2024年(令和6年) 8月1日(木)付紙面より
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戊辰戦争の庄内藩と薩摩藩の戦いを縁に、鶴岡市の温海地域と交流を続けている鹿児島県曽於市の子どもたちが29日に来鶴し、8月1日までの3泊4日の日程で温海地域の子どもたちや住民と触れ合いながら、戊辰戦争の歴史や鶴岡市について理解を深めている。
戊辰戦争で新政府軍に従軍した旧大隈町(現曽於市)の「岩川私領五番隊」が、温海地域の関川で旧幕府軍の庄内藩と激戦を繰り広げた歴史を縁に、1996年に交流が始まった。関川のある旧温海町と旧大隅町は99年9月に「遠くても近い付き合い」を誓う「民間交流近所盟約」、2001年には「友好都市姉妹盟約」を締結。青少年交流、特産品販売、旧福栄小(現あつみ小)と曽於市立笠木小との姉妹校盟約締結など絆を強めている。
青少年交流事業による曽於市からの来鶴は、2年連続で、旧大隅町時代を含め6回目。今回は小学6年から高校2年までの11人と引率の2人が訪れ、30日には関川地区で戊辰戦争の戦場跡や今も民家に残る刀傷などを見学し、隣の越沢地区で特産の越沢三角そばのそば打ち体験、鼠ケ関小6年生8人との交流会を行った。
「まやのやかた」で自分たちが打ったそばを味わった後、交流会では互いの地域の特産品や伝統行事などの魅力を紹介。曽於市と鶴岡市の歴史や文化、特徴などを題材にした「○×クイズ」では、双方の子どもたちがチームを組んで相談しながら回答し、正答を競い合ってにぎやかに盛り上がり、互いの友情を深め合った。母親に勧められて交流事業に参加した曽於市立末吉小6年の川本桜衣(るい)さんは「飛行機に乗ったり、友達をつくったりするのが楽しみで参加した。○×クイズで鼠ケ関小の人と一緒に楽しく交流できてうれしかった」と話した。「とってもおいしかったから、おじいちゃんとおばあちゃんにお土産」と越沢三角そばの乾麺を買い求める子どもも多かった。
一行は1日までの滞在中、あつみ温泉の旅館に宿泊しながら、薩摩藩の西郷南洲(隆盛)翁ゆかりの松ケ岡開墾場、南洲神社(酒田市)、庄内藩校致道館、加茂水族館などを巡り、羽黒山石段登りと精進料理の食事、鼠ケ関でのシーカヤックなどを体験する。