2024年(令和6年) 10月19日(土)付紙面より
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月が地球に近づき、一年の中で最も明るく見える満月「スーパームーン」の観望会が17日夜、酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)で開かれ、参加者たちが天体ショーを楽しんだ。
酒田市委託地域デジタル人材等育成事業として公益大地域共創センターが主催。素粒子理論や天文教育を研究している山本裕樹公益大教授を講師に、月と彗星(すいせい)に関する講話と望遠鏡での観望を行った。
この日は公益大図書館3階で行われ、オンラインを含め天体に興味のある市民ら約50人が参加。山本教授は天体の公転運動や月の満ち欠けについて説明し、「月と地球の距離は最も遠いと約40万6000キロ、最も近くて約35万7000キロ。視直径で大きさが約14%違う。スーパームーンは占星術から来た言葉で天文用語ではない」と。彗星について「太陽に接近することで光り輝く天体。人や団体など発見者の名前が付けられる」と述べ、2023年1月に発見され、今月に見頃を迎えた「紫金山・アトラス彗星」に関して「双曲線軌道の彗星で、太陽から遠ざかっていくと戻ってこない」などと紹介した。
その後、テラスに移動して観望。望遠鏡はもとより、肉眼でもクレーター、玄武岩が露出して黒っぽく見える「海」が観察でき、参加者たちは「大きい」「きれい」と感嘆の声を上げていた。家族連れで参加した鶴岡市の大山小5年の渡邉遥陽(はるひ)君(11)は「宇宙や天体は大好きで興味がある。思っていたよりクレーターが多く、動きが速いことが分かった」と話した。