文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より

ツイート

ガス灯シンボルに 酒田駅前整備完成 記念式典

 酒田市が整備を進めてきたJR酒田駅前の広場・駐輪場が完成し28日、記念式典が現地で行われた。交差点部の改良工事のため昨年5月に撤去された「帆船オブジェ」に代わり、今回の整備では、新たな駅前のシンボルとして「ガス灯」を設置。日没から深夜まで淡い光を放って行き交う人を照らし、駅前ににぎわいを創出する。

 2022年7月にグランドオープンした酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」と駅舎を直線で結ぶとともに、歩行者と自転車、一般自動車と営業車両の分離を図り、それぞれの通行の流れをスムーズにするため、市は昨年1月から酒田駅前広場約4000平方メートルと酒田駅前駐輪場約1570平方メートルの整備工事に着手、昨年12月中旬までに完成し、同末から供用を開始した。

 広場には有料駐車場、タクシー乗り場・上屋、歩道を拡張する形で各種イベントなど開催できるフリースぺース(広さ約250平方メートル)を整備。帆船オブジェに代わって新たなシンボルとなるガス灯は、酒田天然ガス(東両羽町、有原敏昭社長)が寄贈したもので高さ4・2メートル。日没から最終「いなほ」の到着まで周囲を照らす。一方、電車通学の高校生らが利用する駐輪場は屋根付き。ロードバイクラック2基も設け計400台の駐輪が可能。市都市デザイン課によると、総工費は計2億1857万円。

 新設のフリースペースで行われた式典では関係者約20人が出席。矢口明子市長が「より利用しやすい広場・駐輪場が完成した。今年は鉄道に関するイベントが盛りだくさん。ミライニも一緒に駅前の活性化を図っていきたい」とあいさつ。遠山浩一JR酒田駅長が「すてきな駅前広場になり、あらためて感謝。にぎわい創出に向けてミライニなどと連携を図っていく」、有原社長が「ガス灯は夕暮れ時になると、柔らかい温かみのある光を放つ。行き交う人の心の癒やしになれば」と祝辞を述べた。その後、出席者がテープカットし、完成を祝った。

新たなシンボル・ガス灯の下、テープカットして完成を祝う出席者たち
新たなシンボル・ガス灯の下、テープカットして完成を祝う出席者たち


2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より

ツイート

幽玄の世界にいざなう まつやま大寒能

 約360年の歴史を持つ酒田市の松山能(県指定無形民俗文化財)の「雪の能 まつやま大寒能」が27日、同市の松山城址館で行われ、詰め掛けた能楽ファンらを幽玄の世界にいざなった。

 松山能は江戸前期の寛文年間(1661―73年)、江戸勤番の松山藩士が能楽を習ったのが始まりといわれ、明治以降は松山地域の住民による「松諷社」(榎本和介会長)が継承、1980年に県の無形民俗文化財に指定された。大寒能は長らく地域内の總光寺で行っていたが、その後に能楽ファンによる松山能振興会が現名称で復活させ、以来、6月の「花の能 薪能」、8月の「月の能 皇大神社奉納」とともに恒例行事となっている。

 この日は、最初に「松山子ども狂言の会」の松山小学校児童10人が子ども狂言「きのこ山伏」を演じ、元気でコミカルな演技に大きな拍手が送られた。その後、松諷社が狂言「盆山」、能「高砂」を上演。このうち、主演目の「高砂」は神をシテ(主人公)にした名作。播磨国(現兵庫県)高砂と摂津国(現大阪府など)住吉の松は相生の松で、その松の精の謡によって夫婦愛と長寿(相老)、天下太平をことほぐめでたい能。後半冒頭でワキ(シテの相手方)の神官たちが謡う「高砂や、この浦舟に帆を上げて―」は、夫婦の理想を示すものとして結婚披露宴でよく謡われてきた。月明かりの中、住吉明神が天下太平などを願って舞うクライマックスのシーンでは、アマチュアカメラマンらが盛んにシャッターを切るなど会場に詰め掛けた人を魅了していた。

住吉明神が舞う「高砂」の一場面
住吉明神が舞う「高砂」の一場面


2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より

ツイート

酒田の「寒鱈まつり」にぎわう

 旬を迎えた冬のマダラを存分に味わうイベント「酒田日本海寒鱈(かんだら)まつり」が28日、酒田市の中心市街地で開かれ、寒い風が吹く中、大勢の人が熱々の寒鱈汁を堪能した。

