2024年(令和6年) 2月16日(金)付紙面より
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酒田市は14日、2024年度当初予算案を内示した。一般会計は23年度当初比で1・9%(10億5000万円)増の562億5000万円と、20年度に次ぐ過去2番目の規模。異常気象が近年多発する中、園芸農業の安定的な営農を継続するため気象災害に対応する整備導入を支援するほか、猛暑対策として現在は冬期間のみ運行しているスクールバスを盛夏期にも走らせる。また、市総合文化センター内の旧中央図書館を活用した文化資料館光丘文庫(仮称)やJR酒田駅東広場の整備などに取り組む。
人口減少緩やかに 安心して暮らせる街づくり
一般会計の主な歳入を見ると、市税は23年度当初比3・0%減の130億1402万円で、内訳は市民税は50億2908万円、固定資産税は60億2527万円、都市計画税は8億5543万円など。地方交付税は2・2%増の148億9470万円。国庫支出金は12・9%減の61億3009万円、県支出金は3・6%増の38億3042万円。市債は7・4%増の34億5790万円。基金取り崩しなどによる繰入金は30・2%増の30億4915万円。好調に推移するふるさと納税を背景に寄付金は33・1%増の40億5040万円を見込む。
歳出のうち、義務的経費は0・5%増の242億5788万円。内訳は人件費が11・6%増の80億2799万円、保育所入所など扶助費が0・6%増の93億5695万円、借金返済に充てる公債費は10・1%減の68億7293万円としている。一方、投資的経費は国体記念体育館改築、国指定史跡「山居倉庫」の公有化など大規模事業が終了した上、新たな施設整備を抑えたことから13・3%減の47億8514万円。24年度末の市債残高は23年度末と比較し、6・3%(31億4883万円)減の464億3045万円を見込む。
市は財政健全化に向けて23年度から5カ年、▽財政調整基金30億円を確保▽市債発行上限額は年間30億円以内―を柱にした「プロジェクト30―30(サーティー・サーティー)」を展開。投資的事業に優先度を設定して圧縮を図っている。
予算編成にあたって矢口明子市長は、市総合計画後期計画に掲げる「めざすまちの姿」の実現に向け▽市民所得の向上を図り、人口減少をできる限り緩やかに▽働きたいと考える全ての市民が働くことのできる環境の整備▽人口が減少しても、豊かに安心して暮らせるまちに▽市民の幸せ(ウェルビーイング)を実現する酒田市役所―の4項目を「重点化する取り組み」とし、「人口減少をできる限り緩やかにしながら、たとえ人が少し減ったとしても豊かな安心して暮らせる街をつくっていく。人口減少の時代には発想の展開が必要で、重点の置き所を考えながら編成した」と述べた。