文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 7月17日(水)付紙面より

ツイート

課題の多い夏休みが迫って来た

 今年の夏は暑い日が続くとの予報だ。暑さから逃れようがないのはつらい中で、もうすぐ夏休みが始まる。学校に行くこともない1カ月近い長期休暇をどのように過ごすかは、子どもだけでなく親にとっても悩みの多い、変わることのない夏の課題である。

 「指示待ち人間」という言葉が聞かれて久しい。管理され、指示された事柄は行動して処理するが、自分から進んで考えて何かをしようという積極性、自主性に欠ける人間性を表している。エアコンが効いた家でゲームをする。それ自体が良くないとは言えないが、自分なりの目標を定め、進んで何かに取り組めば、夏休みの後にひと回り成長した自分に気付くのではないか。

     ◇       ◇

 NHKテレビの「新プロジェクトX」で、マルチタレントの黒柳徹子さんの小学生時代を取り上げた番組があった。サブタイトルは「戦時下の東京に風変わりな小学校があった!」。小学校の教師はとどまるところを知らずしゃべり続ける黒柳さんの話を、4時間も黙って聞いてくれたという。子どもの個性などを大事にしてくれたもので、黒柳さんは「あの先生がいなかったら、今の自分はいなかった」と話す。教師は、子どもの自主性と想像力と好奇心、そして意見を述べる力を伸ばそうとしていたということになる。

 テレビコマーシャルや新聞の折り込みチラシに「夏期講習」などを知らせる広告が入ってくる。○○大学、○○高校に○人が合格との宣伝が目立つ。夏休みは塾に通う好機なのであろう。「より良い学校へ」とは、親なら誰もが願うことであるとは理解できるが、それでもと思うことがある。

 自分で見つけた興味に引き込まれ、取り組んでほしいと思うことだ。夏休みはどうしても怠慢な生活になりやすい。朝、ラジオ体操をする地区があるのは、普段通り一日の日課を始め、朝の涼しいうちに勉強・宿題を済ませようというためでもあるが、自由な時間を作って自分だけの学習・研究をしてほしいためでもある。

     ◇       ◇

 自由な時間がたっぷりある夏休みに、短時間でも、ただぼーっとして物思いにふける時間があってもいい。そこから思いがけない発想が浮かぶこともある。今でなければできないことが見つかったり、夢中になれることであれば、将来の人間形成に少なからず良い影響をもたらすことになる。

 夏休みは開放感のある言葉だ。ただそれに誘われてだらだらと過ごすことなく、教室では得られないことに挑戦してみる。自然と触れる好機だから野山に出掛けるのもいい。何かに興味を持って調べてみる。答えが分からなくても、そのことに没頭するところに、夏休みの本当の意義があるような気がする。黒柳さんの言葉をお借りすれば「型にはまらず、好奇心を持つ」ことが、夏休みの大切な過ごし方ではないだろうか。

画像(JPEG)



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field