2024年(令和6年) 9月3日(火)付紙面より
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出羽三山神社(阿部良一宮司)の荘厳な火祭り神事「八朔(はっさく)祭」が31日夜、鶴岡市の羽黒山頂で行われた。時折強い雨が降る中、出羽三山神社の開祖・蜂子皇子の修行をたどった山伏たちが五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。
山伏修行「秋の峰」(8月26日―9月1日)を締めくくる八朔祭は、実った稲がつぶされないように風を鎮める祭り。旧暦の8月1日が「朔日」と呼ばれたことが祭名の由来となっている。
この日の午後9時前、かがり火に照らされた蜂子神社の前庭に山伏たちが集まり、蜂子皇子へ修行の成果を報告。その後、柴燈木が積まれた護摩壇にご神火が付けられると、祭りはクライマックスの「火箸(ひばし)行事」へ。山伏たちが長さ約3メートルの火箸を持ち、体を回転させながら護摩壇を突き火の粉を舞い上がらせた。周囲には参列者が並び、静かに手を合わせて五穀豊穣や家内安全などを願う姿が見られた。