2024年(令和6年) 7月15日(月)付紙面より
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広く東北地方一円で観光に携わる関係者らで組織する「みちのくインバウンド推進協議会」(熊谷芳則理事長)の本年度総会が12日、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれ、4議案を承認。昨年7月に設立した秋田支部(支部長・西村隆作ビー・スケップ代表取締役社長)による活動の強化、コロナ禍に伴う需要の減退で経営破綻したものの、復調しつつあるタイ国際航空(タイ・バンコク)の仙台―バンコク定期便の再開について力強く支援していくことなどを決めた。
協議会は、東北地方へのインバウンド増に向け、広域観光ルート開発などを進めようと、熊谷理事長(ホテルリッチ酒田代表取締役社長)らが2015年に設立。北海道枝幸町のホテル総支配人としてタイ人観光客を急増させた河野裕喜さんをシニアアドバイザーに迎え、タイを中核とした東南アジアからのインバウンドに注力している。
協議会の働き掛けなどもあり、タイ国際航空は2019年10月29日からバンコク―仙台便を週3便、300人乗り機材で就航。就航から12月31日までの約2カ月間の搭乗率はバンコク発が86%、仙台発が81%と高水準で推移。多くの予約を受注していたもののコロナ禍以降、全てキャンセルとなり定期便自体も運休状態となっている。同社は現在、事業改革を進めながら運航を継続している。
この日は正・賛助会員ら約50人が出席。事業計画では▽タイ国際航空定期便復活の支援活動▽着地型商品の造成支援▽タイ国ホールセラー・旅行会社への営業活動▽秋田支部の活動強化、他県支部化の活動―の4項目を掲げた。また、FIT(海外個人旅行)を対象にした2次交通の在り方について考察していく。議事終了後、仙台市文化観光局の柳津英敬局長が「仙台市のインバウンドの現状とタイ市場について」のテーマで講演した。
熊谷理事長は「昨年のインバウンドは2500万人に達したが、三大都市圏が中心で地方は3割ほど。地方にどう誘致するかが大きなテーマになっている。タイ国際航空から仙台便を復活してもらうため、チャーター便を飛ばすなど後押ししていきたい」と話した。