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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 9月18日(水)付紙面より

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アラスカ州で食の交流 沖海月の須田料理長伝授 イカや鮮魚のさばき方

 米政府認定の「MAGISTERブランド烏賊(いか)大使」に任命された鶴岡市立加茂水族館魚匠ダイニング沖海月の須田剛史料理長(48)がアラスカ州ジュノー市郡を訪れ、地元料理人にイカと鮮魚のさばき方を伝えた。

 人口約3万1000人のジュノー市郡はアンカレッジ、フェアバンクスに次ぐアラスカ州第3の都市。関係者が昨年8月、沖海月を訪れた際、「私たちに和食文化を教えてほしい」と須田料理長に依頼、アラスカ訪問が実現した。

 期間は先月10日から19日までの10日間。大物が釣れるダイナミックな船釣り観光などで人気を集めるジュノー市郡のホテルや飲食店のシェフにアラスカブランドの大型イカを使った料理を実演した。手掛けたのはイカの刺し身やにぎりずし、イカシューマイなど。仕上げた料理はディナーイベントに参加した人たちに振る舞った。

 アラスカで取れる大型のイカは体長約50センチ。身がふっくらとして甘く、食べ応えがあっておいしいという。米国では魚介類を生で食べる文化はないが、和食ブームで刺し身やにぎりずしは好評だった。

 須田料理長は「アラスカの漁師は規格に満たない魚はすぐ海にリリースして資源を大切にしている。とてもルールが徹底しているなと感じた。北の海で漁獲量は多いが、取り過ぎないよう資源を循環させている点がとても勉強になった」と語った。

 今回は酒田市に本社を置く観光旅行会社「The Hidden Japan(ヒドゥンジャパン)」のデレク山下さんがコーディネート役と通訳を務めた。

ジュノー市郡のシェフを対象にした須田料理長(中央の白衣姿)の料理教室。イカと鮮魚のさばき方を伝え好評を得た
ジュノー市郡のシェフを対象にした須田料理長(中央の白衣姿)の料理教室。イカと鮮魚のさばき方を伝え好評を得た


2024年(令和6年) 9月18日(水)付紙面より

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音楽と語りで新たな命吹き込む 鶴岡・酒田 佐々木さん活弁シネマライブ

 酒田市出身で、活動写真弁士として全国的に活躍している佐々木亜希子さんの「活弁シネマライブ」が15日、酒田市飛鳥のひらたタウンセンター「シアターOZ」で行われた。20年間、一緒にコンビを組んでいる永田雅代さんのピアノ伴奏で、100年以上も前の無声映画に音楽と語りで新たな命を吹き込んだ。

 佐々木さんはNHK山形放送局のアシスタントキャスターを経て、2001年から活動写真弁士として活躍。220作以上のレパートリーを持ち、的確でウイットに富んだ脚本と七色の声で物語の世界へ引き込む語りが人気。また、現在放映中のNHK連続ドラマ『虎に翼』では、活弁を取り入れた演出の際、主演の伊藤沙莉さんに演技指導するなど活躍の場を広げている。楽士の永田さんは鹿児島県鹿屋市出身。ピアニストとして幅広いジャンルのアーティストと共演。今夏は上々颱風のリーダー紅龍さんのアルバムをプロデュースするなど活躍している。

 シアターOZでは「第57回ひらた文化祭」の一環として開催。1914年に製作された5分ほどの『チャップリンの忙しい一日』で会場を沸かせた後、23年製作の長編映画『ノートルダムのせむし男』を上演した。この会場は、佐々木さんが弁士として活動を始めて2年目の2002年に、地元で初公演を行った場所。佐々木さんは善人や悪人の声はもちろん、若い娘や老婆の声を使い分けたほか、せりふとナレーションの違いを際立たせる語りで魅了。永田さんも全編を通して場面に合わせた演奏を披露した。

