2024年(令和6年) 7月15日(月)付紙面より
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絵ろうそくの一種「フラワーボール」の制作体験講座が13日、酒田市の浜田コミュニティ防災センターで開かれ、平野屋ローソク(同市浜田一丁目)の店主・平野肇さん(69)の指導で小学生と保護者が球状ろうそくに絵付けし、オリジナルの作品作りに取り組んだ。
県内の小・中学校や特別支援学校の校長、教頭で組織する県教育共励会(高橋禎理事長)が「山形の子ども育成事業」を県内各地で実施。絵ろうそくの制作体験はこの事業の一環。地域の伝統工芸を楽しみながら学んでもらおうと「地域の達人体験講座」として同会飽海地区事務局が企画した。
平野屋ローソクは1696年創業。ろうそくの側面に絵付けする庄内の伝統工芸「絵ろうそく」を現在も手描きで製造し続けている。水に浮くフラワーボールは直径3・5センチの球状ろうそくに絵を手描きしたもので、酒田の土産物として人気がある。
この日は同市や遊佐町の小学3―6年生55人とその保護者ら計104人が参加。平野さんが「ろうそくは奈良時代に仏教とともに中国から伝わった。昔は蜜ろうで作っていた」などとろうそく作りの歴史を紹介した後、「芯を持たない」「触る部分はできるだけ最小限に」「筆の水分を取って濃い絵の具で色をつける」など絵付けのポイントを指導した。
参加した児童らは桜やメロン、猫など好きなものやキャラクターを思い思いの色で描き進め、最後に平野さんからろうで絵をコーティングしてもらいオリジナル作品を完成させていた。宮野浦小3年の菅原優奈さん(8)は「桜の花びらをデザインした。ろうそくの絵付けは初めてだったけど楽しかった」などと話していた。