2024年(令和6年) 9月14日(土)付紙面より
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今年創立100周年を迎えた庄内の美術団体・白甕社(齋藤拓委員長、会員103人)の記念展が、酒田市の市総合文化センターで開かれ、8年ぶりとなる酒田展に多くの市民が訪れている。
白甕社は1924(大正13)年、旧制鶴岡中学校の学生を中心に、当時の庄内地方では珍しい洋画運動による地方文化の発展を目指した美術団体「白虹社」として設立。酒田市在住会員らで酒田展を開催していたが、2016年の展示を最後に休展。100周年を記念し今回、8年ぶりに開催した。
今回は白甕社展受賞作品と酒田、庄内、遊佐の1市2町在住の会員らの作品など計62点を展示。青を基調としたがれきの前にたたずむ親子や動物、荷車などをシルエットで表現し、100周年記念賞を受賞した油彩画「瓦礫(がれき)のある風景」、原色のピンクで人物の存在感を大きく描き、酒田市賞が送られた「降臨」など、数々の受賞作品のほか、いずれも物故作家・齋藤春雄さんの油彩画「日和山灯台」、佐々木伸さんの油彩画「光芒(こうぼう)」といった作品には人物像などを紹介するキャプションを付けて紹介している。
齋藤委員長は「物故作家、会員、一般の作品とを混ぜて展示することで、100周年を迎えた白甕社の過去、現在、未来が混合し、ひとつの現在として見ていただけたら」とコメントしている。入場無料。展示は15日(日)まで。