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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 7月17日(水)付紙面より

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ご利益求め「花祭り」にぎわう 羽黒山山頂

 稲の花が咲く時期に合わせ、秋の実りを願う出羽三山神社(阿部良一宮司)の「花祭り」が15日、鶴岡市の羽黒山山頂で行われた。県内外から大勢の人たちが訪れ、ご利益がある「花梵天」の神花を奪い合う光景が繰り広げられた。

 この日は三神合祭殿で阿部宮司が祝詞を読み上げ稲の順調な生育を祈願した。祈祷(きとう)の後、神輿(みこし)と高さ約5メートルの花梵天3基が登場。鏡池の周りを練り歩き花梵天が参拝客に倒されると、われ先にとばかりにピンクや黄色の色鮮やかな神花を奪い合った。

 今年は祝日の「海の日」と重なったこともあり昨年を大幅に上回る崇敬者や参拝客が詰め掛け、第3駐車場まで満車となった。神花を手にした人たちは「幸運を引き当てた。良いことがありそう」と笑顔を見せていた。

ご利益を求め、花梵天の神花を奪い合う人たち
ご利益を求め、花梵天の神花を奪い合う人たち


2024年(令和6年) 7月17日(水)付紙面より

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無病息災願い込め 鶴岡 八坂神社「胡瓜まつり」

 鶴岡市昭和町の八坂神社(齋藤元宮司)で15日、「胡瓜(きゅうり)まつり」が行われた。神社には午前中から参拝する人たちの姿が見られ、キュウリを奉納し無病息災や家内安全を願った。

 その昔、キュウリは薬の一つとして日本に伝わり「八坂六神」が災難や病の苦しみをキュウリの中に封じ込めたという伝説がある。八坂神社の「胡瓜まつり」はそれぞれの家庭で用意したキュウリ2本を神社に奉納。祈祷(きとう)されたキュウリ1本をお守りとして持ち帰る、という全国的にも珍しい夏の祭りとして知られる。持ち帰ったキュウリを食べると「その年一年、病気せずに健康に過ごせる」といわれている。

 この日、八坂神社の本堂にはキュウリを奉納する祭壇が設けられ、訪れた市民は両手を合わせて家族の健康を祈願した。地域の役員らが本堂で祈祷を受けた後、夕方には神輿(みこし)が神社を出発。境内ではステージ上で芸能発表も行われ、地域住民が夏のひとときを楽しんだ。

持ち寄ったキュウリを奉納し、無病息災を願う人たち
持ち寄ったキュウリを奉納し、無病息災を願う人たち


2024年(令和6年) 7月17日(水)付紙面より

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清河八郎の人物像読み解く 佐高さん特別講演 運命に逆らって生きた“逆白波”の人

 本紙に「思郷通信」を連載している評論家・作家の佐高信さんを招いた特別講演会が15日、庄内町の響ホールで開かれ、同町出身の偉人・清河八郎の人物像を読み解いた。

 佐高さんは1945年、酒田市生まれ。県立酒田東高校、慶應義塾大学法学部卒。庄内地方の高校教師、経済誌の編集長を経て評論家に。経済をはじめ、政治、憲法、教育など幅広い分野で辛口の評論活動を続けている。東北公益文科大学客員教授。著書、テレビ出演など多数。

 清河八郎は1830(天保元)年10月10日、出羽国田川郡清川村(現・庄内町)に生まれた。幕末の激動期、諸外国から日本を守るため、対等な立場で交易を進めるべきと考え、横浜の外国人居留地の焼き打ちを決行するなど尊王攘夷運動を推進。そうした行動があだとなり、34歳の若さで幕府側の刺客に暗殺された。清河が組織した浪士組を母体に、会津藩による京都警護の「新選組」、庄内藩による江戸警護の「新徴組」が誕生している。西の吉田(松陰)、東の清河と言われ、武も文も立つ人物といわれるが、松陰に比べ、あまり知られていない。

 佐高さんは清河と多くの人が知る西郷隆盛とを比較し、「2人はほぼ同じ時代を生きた。西郷は下級ではあるが薩摩藩士。清河は郷士で、藩士よりは比較的自由。自由だった分、藩という組織の動かし方には長けていなかった。また、清河は賊軍といわれた庄内藩の出身。西郷に比べ、名が知られていないのは賊軍出身ということがあるのでは。西郷は明治維新を成し遂げた歴史の勝者という側面と西南戦争に敗れた敗者の側面もある。それが人気の秘密だが、清河は勝敗がつく前に亡くなってしまった」とし、「勝者が残す正史において、敗者は消されていく。清河を描くときにはそれぞれの人の歴史観に異議申し立てをしなければならないのだろうと思う」と指摘した。

 続いて、司馬遼太郎と藤沢周平の対照的な清河観を紹介し「司馬さんは清河を山師と書いている。それは薩長主観に立つ歴史観だから。山師という言い方に憤激して藤沢さんは『回天の門』を書いた。2人を端的に表すと、『江戸城は誰が造ったか』という話があり、太田道灌と答える人と大工と左官と答える人がいる。司馬さんは太田道灌という答えを疑わない人。藤沢さんは大工と左官という答えを笑わない人。そういう違いがある。藤沢さんが清河に共感を寄せたのは、自身が長男ではない農家では厄介者とされる男だから。保障されない自由に共感したのではないか」と説いた。