 16日には鶴岡市山王町の鶴岡まちなかキネマで午前は佐々木さんの音声ガイド付きバリアフリー上映、午後には佐々木さんと永田さんによる活弁シネマライブが行われた。

佐々木さんと永田さんによる活弁シネマライブ=シアターOZ
佐々木さんと永田さんによる活弁シネマライブ=シアターOZ

活弁シネマライブで庄内のファンを沸かせた佐々木さん(右)と永田さん=15日
活弁シネマライブで庄内のファンを沸かせた佐々木さん(右)と永田さん=15日


2024年(令和6年) 9月18日(水)付紙面より

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酒田港沖の風力発電が前進する

 酒田港は今年4月、港湾法に基づいて国土交通省から「海洋再生可能エネルギー発電等拠点港湾」に指定され、2027年度に洋上風力発電基地港湾の完成を目指す。同港沖は洋上風力発電導入の「有望な区域」に指定され、既に「促進区域」に指定されている遊佐沖と合わせ、洋上風力発電事業が大きく前進する。それに向けた港の整備を祝う式典が先頃開かれた。

 洋上風力発電設備は、重厚長大な資機材を扱うため、耐久力がある強固で広いふ頭が要る。港の整備はそのためのもの。洋上風力発電導入は、先行する秋田県に続いて酒田港と青森港が同時に基地港湾に指定され、日本海側で再生エネ導入が加速することになる。

     ◇       ◇

 遊佐沖に導入される風車は高さ約260メートル、羽根の直径は約235メートルの大きさの想定だ。酒田港で基地港湾になる場所は、国際コンテナターミナル南側の埋立地のうち「大浜西埠頭」約34ヘクタールを予定。風車建設に必要な資材を運ぶ大型船の出入港、資材の仮置き場として利用するため、水深12メートルの岸壁、航路、防波堤、外周道路などのふ頭を整備する。事業費は122億円。

 庄内沖の風況は、洋上風力発電導入の潜在能力が大きく、将来の再生エネ供給地としての期待が持たれている。遊佐沖の事業では現在、事業者の選定が進んでいる。同沖の想定海域は沿岸漁業に配慮して海岸線から1カイリ(約1・8キロ)沖の、南北約8・3キロ、沖合約5キロの区域に設定。海底に固定する着床式で発電出力45万キロワットは、酒田共同火力発電所の総出力70万キロワットの半分強に当たる。

 地球温暖化に負荷をかけない洋上風力発電は、政府が目指す再エネ導入の一翼を担う。少子化、人口減少、若年層の都市流出に悩む地方都市にとって、酒田港一帯の整備で新たな産業が創出され、雇用が生まれれば若年層の地元定着と、それに伴う付加価値も期待できる。洋上風力発電に寄せる地域経済活性化への期待感が膨らむ。

     ◇       ◇

 県は気候変動への影響などから、県内に再エネを中心としたエネルギー供給基盤を整備、地域の中にエネルギー源を分散配置したい考えだ。さらに現在導入目標に掲げている再エネ開発目標101・5万キロワット(原発約1基に相当)を、新たに策定するエネルギー戦略では1・5倍を目指す方針だ。北海道小樽市などの沖では将来、原発5基分の風力発電導入の予定という。

 庄内地域は風況状況が良く、洋上を柱とした風力発電導入の潜在力は全国7番目に大きい。鶴岡市の沿岸地域では山間部への新たな風力発電導入が計画されている。風力発電については洋上でも陸上であっても、環境・景観・生態系などを心配する声がある。一方、洋上風力を含む再エネ導入は、時代の要請ということになるようだ。

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2024年(令和6年) 9月18日(水)付紙面より

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県内外の小学・高校生熱戦展開 カミジカップ柔道大会 羽黒高「プロフェッショナルラボ」企画・運営

 第3回Kamiji Cup(カミジカップ)柔道大会が14、15日、鶴岡市の羽黒高で開かれ、県内外の小学生、高校生が参加し団体戦と個人戦で熱戦を繰り広げた。15日には、柔道関連の動画を配信しているユーチューバーのドンマイ川端さんによる子どもたちを対象にしたイベントも開かれ、大会を盛り上げた。

 同校の工業科の生徒でつくる「プロフェッショナルラボ」が企画、運営を担い、2年前から始めた。大会名の「Kamiji」は、羽黒山大鳥居から同校周辺を通る神路坂にちなんで名付け、それぞれの目標に向かって坂道を進むという意味と願いを大会名に込めた。

 新人戦前の強化試合となる高校生の部には東北各県や新潟県、長野県、愛媛県から17校、計約160人、小学生の部には庄内地域を中心に県内外の7チーム、計約80人が参加。高校生は団体戦と体重別の個人戦、小学生は団体戦を行った。

