2024年(令和6年) 1月18日(木)付紙面より
ツイート
鶴岡まちなかキネマで上映中の映画『20歳のソウル』の秋山純監督が、初日の12日と翌13日の上映後に舞台あいさつ。13日には原作者で脚本も手掛けた中井由梨子さんも登壇し、作品への思いなどを語った。
秋山監督はテレビドラマ「特命係長 只野仁」シリーズなどで知られる。映画は、千葉県の市立船橋高校に代々受け継がれている応援曲「市船soul」の作曲者で、病気のため20歳で亡くなった浅野大義さんをモデルにしたもの。撮影は3年前、実際の市船で、現役吹部生も出演して行われ、リアリティーあふれる作品となった。
12日は浅野さんの命日で、トークショーの初めに両日とも浅野さんが好きだったコーラで参加者全員が献杯。秋山監督は「まちキネが再オープンした日は自分の還暦記念日。初日は大義君の命日という特別な日に上映していただき、ありがたい」と話し、主演の神尾楓珠さんや親友役の佐野晶哉さんが、リハーサルでは一度も成功しなかったピアノ演奏を、本番では1発でOKを出したことや、顧問役の佐藤浩市さんの指揮棒の振り方がプロらしくないのは「国語教師の役だから」という本人の発案だったことなど撮影の裏話を披露。「ゆかりの地で撮影したことで、大義君の存在を感じながら作ることができた。大義君の音楽はずっと生き続ける」と語った。
また、この作品は一昨年11月に荘銀タクト鶴岡のイベントで1回上映されており、監督も鶴岡を訪れている。その中で、鶴工高と羽黒高の吹奏楽部員が「市船soul」を演奏したのを聴き、「市船の吹部以外が演奏したのを初めて聴いたので感慨深かった」と懐かしんだ。13日には鶴岡北高音楽部によるミニライブも行われ、映画の中でも歌われた「夜明け」などを披露した。
上映は26日(金)まで。問い合わせはまちキネ=電0235(64)1441=へ。