2024年(令和6年) 8月27日(火)付紙面より
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庄内・最上地域を中心に甚大な被害が出た先月の記録的大雨から1カ月となった25日、酒田市の矢口明子市長は市内の被害状況を視察、同市上青沢の三保六橋(さぶろくばし)付近では花を手向け、避難中に犠牲となった北青沢の相蘇外百子さん=当時(86)=の冥福を祈った。
家族と共に避難中だった先月25日午前に行方不明になった相蘇さんは同31日午後、大雨で氾濫した荒瀬川に架かる三保六橋付近で県警機動隊員に心肺停止の状態で発見され収容、同6時28分に死亡が確認された。
相蘇さんが見つかった現場に25日正午、矢口市長ら市幹部が訪れ、花を手向けた上で静かに手を合わせた。矢口市長は「ご冥福をお祈りさせていただいた。1カ月たったからこそ見えてくるこれからの大変さ。被災した人たちの気持ち・意見をしっかり聞きながら、復興に向けて一緒に歩んでいきたい」と述べた。
矢口市長らはその後、大量の土砂が流れ込んだ同市北青沢のうち家ノ前、小屋渕集落を訪問し復旧状況を視察。自宅の片付けをしていた地元の会社員、相蘇賢一郎さん(63)は「台風の進路が気になる。11月になると雪が降る。あと2カ月半くらいしかない。それまでは何とかしたい」と状況を説明、上下水道の早期復旧、側溝の土砂撤去、災害ごみ受け入れ期間の延長などを要望した。矢口市長は慰霊を前に平田地域、慰霊後は松山地域、西荒瀬地区も視察した。
同市と遊佐町は、被害の程度に応じて住宅の補修などに最大300万円が支援される生活再建支援法の適用が決まっている。