2024年(令和6年) 8月21日(水)付紙面より
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鶴岡市丸岡の天澤寺(庄司良圓住職)そばの丸岡城跡のお堀でハスが花を咲かせている。最盛期は過ぎているものの、8月下旬となっても花を咲かせているのは珍しく、大きく開いた淡い桃色の花が訪れた地元住民や観光客などの目を楽しませている。
1963年に県指定史跡となった「丸岡城跡および加藤清正墓碑」は、その後の発掘調査を経て2006年から4カ年かけて堀や水路、土塁などを復元し史跡公園として整備された。
ハスは4年ほど前に庄司住職が堀の一角へ植えたもので、酒田市の業者から株分けしてもらった。当初数株だったハスは数百株まで増え、一昨年初めて数輪が花を咲かせたという。今年は6月下旬に咲き始め、最盛期には約50輪が淡い桃色の花を開かせた。花弁は大きいもので直径20センチ近くになった。
庄司住職は「ハスは仏花とされ、多くの仏様がハスを模した『蓮華(れんげ)座』に座している。蓮華は尊い仏の悟りという意味があり、『泥中の蓮華』ということわざにもあるように、泥から芽を出して大輪の花を咲かせるハスの姿は、俗世(泥)に生まれても尊い悟りを得ることと重ねられる。寺のそばの堀で育てるには最適の花」と話した。
また、「信仰心のあつかった加藤清正公は『南無妙法蓮華経』と書かれた題目旗を掲げて戦ったという。ここにも蓮華が関わっており、清正公が眠る寺にとってふさわしい花。そうしたことを考えながらハスを観賞すると、新たな楽しみが生まれるのでは」と語った。
同寺によるとハスは例年なら7月中に咲き終わるが、今年は8月いっぱい楽しめそうだという。