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2024年(令和6年) 8月3日(土)付紙面より

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原爆の日を前に思う事の幾つか

 今年も、間もなく広島(6日)と長崎(9日)の被爆地は、79回目の「原爆の日」を迎える。日本は世界で唯一の原子爆弾の被爆国。世界のどこの国であっても再び原爆の被害などあってはならないのは言うまでもない。しかしウクライナに侵攻するロシアは、核使用をちらつかせて威嚇している。どんな事があっても許してはならない。

 原爆は一瞬にして多くの命を奪うだけでなく、今も被爆の後遺症で苦しんでいる人がいる。非人道的な核兵器廃絶の声を世界に届けなければならないが、国内では戦争があったこと、原爆が投下されたことも知らない世代が増えている。何かにつけて語り継いで後世に伝え、核廃絶を世界に訴えていきたい。

     ◇       ◇

 原爆投下で広島と長崎を合わせて約21万人が犠牲になった。被爆による後遺症と、母親の胎内で被爆して生まれて後遺症に苦しんだ人もいる。世代を超えて苦しまなければならないところに、原子爆弾の恐ろしさがある。もう一つの被爆がある。1954年3月、静岡県焼津港のマグロ漁船・第五福竜丸が、米国のビキニ環礁での水爆実験場付近で操業していて、「死の灰」と呼ぶ放射性物質を浴び、1人が半年後に死亡、多くの乗組員が後遺症で苦しんだ。

 映画『ゴジラ』の第1作が公開されたのは、ビキニ環礁の水爆実験から8カ月後の54年11月。架空の怪獣のゴジラが、水爆実験で太古からの眠りを妨げられたことを怒り、人間社会に仕返しにやって来る。ゴジラに水爆のような破壊力を持たせることで、核の恐怖を伝えようとした。鶴岡市朝日地域出身の本多猪四郎監督が、自身の戦争体験から「人間は自分たちが作った水爆で、自らが滅びようとしている」と「反核・反戦」を訴える作品だった。

 原子力は平和利用もされている。しかし、原子力による事故の怖さは、福島第1原発事故で思い知らされた。平和利用でさえ、時に恐怖におびえなければならない原子力である。争いの凶器となる核兵器開発など許されるはずがない。核がないことの平和を世界に発信する。核被爆国としての使命ではないか。

     ◇       ◇

 原子力規制庁は、福井県の敦賀原子力発電所2号機を「原発の規制基準に適合しているとは認められない」と判断した。再稼働を認めないとの結論は、同原発の真下を走る断層が将来動く可能性を否定することが困難であるため。原発事業者が科学的に活断層を調査したとしても、数百年、数千年単位で動く断層の活動を予知するのは難しいという判断のようだ。

 原子力はさまざまな面で社会を支えている事は確かだが、あくまでも平和利用であり、安全であることが大前提。戦争で核兵器を使用すると威嚇すること自体が非人道的だ。大惨事につながる核の使用など、絶対許してはならない。

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