2024年(令和6年) 7月14日(日)付紙面より
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太陽光パネル照明器具を設置
鶴工高電気電子科 地域安全に一役
鶴岡市の鶴岡工業高校(平山豊校長)電気電子科の生徒たちが11日、同市由良地区で災害避難路へ照明器具を取り付けた。由良自治会は「夜間に災害が発生した場合、真っ暗な中を移動しなければならず高齢者や子どもにとって危険な場所もある。生徒たちに感謝したい」と話している。
同地区は東日本大震災(2011年)以降、津波など災害時の避難路整備が進んでおり、今年元日に発生した能登半島地震を教訓に防災資器材の補充などにも取り組んでいる。そうした中、十分な照明がない夜間の避難が課題として挙げられ、解決のため市を通して鶴岡工業高へ相談した。
これを受け、同校は2022年度に太陽光パネルを使った照明器具の実証実験を由良地区で開始。昨年度は県漁協由良支所南側にある避難路の登り口付近へ照明設置を試みたが、日照条件が悪く断念した。
本年度は22年度の実証実験で当時の3年生が使用した照明システムに手を加えて再利用し、避難路を登った道中で照明器具の取り付けを計画した。
この日、同校電気電子科の3年生4人が避難路に集合。担当教員に相談しながら照明器具に電気を送るソーラーパネルを設置し、ケーブルにつないだLED照明を避難路の手すりに取り付けた。LEDの個数は実証実験の時の4個から7個に増やした。
太陽光で生まれた電気はバッテリーに蓄えられ、夜間になると照明が点灯する。点灯時間は約10時間だが、日の出で周囲が明るくなるとセンサーで自動的に消灯するという。
設置を見守った由良自治会関係者は「とてもありがたい。暗いからとまごまごしているうちに津波は到達してしまう。今後も設置を増やせるよう生徒たちの協力を仰ぎたい」と話した。
設置作業に参加した同校の菅原歩夢さん(18)は「先輩たちが取り組んできたことを受け継ぎたかった。地域のためになるならうれしい」と話していた。