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2024年(令和6年) 8月14日(水)付紙面より

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「らくがき文学賞」に鷲田さん(鶴岡) 認知症の母親の介護体験つづった「わっしーメモ」

 鶴岡田川地区を中心にした庄内地域の文芸愛好者でつくる「らくがき倶楽部」(佐々木秀子会長)が表彰する、2024年度(第54回)の「らくがき文学賞」と、郷土出版記念の「畠山弘賞」「大泉散士賞」の選考結果がまとまった。文学賞には、認知症の母親の介護体験をつづった「わっしーメモ」を荘内日報紙上に連載し、出版した公益社団法人認知症の人と家族の会県支部世話人副代表の鷲田良平さん(52)=鶴岡市=が選ばれた。授賞式は12月1日に予定されている。

 らくがき文学賞は、同倶楽部が1970(昭和45)年に制定し翌71年から表彰を行っている。荘内日報に掲載された随想や随筆、紀行文、紙面で紹介された出版物などの中から最も優れていると認められた作品に贈られており、これまでの受賞者は37人(うち1人は特別賞)。

 また、前年度に出版されたさまざまな分野の郷土の作品から選ぶ、畠山弘賞には池田道正さん(鶴岡市)の「野に生きた絵師 池田月潭の画跡」、大泉散士賞には井東敬子さん(同)の「ナリワイ起業」が選ばれた。同倶楽部は今年、設立60周年を迎えたのを機に、創設時の発起人メンバーでもあり、庄内地方の出版文化に大きく貢献した故畠山弘氏、故大泉散士(本名・阿部整一)氏の功績をたたえ、郷土出版記念賞に両氏の名前を付して命名。これまでの文学賞と合わせ「らくがき三賞」の呼称とした。

 らくがき文学賞に決まった鷲田さんは、認知症を発症し、2014年に80歳で亡くなった母・京子さんを8年にわたって介護し、看取った。介護体験を自らのブログで発表し、母との日常の悲喜こもごもを率直に記した。これを基に18年11月から23年1月まで月2、3回のペースで荘内日報に連載。これをまとめて昨年9月、著書「わっしーメモ 母の認知症 介護あれこれ」を出版した。鷲田さんは荘内日報社販売部長。自身の体験を社会に還元しようと、悩みを抱える家族などの支援活動にも力を入れている。

 鷲田さんは「母の認知症を周囲に知られたくない一心で、当初は隠していた。でも、一人で外出して帰宅できなくなることが度々あり、迷子になったときに何らかの手助けになればと思い、周囲に知ってもらうためにブログを始めた。つらい体験よりも母とのほっこりする話題を多く取り上げるように心掛けた。読んだ方々から少しでもつらさを忘れてもらい、何かしら共感してもらえればと思いながら体験談をまとめた」と話し、受賞に「伝統あるらくがき文学賞に選ばれたことは、大変光栄です」と笑顔で語った。

「らくがき文学賞」の書「わっしーメモ」
「らくがき文学賞」の書「わっしーメモ」

鷲田良平さん
鷲田良平さん



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