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2024年(令和6年) 9月14日(土)付紙面より

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生きがい探しで長生きしよう

 今月6日、NHKの番組「時をかけるテレビ」を見た。四半世紀前放送の、リストラで失業した50~60代の男性サラリーマンの再挑戦を捉えたドキュメンタリー。タイトルは「われらの再出発・失業サラリーマンたちの6か月」。再就職のためさまざまな国家資格取得を目指し、職業訓練校で学ぶ中高年を追ったもので、そこから見えて来たのは「これから先が人生だ」という希望に思えた。

 高齢者の定義は65歳以上。厚生労働省によると日本の平均寿命は2023年に女性87・14歳、男性81・09歳で世界一になった。このことからすれば、65歳からの人生は長い事になる。これからでも新しいことにチャレンジすることで、心身ともに若さを保てるのではないだろうか。

◇      ◇

 誰もが健康で、幸せに暮らしたいと願っている。しかし、日本では年齢が上昇するにつれて幸福度が下がる傾向にあると言われる。「もう年だから」などと、若い頃に持っていた夢の実現が加齢とともに遠ざかるせいか、あるいは「わくわく感」や「ときめき感」「好奇心」がなくなるからなのか。

 内閣府の24年版高齢社会白書によれば、65歳以上の人口は3623万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は29・1%。国民の3人に1人は高齢者。また75歳以上に限った2008万人は、65~74歳の人口を上回り、明らかに超高齢化社会を裏付けている。これに伴って高齢者だけの世帯、夫婦のいずれかが亡くなることでの単身世帯も多くを占めるようになった。そうした背景もあって周囲との交流から遠ざかって孤立化するケースも少なくないという。

 内閣府の調査で、高齢者が何らかの学習活動に参加している割合は28・4%。家事、芸術・文化、パソコン教室などで、そうすることで参加者の約85%が生きがいを感じていると答えている。冒頭のサラリーマンの再挑戦では、社内でトップクラスの成績だった営業マンもいた。そのことを例にすれば、過去のポストや社会的地位を拭い去り、新しい事に挑戦することこそが、高齢者になっても生きがいと幸福感につながるのではないだろうか。

◇      ◇

 日本老年学会・日本老年医学会によると、近年の65~74歳は心身の健康が保たれていて、活発な社会活動に参加できる人が多くなっているという。このため65歳以上を一律に高齢者とするのは現実的でなくなったとして、75歳以上を高齢者の新たな定義とすることを提案している。

 平均寿命が延びているとなれば、65歳から先の人生がずいぶん長い。そのためには健康を保つ努力も怠れない。個人での健康管理が何よりも大事だが、それを支える国の医療制度の充実も求められる。そうした安心があってこそ、長寿社会を喜べることになる。生きがいを探し、元気で長生きしたいものだ。

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