2024年(令和6年) 9月13日(金)付紙面より
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初秋の鳥海山を楽しむ「涼風トレッキング」が9日、遊佐町の鳥海山で行われ、参加者が名峰・鳥海山から見渡す景色や色づく植物などを楽しんだ。
鳥海山の魅力を広く知ってもらおうと、NPO法人「遊佐鳥海観光協会」(同町、佐藤仁理事長)が毎年企画、主催している人気のツアー。この日は県内外から30―70代約20人が参加した。
朝から快晴に恵まれ、午前8時40分ごろに同町の大平山荘近くの吹浦登山口から入山。黄色いかれんな花を咲かせるミヤマキリンソウや、鮮やかな青いリンドウを横目に、秋の気配が漂う急坂の登山道を登り切ると、日本海を一望できる「見晴らし台」に到着。秋田県の男鹿半島や酒田市の飛島、新潟県の粟島などが眼下に広がる大パノラマに参加者たちは感激し、しきりにシャッターを切っていた。
その後もガイドを務めた町鳥海山ガイド協会(佐藤正俊会長)のスタッフから自生するハクサンイチゲ、ウメバチソウ、実が熟したオオカメノキなど色づき始めた植物の解説を聞きながら、湿原の広がる清水大神を抜け正午前、7合目にある目的地の御浜小屋へ。東に岩手山、北には岩木山が見え、カルデラの鳥海湖(直径約200メートル、水深約4メートル)と山頂の新山を眺めながらの昼食を楽しんだ。
下りは黄色く色づいたイワイチョウなどが広がる賽の河原から石段を下りて秋田県側の鉾立口へ下山した。東京都から参加した山口昇さん(68)、康子さん(66)夫妻は「鳥海山はいつか来たいと思っていて、やっと念願がかなった。山の大きさを実感し、周囲の山を一望できる楽しみは独立峰ならでは。見晴らし台から見た日本海の大パノラマには感動した」と笑顔で話した。