文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 1月17日(水)付紙面より

ツイート

課題満載の国会召集が迫った

 国会は「政治と金」の問題で大揺れの中、26日に通常国会が召集される予定だ。2024年度当初予算案を審議するが、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を踏まえて発足した同党「政治刷新本部」がどのような改革策を示すのかが注目される。もちろん、能登半島地震の復旧・復興対策は最優先課題。国会が目指すべきは、国民のための政治だ。

 新年度の一般会計当初予算案は約112兆700億円。しかし4分の1の約27兆円は国債の返済や利払いに充てられる。新予算を賄うため約35兆円の新規国債を発行する財政運営方法は、今までと変わりない。借金なしで国の財政運営が成り立たないようでは、もはや健全財政と言えない。

     ◇      ◇

 岸田文雄首相は予算編成について「時代の変化に応じ、先送りできない変化の流れをつかみ取るための予算」と述べた。少子化を国が直面する最大の危機とし、児童手当の拡充や高等教育の負担軽減を進める。社会保障費が全体の3分の1の約37・7兆円を占めるが、高齢化で将来のさらなる増加は避けられない。国際情勢を反映した防衛費の約7・9兆円も大きな支出だ。

 「金絡み」の中での召集である。政治資金パーティーで得た巨額の資金を、派閥ぐるみで政治資金収支報告書に記載せずに裏金にした。現職議員が逮捕されたが、派閥幹部の立件は難しい見通しという。政治刷新本部が根絶策を練るが、派閥解体か存続かで意見が割れ、さらにこの機を今年9月の総裁選をにらんだ新たな組織固めにしようとの思惑も指摘されている。「転んでもただでは起きぬ」に似るのは、自民党の体質か。国民が納得できる透明性のある改革ができるか否かは定かでない。

 能登半島地震の被害は甚大だ。政府は激甚災害に指定、復旧・復興に対応する費用を大幅に増やした。複雑な形での地震は救援活動を困難にし、被災者の仮設住宅、災害復興住宅など、生活再建の長期化が予想され、中学校の集団避難も実施される。最善の復旧・復興策に国会の総力を出さねばならない。

     ◇      ◇

 首相は「政治への信頼回復、経済対策などの課題に一意専心で取り組む」と語り、総裁選については多くを語っていない。内閣支持率の低迷で内心穏やかでいられないだろうが、党内の水面下での動きに気を奪われることなく、自らの言葉を現実のものにすることで、信頼できる政治を取り戻してもらいたい。

 高齢化社会の進展で社会保障費は一段と膨らみ、借金政策に頼るほど国家財政の危機の度合いが高まる。新年度も税収増を見込んでいるが、今年度のように税収増を還元するという、安易な支出は避けることで、将来世代に借金を残さないような財政運営を目指す。24年度を、そのような財政健全化を模索する元年としたい。

画像(JPEG)



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field