 庄内の冬の代表的な郷土料理、身や白子、アブラワタ(肝臓)などを丸ごと入れて煮込む「寒鱈のどんがら汁(寒鱈汁)」を観光振興につなげようと、市や市内の商工・観光団体などによる実行委員会が企画した。

 37回目となった今年は、中通り商店街、中町モール、酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」、さかた海鮮市場、漁師飯「番屋」の5会場で計約2900食を用意した。

 この日は快晴に恵まれ、歩行者天国となった中通り商店街と中町モールには午前10時のスタート前から大勢の家族連れらが訪れた。もくもくと湯気が立ち上がる大鍋の前には長蛇の列ができ、来場者たちは待ち望んだ熱々の寒鱈汁を受け取ると、笑顔で頬張っていた。

 市内から家族3人で食べに来たという岡部学さん(35)は「今年の寒鱈は身が厚くて、白子もアブラワタもおいしい。初めて食べる娘が喜んで食べているので良かった。自分も子どもの頃連れてきてもらっていたので、一緒に食べに来れてうれしい」と笑顔で話した。

 用意した寒鱈汁は瞬く間に売れ、午前11時半ごろに当日チケットは完売、正午前には寒鱈汁が全て売り切れた。想定よりも早い売り切れに、実行委員会は「来年は来場者が満足できるくらいの量を用意したい」と話していた。

寒鱈汁を堪能する親子
寒鱈汁を堪能する親子


2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より

ツイート

酒田の課題ITでどう解決 成果発表会 公益大受講生構築ツール披露

 デジタル変革(DX)人材・関連企業の集積を目指すプラットフォーム「やまがたDXコミュニティ」に参画する企業の担当者が講師となり、酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)で昨年10月に開講したプロジェクト型応用演習「酒田市の地域課題についてITを使ってどう解決するか」。受講した学生による成果発表会が26日夜、学内で行われ、市総合計画後期計画(2023―27年度)に掲げる地域課題の中からそれぞれ選定したテーマの解決につながる、自ら構築したITツールを披露した。

「―コミュニティ」は、地元事業者のDX化、DX人材の育成支援によって生産性や競争力の向上を図るとともに、DXに対する地域の理解を深めることでIT事業者の新規顧客開拓にもつなげようと、酒田市と市産業振興まちづくりセンター・サンロク(センター長・安川智之副市長)が中心となって22年6月に設立された。

 今回の演習は昨年10月6日に開講。2年生21人が参画企業の担当者らの指導で、新しい働き方、DXのトレンド、スキルの磨き方など学んだ後、同11月中旬以降、4、5人ずつ5チームに分かれ、市総合計画後期計画を読み込んで地域課題を選定。市や地元企業へのヒアリングなどフィールド調査した上で、同12月からは課題解決に向けたITツールの開発に着手した。

 この日は指導に当たった企業の関係者が見守る中、チームごとに自ら選定した地域課題の解決に向けたアプリやマップをそれぞれ発表。コロナ禍の影響で大きく落ち込んだ外国人観光客を増やすため、ストレスなく目的地に行けるようスマートフォンで利用できる「多言語マップ」を開発したチームは、「経済効果と文化交流、地域活性化が期待できる」とその目的を述べ、「楽しんで酒田を観光してもらいたい。満足度向上を図り、SNSやブログなどでシェアすることで酒田の魅力が広く知れ渡ることになると思う」と報告した。

 また、「酒田市の未来に向けて」をテーマに、市内の高校生・大学生約100人を対象としたアンケート調査を実施、酒田の魅力について楽しみながら知ることができるアプリ「酒田クイズ」を構築したチームは「調査の結果、市が行うさまざまな支援策を理解している若者が少ない。クイズを通して支援策・魅力を知ってもらい、『来たい、帰りたい、戻りたい』と思える酒田になれば」と紹介した。

 学生たちの発表を聴講した矢口明子市長は、講評の中で「市総合計画を読み込んでもらい、市が一番やろうとしていることについて皆さんから知ってもらうことができた。皆さんが残りたいという街づくりを、情報共有を図りながら共に進めていきたい」と述べた。

