2024年(令和6年) 10月27日(日)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)で公的年金について研究している3年生10人が、奨学金の返還を支援する県の事業を紹介し、若者に県内就職を呼び掛ける動画3本を制作した。公益大で23日、お披露目会見が行われ、学生らは「若者の県外流出についての解決の糸口になれば。大学生だけでなく、大学進学を考えている高校生にも事業について知ってもらいたい」と話している。
動画を制作したのは、阿部公一公益大教授(社会保障論、公的年金論など)のゼミに所属する3年生。阿部ゼミは厚生労働省主催「令和の年金広報コンテスト」動画部門で2019年から5年連続で最高賞の厚労大臣賞を受けるなど実績がある。
今回はゼミの中で国民年金保険料の追納問題を出発点に、奨学金の返還が加わると若者の生活が苦しくなることから、どうにか負担を軽減できないかとゼミ生たちが議論。県が若者の県内定着を促進するため、奨学金を受ける大学生が県内に定住、就業した場合に奨学金の返還を支援する「やまがた就職促進奨学金返還支援制度」に着目。これまで培った動画制作技術を課題解決に生かそうと今年4月から動画作りに着手した。
制作した動画は桃太郎をモチーフにアニメーションで制度を説明する「山形ピーチボーイ編」(約4分)、ピーチボーイ編から具体的な期日などを外し通年で利用できるようにした「改定編」(同)、掛け合い形式でテンポよく紹介する「漫才編」(約1分20秒)の3本。動画では「やまヘン」という略称で制度を身近で分かりやすく表現したほか、登場するキャラクターのデザインや音声などは全て学生たちが手掛けた。動画投稿サイト「YouTube」で公開されている。
この日は阿部教授とゼミ生が出席。ゼミ長の岩城健一郎さん(21)は「地域の問題や課題を少しでも解決できればと動画を作成した。若者に少しでも制度について知ってもらいたい」、副ゼミ長の吉田智幸さん(21)は「やまヘンという略称を若い人たちに認知してもらえれば」とそれぞれ話していた。