2024年(令和6年) 8月8日(木)付紙面より
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鶴岡市の食文化体験を観光商品化につなげようと鶴岡食文化創造都市推進協議会が主催するモニターツアーが5日、同市朝日地域で開催された。東京都からの大学生や留学生、地元高校生ら9人がササの葉の収穫や笹巻作りを体験した。
同協議会では、つるおか伝統菓子の「鶴岡雛菓子」「笹巻」「とちもち」を観光資源として活用しようと、さまざまなイベントを行っている。「笹巻」については昨年、地元の人を対象に、笹巻への理解を深めてもらう講座を開催。今年は県外からの観光客、特にインバウンドを意識した観光商品化を目指して実施。フィールドワークなどで交流のある昭和女子大「どさいぐ?鶴岡プロジェクト」のメンバー4人と志摩園子(そのこ)特任教授、同大近隣にあるテンプル大学の留学生2人、通訳を担う致道館高校の2年生2人が参加。午前中は朝日地域内のササの自生地でササを収穫。産直あさひ・グーでの昼食を挟んで水洗いとゆでる作業を同所で行った。
その後、グーの伊藤ます子さんの指導で、もち米を巻く作業。葉2枚を裏合わせにして重ねたものに、灰汁(あく)水に漬けておいたもち米を入れて巻き、イグサのひも掛け。参加者は伊藤さんの手本を見ながら、きれいな正三角形にするのに苦労していた。伊藤さんは「笹巻は200年ぐらい前から食べられていた保存食。ポリフェノールもいっぱいで美容にもいい」とPRしていた。
どさいぐ?鶴岡プロジェクトリーダーで4年の中村玲季(たまき)さん(21)は「鶴岡を訪れるのは4度目だが、笹巻を作るのは初めて。11月の学園祭で作って広めたい」、中国・大連の出身でテンプル大学3年の辰希(しんき)さん(23)は「笹巻に似た粽(ちまき)を新年や端午の節句に子どもの頃から作っていたのでとても楽しい。予想していた味とは違っていたが、違いが感じられて良かった」と話していた。
同協議会では、今年「庄内の笹巻製造技術」が登録無形民俗文化財に指定されたことで、さらに鶴岡の笹巻をアピールしていこうと、モニターツアーの感想を基に検討を重ねるという。