 また、「清河が改革に何を望んでいたのかが大事な点。幕末の思想家・安藤昌益が『不耕貪食の徒』と言っているが、農民からみた武士や公家を指している。支配階級が変わるだけのものではなく、大勢を占める農民にとっての改革だったのか、清河はそこをどう考えていたのか、それが一番これから明らかにされなければならないこと。清河は本当に維新という新しい世の中が農民のためだったのか、その板挟みに直面する前に亡くなってしまったが、農民の味方になったのか、味方になる可能性はどうだったのかがポイントになる」と語った。

 「藤沢さんはエッセー集で石原莞爾、大川周明、清河八郎の3人を書いている。3人だけでなく、藤沢さんや平田牧場の新田嘉一さんもそうだが、運命に逆らってあえてその道を選ぶところがある。それは庄内という風土が関係しているのかも。運命に逆らって生きた“逆白波”の人。その逆白波の系譜の近世の先人が清河八郎ではないか」と結んだ。

 特別講演会は、清河八郎顕彰会(齋藤満会長)が主催し、約400人が聴講した。

講演する佐高さん
講演する佐高さん


2024年(令和6年) 7月17日(水)付紙面より

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課題の多い夏休みが迫って来た

 今年の夏は暑い日が続くとの予報だ。暑さから逃れようがないのはつらい中で、もうすぐ夏休みが始まる。学校に行くこともない1カ月近い長期休暇をどのように過ごすかは、子どもだけでなく親にとっても悩みの多い、変わることのない夏の課題である。

 「指示待ち人間」という言葉が聞かれて久しい。管理され、指示された事柄は行動して処理するが、自分から進んで考えて何かをしようという積極性、自主性に欠ける人間性を表している。エアコンが効いた家でゲームをする。それ自体が良くないとは言えないが、自分なりの目標を定め、進んで何かに取り組めば、夏休みの後にひと回り成長した自分に気付くのではないか。

     ◇       ◇

 NHKテレビの「新プロジェクトX」で、マルチタレントの黒柳徹子さんの小学生時代を取り上げた番組があった。サブタイトルは「戦時下の東京に風変わりな小学校があった!」。小学校の教師はとどまるところを知らずしゃべり続ける黒柳さんの話を、4時間も黙って聞いてくれたという。子どもの個性などを大事にしてくれたもので、黒柳さんは「あの先生がいなかったら、今の自分はいなかった」と話す。教師は、子どもの自主性と想像力と好奇心、そして意見を述べる力を伸ばそうとしていたということになる。

 テレビコマーシャルや新聞の折り込みチラシに「夏期講習」などを知らせる広告が入ってくる。○○大学、○○高校に○人が合格との宣伝が目立つ。夏休みは塾に通う好機なのであろう。「より良い学校へ」とは、親なら誰もが願うことであるとは理解できるが、それでもと思うことがある。

 自分で見つけた興味に引き込まれ、取り組んでほしいと思うことだ。夏休みはどうしても怠慢な生活になりやすい。朝、ラジオ体操をする地区があるのは、普段通り一日の日課を始め、朝の涼しいうちに勉強・宿題を済ませようというためでもあるが、自由な時間を作って自分だけの学習・研究をしてほしいためでもある。

     ◇       ◇

 自由な時間がたっぷりある夏休みに、短時間でも、ただぼーっとして物思いにふける時間があってもいい。そこから思いがけない発想が浮かぶこともある。今でなければできないことが見つかったり、夢中になれることであれば、将来の人間形成に少なからず良い影響をもたらすことになる。

 夏休みは開放感のある言葉だ。ただそれに誘われてだらだらと過ごすことなく、教室では得られないことに挑戦してみる。自然と触れる好機だから野山に出掛けるのもいい。何かに興味を持って調べてみる。答えが分からなくても、そのことに没頭するところに、夏休みの本当の意義があるような気がする。黒柳さんの言葉をお借りすれば「型にはまらず、好奇心を持つ」ことが、夏休みの大切な過ごし方ではないだろうか。

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2024年(令和6年) 7月17日(水)付紙面より

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市民と触れ合い交流 酒看祭 看護の学び披露

 酒田市立酒田看護専門学校(中町三丁目、中村美穂校長、学生80人)による学校祭「酒看祭」が13日、同校で開かれ、生徒たちが健康チェックや手指マッサージなどを行い、市民らと交流した。

 学生たちが自身の学んだ成果を披露する場として、学生自らが主体となり毎年実施している。保護者や同校進学を考えている高校生などに学校を知ってもらうきっかけになるとして、好評を得ている。

 この日は多くの来場者が同校を訪れ、屋外テントで健康を意識した減塩玉こんにゃくの提供や、校内で血圧測定、高齢者疑似体験、手浴マッサージなどの企画が行われた。肩もみブースでは、学生たちが「つらい所はありませんか」など来場者を気遣いながら丁寧に肩や首回りのマッサージを行い、終了後「ありがとう」と声を掛けられると、自然と笑みがこぼれていた。

 大阪から家族5人で観光に訪れ、立ち寄ったという谷口綾子さん(36)は「生徒さんたちがみんな優しいので子どもたちが楽しそう。自分が看護師資格を取った学校ではこのような市民との交流機会や体験がなかったので、地域の看護学校としてとても良いと感じた」と。実行委員長を務めた片桐絵美子さん(2年)は「準備は大変だったが、来場者からの感謝の言葉や、笑顔を見ることができたので頑張って良かった」と話した。

来場者に肩のマッサージを行う酒看生
来場者に肩のマッサージを行う酒看生



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