続いた銘酒「常磐井(ときわい)」の造り酒屋。大瀧さんの父親が戦前に30代で亡くなり、廃業したという。大瀧さんは中学校の体育教師となり、大山、加茂、豊浦などの各中学校に勤務した。退職後も準指導員の資格を持つスキー、ソフトボールなどのスポーツに親しみ、近くの湯の浜カントリークラブをホームコースにしたゴルフは、90歳ぐらいまで続けた。家族によると、酒屋の血筋からか日本酒が大好きで、最近まで毎晩2合の晩酌を楽しんでいた。酒量は減ったが今も晩酌を欠かさず、大瀧さんは「薬代わり」と笑った。
96歳の奥さんと息子夫婦、孫、ひ孫の4世代9人家族。長寿の秘訣(ひけつ)を尋ねると、「特別なことは何にもしていない。ただ若いころからずっと体を動かしてきただけ」と穏やかな表情で話した。