2024年(令和6年) 10月18日(金)付紙面より
ツイート
鶴岡市の在来作物の一つ、ヤマブドウの収穫が最盛期を迎え、同市大針のなんば農園で13日、収穫体験が行われた。
ヤマブドウは、古くから日本の山に自生しており、甲州ブドウとともに日本独自のブドウとして知られている。ポリフェノールや鉄分を多く含み、健康食品としても人気が高い。
同農園の難波裕一社長の祖父が50年ほど前に、自生しているヤマブドウの棚を作り栽培を始めたが、栽培方法が確立されておらす苦労の連続だったという。現在は約1ヘクタールの畑で栽培し、ジュースやジャムなどの加工品の製造や収穫体験などを行っている。
この日は、ウオーキングとレクリエーションを組み合わせた例会を行っている鶴岡市の「たかだてスポーツクラブ」のメンバー20人をはじめ約40人が参加。難波社長が農園の歴史や摘み取りの説明などを行った後、参加者は用意された袋いっぱいになるほど、約1・5―2キロの房を収穫。その後、厚手のポリ袋に実を1粒ずつ外して入れた。昼には社長の妻・智穂さんが天然のマイタケやアケビ、ゼンマイ、栗などを使って手作りした「山の恵み弁当」とキノコ汁で、食欲の秋を満喫していた。摘み取ったヤマブドウの実は各自、自宅に持ち帰り、よく水洗いしてからつぶして煮ると、一晩で濃い紫色になり、皮や種をこすとジュースが出来上がる。
参加者は「ヤマブドウのジュースを毎日飲んで、体調も良い。毎年このイベントが楽しみ」「奥さんの作る弁当の大ファン。どれもこれもちょうどいい味付け」と話しながら、ジュースの出来栄えに思いをはせていた。