2024年(令和6年) 10月11日(金)付紙面より
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地方創生を担う次世代の地域リーダー育成を目的とした「SHONAI政経塾」の開講式が9日、鶴岡市北京田のショウナイホテル「スイデンテラス」で行われた。30代前後の若者や女性を中心に、定員を超える26人の男女が1期生として参加。それぞれが「地域のために」という思いを核に、人口減少などの課題解決を図るまちづくりの実践者や、閉(へい)塞(そく)感が強い地方の政治へ切り込んでいける次世代リーダーを目指す。
同政経塾は鶴岡市のまちづくり会社「SHONAI」(旧ヤマガタデザイン、山中大介社長)が、地域の自立経営を支援する一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス(AIA、東京都品川区、木下斉代表理事)と連携して企画。木下代表理事が塾長を務める。
「庄内地域でまちづくり事業に取り組む」「将来、地方議会議員選や首長選への立候補を検討する」といった人を対象に受講生を募集し、志望理由などの審査を経て1期生26人を決定。受講料は20万円に抑え、女性や35歳未満の若手は半額とした。
受講期間は来年2月までで、地方自治や財政、地域経済・経営、金融、教育、ジェンダーなど多岐にわたるカリキュラムが用意されている。講師は現職や元職の地方自治体首長、地方議員、ジャーナリスト、教育アドバイザーなど各分野で活躍する人材が集まった。
この日の開講式には受講生20人が出席。庄内地域でまちづくり事業に取り組んでいる起業家や、県外自治体で来年3月の町議選に立候補を予定している会社員、県外と庄内を行き来するビジネスマン、県知事を目指す大学生など個性的なメンバーがそろった。庄内地域で活動する現職の市議、町議計4人も参加する。
ガイダンスに当たる“開講の儀”では木下塾長が「まちを変えるにはロジック(論理)も大事だが、最終的には本気でやるかどうか。この政経塾をスタートにさまざまな思いや熱量を共有し、しっかり学んでほしい」、“応援団長”の山中社長が「若者や女性がもっと政治、経済に参加できるような環境をつくりたい。そのためにこの塾のようなコミュニティーが必要」とそれぞれあいさつした。
続いて3~5人ずつテーブルに分かれ、自己紹介を兼ねたグループワークが行われた。テーマの「政経塾で何を達成したいか」について、塾生たちは「地域の良いところを見極めインバウンドにつなげたい」「地域の役に立つため新しい事業を起こしたい」「地域の中で自分の役割を見つけるため仲間が欲しい」とそれぞれ熱い思いを語った。
その後の全体発表で、各グループが今後1カ月間で取り組むアクションプランについてプレゼン。木下塾長と山中社長のトークなども行われた。
政経塾は来秋の鶴岡市長選、市議選もターゲットの一つとする方針。山中社長は「中高年の男性が中心の地方議会では、若い世代の住民の意見を拾い上げられない。意欲のある若者や女性がまちづくり事業や地方政治へ積極的に参加することで、ジェンダーバランスや年齢層の偏りが正され、多様な意見を反映できる地方として発展することを願いたい」と話していた。