地域課題の解決のために構築したITツールを発表する学生たち
地域課題の解決のために構築したITツールを発表する学生たち


2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より

ツイート

収量増 除草回数58%減 有機米デザイン 開発「アイガモロボ」実証結果

 鶴岡市のヤマガタデザインのグループ会社「有機米デザイン」(東京)は、同社が開発した水田の自動抑草ロボット「アイガモロボ」の実証試験の結果をまとめ、23日に公表した。水稲の幼穂形成期に水田の雑草発生を抑えるロボットで、導入した有機栽培の水田では収量が平均10%増加し、機械除草の回数は58%減少した。

 農研機構や東京農工大、アイガモロボの販売を担う井関農機と2021、22年に庄内地域を含む全国計36カ所の圃場(ほじょう)で検証した。10アール当たり平均収量は424キロで、各地域の作況指数も加味して導入前と比べたところ、平均で10%増加。また機械による平均除草回数は2・4回から1・0回に減り、0回の圃場も3分の1の12カ所あった。

 一方で、11の圃場ではうまく稼働しないケースがあった。水田が平らになっていなかったり、水量不足で動けなくなったりすることも確認された。

 アイガモロボは太陽光発電で代かき後の水田を自律航行し、スクリューで水中を撹拌(かくはん)して泥を巻き上げ、光を遮ることなどで雑草の成長を抑制するもの。田植え後3週間程度、稼働させる。有機米デザインによると、これまでに500台製造。昨年1月から井関農機で販売している。幅90センチ、長さ120センチ、重さ約12キロ。価格は1台55万1000円(税込み)。有機米デザインは「雑草防除メカニズムや収量増の要因の解明し、圃場の立地や広さに応じた効果的な運用方法などを提案し、有機栽培を後押ししたい」としている。

有機栽培の水田で稼働するアイガモロボ(有機米デザイン提供)
有機栽培の水田で稼働するアイガモロボ(有機米デザイン提供)


2024年(令和6年) 1月30日(火)付紙面より

ツイート

致道博物館新収蔵品展「何コレ!?」 珍しい昔の生活用具や農具・火鉢並ぶ

 鶴岡市の致道博物館の企画展「新収蔵品展『何コレ!?』」が26日、同館で始まった。平成から令和にかけて同館へ寄贈された物品のうち、現代では見られなくなった生活用具や農具、火鉢など珍しい“モノ”が展示されている。見ると思わず「なにこれ?」と口を突いて出そうな、子どもから大人まで楽しめる展示となっている。

 近年の寄贈品の中から、奇抜な形や意表を突いた表現など「何コレ?」と思えるコレクション約50点を展示。昔の“モノ”の面白さや奥深さを未来につなぐことを目的に企画した。

 ひときわ目を引くのが会場奥に展示された「階段箪笥(たんす)」。2022年に同館へ寄贈されたもので、複数の木製の箱とたんすを組み合わせ、重ねて階段状となっている。天保10(1839)年に製造または購入されたもので、最上段に木質の違う階段が一段補われており、所有していた家より階段箪笥の方が古いと推測される。

 また、山茅(尾花)の穂先を主な材料とした防寒具の「オバナボッチ」(尾花帽子)や、絵画や古い写真などでしか見られなくなった俵靴、雪下ろしの際に雪を切り出すため使われたケシキ(ケシギ)など、雪国にまつわる古い生活用具が展示された。

 このほか「木製六角火鉢」や「五徳」、容器の下部がとがっていて畳などに置けない徳利の一種「イビリ」など“灰”にまつわる道具や、脱穀したもみに混じるごみを取り除く「ユスリ」、米俵などに突き刺して運びやすくする「コメサシ」などの農具も並んだ。

 「誰コレ!?」コーナーでは、掛け軸に描かれた山の神や田の神、養蚕が盛んな地域で信仰された「蚕祖神(さんそしん)」の図などが紹介されている。また、昔の筆記用具「矢立て」にまつわるクイズなども用意されている。

 展示は3月11日(月)まで。展示時間は午前9時から午後4時半、2月末まで毎週水曜休館。2月10日(土)、23日(金)は各回午後2時から学芸員によるギャラリートークが行われ、一部の展示品に触れることができる。申し込み不要。問い合わせは同館=電0235(22)1199=へ。

現代では見られない珍しい生活用具や農具などが展示されている
現代では見られない珍しい生活用具や農具などが展示されている



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field