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2024年(令和6年) 8月10日(土)付紙面より

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行政の支援で被災地の復興を

 庄内北部を中心に襲った記録的な豪雨災害から半月が過ぎた。酒田市ではこれまで経験した事のない降雨量で河川が氾濫。家屋が浸水、押し寄せた土砂や流木が集落を埋めて復旧作業を妨げている。同市などは帰宅が困難な被災者のため市営住宅を提供、政府は激甚災害に指定する方針という。猛暑の盛りである。避難者の健康を守り、熱中症に注意しながら復旧活動に当たってもらいたい。

 それにしてもの豪雨である。酒田市大沢では2、3日の間に平年の7月の1カ月分の降水量を超す約408ミリの雨が降った。地球温暖化による異常気象が、日本各地で予測を超える豪雨災害を招いている。どこで起きてもおかしくない災害から命を守る対策と行動を身に付けておきたい。

◇      ◇

 今度の災害では、酒田市大沢で86歳の女性が自宅から避難所に向かう途中行方不明になった。後日、川沿いで心肺停止状態で発見され、死亡が確認された。女性は家族と一緒に歩いて避難中に姿が見えなくなった。避難所の所在地が分かっていても、災害時となれば普段と違った道路状況になるだろう。万一の時、危険な箇所になる場所はないかなどを確かめておく。教訓として生かさなければならない。

 住宅が土砂で埋まって住めなくなり、避難所で生活している人も多い。住宅は無事でも断水が続き、復旧に8月いっぱいかかる地域もある。酒田市を中心に1万ヘクタール以上の水田が冠水・浸水・土砂流入の被害が出た。作柄への影響が心配され、県は農林水産業の被害を80億円と予測したが、被害額はさらに拡大する可能性もある。収穫期を目前にした酒田市特産の刈屋梨の被害も大きい。公共インフラの被害も甚大だ。

 山間地域の集落を襲って流入した土砂は、時間の経過とともに固くなり、人の力だけで撤去するのが難しくなる。被災地には高齢世帯が多い。復旧作業にボランティアの協力があるのはありがたい事だ。ただ猛暑が続く中で、体調を崩さないよう、健康管理には最大限の注意を払って作業に当たってもらいたい。

◇      ◇

 先頃、「鶴岡市自主防災組織連絡協議会」の研修会があり、専門家から「災害規模が広範囲にわたる場合、備蓄食料・水などを自主防災組織で3、4日分確保する」などのアドバイスを聞いた。同市では大山・西郷・湯野浜・加茂4地区の自治会・自治振興会が災害時の避難所や備蓄物資などを提供し合う「相互応援協定」を結んでいる。災害時の助け合いは大事だ。

 災害は今度の豪雨のように、予測不能で大規模化している。「万一の時」がない事に越したことはないが、住民は「いざに備える」ことを怠る事はできない。庄内北部の豪雨災害の被害は甚大で、復興は長期化が予想される。行政には最大限の支援で被災者の生活再建を後押ししてもらいたい。

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