 柔道家のドンマイ川端さんは、五輪や世界大会の優勝者との動画や高校柔道部を訪問した際の動画などをユーチューブにアップし、柔道競技の普及に努めている。羽黒高男子柔道部の佐藤大地監督とのつながりで大会に招かれた。佐藤監督は「3回目となり、参加する学校数が増え、範囲も広がった。全国レベルの大会に育てていきたい」と話していた。

全国各地から集まった高校生が優勝を競い合ったKamiji Cup=14日、鶴岡市・羽黒高総合体育館
全国各地から集まった高校生が優勝を競い合ったKamiji Cup=14日、鶴岡市・羽黒高総合体育館


2024年(令和6年) 9月18日(水)付紙面より

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明るく楽しい音色響く

高校吹奏楽華やかに 4校息合わせ披露 酒田中町演奏会

 飽海地区高校文化連盟吹奏楽専門部加盟の4校による合同演奏会「中町演奏会2024」が14日、酒田市の中町モールで開かれ、楽しく華やかな音色が中心市街地に響いた。

 新型コロナウイルス感染症の影響で生の演奏を聴く機会が減少した市民に対し、屋外の安全な環境で音色を届けようと2020年にスタートした演奏会。新型コロナが5類に引き下げられ多くの活動が再開した後も、演奏技術の向上、部員相互の交流とともに中心市街地の活性化などを目的に継続して行っている。

 この日は中町モール内大屋根の下にステージを設置し、酒田南、酒田東、酒田光陵、酒田西の4校の吹奏楽部・班が出演。いずれも3年生が引退し新体制で日頃の練習成果を披露した。

 演奏会は酒田南高のゲーム音楽「Splattack!」で幕開け。軽快な音楽に沿道の聴衆から手拍子が上がり、続く各校も軽快なポップス、ディズニー、ジブリ音楽などなじみのある音楽を次々に演奏した。

 コンクールとは異なり、各校とも伸び伸びと趣向を凝らしたステージを披露。大屋根を通り抜ける風に秋の気配を感じる中、地元住民や買い物客らは足を止めて高校生たちが奏でる音色に耳を傾けていた。


お年寄りや地域に贈り物 かたばみ荘森の音楽祭 園児と中学生5年ぶり

 酒田市北千日堂前の特別養護老人ホーム「かたばみ荘」(五十嵐重明施設長)で14日、「森の音楽祭」が開かれ、地元園児や中学生らが演奏を披露。入所のお年寄りや地域住民が音楽に親しんだ。

 クロマツを中心とした美林を守り、市民の憩いの場として森林空間の整備を図っている同市の「万里の松原に親しむ会」(三浦武会長)が主催。森に親しんでもらい、地域内の親睦の輪や世代間交流を広げてもらおうと2004年から開催している恒例の音楽会。コロナ禍の影響で中止が続き今回、5年ぶりに実施した。

 この日はかたばみ荘、隣接する養護老人ホーム「かたばみの家」(佐藤千代樹施設長)の入所・通所・入居者ら計約100人が参加。同ホーム駐車場にステージを設置し、報恩会保育園、酒田一中吹奏楽部、オカリナグループ「マリーンドルチェ」が出演した。

 初めに同保育園児12人が遊戯「できっこないをやらなくちゃ」、歌「さんぽ」を披露。続いてオカリナグループ7人が「高原列車は行く」、酒田一中吹奏楽部40人が「演歌メドレー」「花笠音頭」などを次々に演奏した。子どもたちの愛らしい姿や心を込めた演奏に、お年寄りたちは手拍子や知っている歌を口ずさむなど、自然と顔をほころばせていた。最後は童謡「ふるさと」を演奏し、その場にいた参加者らが共に声を合わせた。

 かたばみ荘入居者の女性(81)は「素晴らしい演奏に感動した。自分も酒田一中の出身で、今の子どもたちを見て元気をもらえた。ぜひまた来てほしい」とうれしそうに話し、三浦会長は「楽しんでもらえて良かった。しばらく開催できなかったが、またこれから続けていきたい」と話した。

4校吹奏楽部が市民に向け演奏を披露した「中町演奏会」
4校吹奏楽部が市民に向け演奏を披露した「中町演奏会」

音楽を通して親睦の輪を広げた「森の音楽祭」
音楽を通して親睦の輪を広げた「森の音楽祭」



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