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2024年(令和6年) 2月10日(土)付紙面より

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酒田市で投票終了時間を繰り上げる

 酒田市は選挙の投票終了時間を1時間繰り上げ、午後7時とする。実施は2024年度の選挙からで、市選挙管理委員会が期日前投票が定着した事などから判断した。ただ、開票所から遠距離にある地域を考慮し、これまで午後7時に閉じていた日向、大沢、南部、田沢、升田公民館、曙自治会館の6投票所は午後6時とする。

 この措置によって開票開始時間も1時間繰り上げ、午後8時からになる。総務省が投票終了時間を、午後6時から午後8時までとしていることについては、延長効果を疑問視する声もあった。エネルギー事情などを考慮すれば、終了時間の繰り上げは歓迎されることではないだろうか。

     ◇       ◇

 投票締め切り時間が午後6時から同8時に2時間延長されたのは1998年6月の参院選から。低下傾向に歯止めがかからない投票率をアップさせたいとして公職選挙法を改正した。投票できる時間が長くなれば投票所に行く時間幅が広がり、投票率が上がるだろうことは推測できるが、そこには投票率アップを狙った党利党略が絡んでいたとも言われた。しかし、必ずしも大幅アップにはつながらなかったようだ。

 投票時間延長は、人の生活スタイルが夜更かし型になったこともあり、導入当時はごく自然の流れのように思われた。投票日当日、投票所に行けない場合の不在者投票制度があったが、公的機関に出向かねばならないなど、手続きもやや面倒で敬遠されたきらいがある。しかし、四半世紀を経てそうした事情はずいぶん変わった。

 現在の期日前投票が設けられたのは2003年12月。スーパーなどに特設された投票所ででき、投票証明書があれば飲食代の割引サービスをする飲食店も登場した。わざわざ投票所に行くのではなく、日常生活の延長上で投票する。「投票は堅苦しいもの」から「気軽にできるもの」に変わったと言える。それでも飛躍的な投票率向上につながったとは言い難い。

     ◇       ◇

 選挙は大都市圏ほど投票率が低く、40%程度の低投票率もある。仮に50%なら有権者の4分の1の支持で当選でき、民意が反映されるとは言えない。投票制度に問題があるのではなく、政治家が有権者の関心を引き付ける政治をしていないからではないか。今回の自民党の政治資金パーティー裏金事件のように、政治が国民に背を向けていては、選挙離れに拍車をかける。

 投票終了時間の繰り上げは全国的な傾向。庄内でも既に実施した町もある。電気料金などの経費、職員の人件費抑制、各投票所で高齢化が進む選挙立会人の負担を考え、投票終了時間の繰り上げはごく当然だ。1時間といわず、思い切って2時間繰り上げて以前の午後6時に戻してもいいのではないかとさえ思える。それは、結果の速報という住民サービスにもつながる。

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