2024年(令和6年) 9月22日(日)付紙面より
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豪雨災害の警備対応研修会が20日、鶴岡警察署で開かれた。庄内3警察署の署員と機動隊庄内分駐隊員合わせて約50人が参加。一般社団法人日本自動車連盟(JAF)山形支部の野川智伸さん(52)を講師に大雨で車が水没する危険性について知識を深めた。
今年7月の豪雨災害で救助要請を受けた警察官2人がパトカーごと流されて殉職した。研修会は気候変動で豪雨災害が多発する中、危険箇所の交通誘導や住民の避難誘導など災害警備の的確な対応を身に付けようと野川さんを講師に招いた。
講話で野川さんはJAFが実施した冠水道路の走行実験の動画を紹介した。その中で野川さんは「実験ではセダンタイプでも、車高が高いSUV車でも水深60センチでエンジンに水が入って止まり水圧でドアが開かなくなった。冠水した道路は迂回(うかい)するか、立ち入らないことが大切」と解説した。
「VRゴーグル」を着けて車が浸水する状況を疑似体験した鶴岡署員(24)は「冷静沈着に対応しても実際にはパニック状態になると思う。何もできず、水に沈んでいくような怖い思いがした」と感想を話した。
研修ではこのほか、冠水した道路に立ち往生した車のけん引方法などについても学んだ。