2024年(令和6年) 9月13日(金)付紙面より
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春季に開催され、庄内に球春到来を告げる「平田杯庄内高校野球大会」が2026年に創設100周年を迎える節目に合わせ、大会名誉会長の平田惇さん(84)=東京都府中市在住=が10、11日の両日、庄内各地の高校野球部を訪れ、球児たちへ再生した練習用ボール計1000個超を届けた。新庄市の業者の協力を得て使い込んでぼろぼろになったボールを修理し、「日が暮れてからの練習でも使えるように」と黄色の蛍光色が施された。
「平田杯」創設100周年へ事業
けが防止蛍光色“再生”硬球
平田杯100周年に向けた記念事業の一環として企画。今春、同大会に出場した庄内の10校(田川6、飽海4)の野球部から破損した練習用ボールを回収し、新庄市の日本ボール合同会社(小川健代表社員)に依頼して“再生”した。同社は2009年から全国の大学や高校野球部、リトルリーグなどから受け付けた硬式野球ボールの修理、再生を手掛けている。
平田さんは10日に酒田飽海地区、11日に鶴岡田川地区の各校を訪問。このうち鶴岡市高坂の鶴岡東高野球部グラウンドでは平田さんが酒井友成主将(2年)に再生ボールを手渡し、「甲子園の活躍は素晴らしかった。蛍光色はけが防止になるので、しっかり練習に励んで」と激励した。酒井主将は「日が暮れてから練習できるのは本当にうれしい。ありがとうございます」と謝辞を述べた。
平田杯庄内高校野球大会は1927年に鶴岡野球協会(現鶴岡野球連盟)初代会長の故平田吉郎翁が「庄内で甲子園に出場するチームを育てよう」と創設。純銀製の優勝杯を用意し、毎年優勝校に贈られている。一時、春季東北地区高校野球県大会庄内地区予選を兼ねて開催していたが、昨秋から春秋県大会の開催方法変更に伴い、今春は13年ぶりに平田杯の単独開催となった。