2024年(令和6年) 10月31日(木)付紙面より
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今年元日の地震、同9月の豪雨と相次いで自然災害に見舞われた石川県能登地域の被災者たちを元気づけようと、タウン誌「ナイスさかた」編集長の設楽京子さん(72)=酒田市光ケ丘五丁目=が、広く手書きメッセージを募集。趣旨に賛同した市内など在住の有志から寄せられた計42点を一枚の大判模造紙に貼り付けた。11月1日までに石川県庁に届き、被害が大きかった市町で掲示される予定という。
設楽さんは、2011年3月に発生した東日本大震災の際、家族らを亡くした小学生たちに抱きしめてもらうことで心の安らぎを得てもらおうと、手作り人形を贈るプロジェクトを実施している。
庄内・最上地域を襲った今年7月の記録的大雨の際、設楽さんの元に岡山県や兵庫県など遠方に住む友人から心配する電話が多くあり、「気に掛けてもらっていることがうれしかった」(設楽さん)ことから今回、能登地域の被災者を元気づけようと、9月の豪雨災害発生後から広く被災者を励ますメッセージを募った。
今月28日までに市内外の行政・企業関係者、一般から「復興に向けて一緒に歩みを進める」「明るい未来を信じています。日本人は必ず立ち上がります」「不撓不屈(ふとうふくつ)」など手書きのメッセージが寄せられたほか、模造紙の周囲を華やかに彩ってもらおうと、酒田商工会議所職員から千羽鶴、賛同市民から毛糸のバラが贈られたという。
設楽さんが29日午前、大判模造紙(横約2メートル、縦約0・7メートル)に寄せられたメッセージと千羽鶴、毛糸のバラを貼り付け、中央部には自らの思いとして「私達は能登半島の皆さまと痛みを共有します・山形県酒田市」と記載、酒田の場所を表す地図も添え、同日午後に石川県庁宛てで投函(とうかん)した。
同県戦略広報課によると、被害が大きかった輪島、珠洲両市、能登町など巡回掲示する予定で、より多くの被災者から見てもらうという。設楽さんは「何かしなければという思い。災害が相次ぎ、私たちの何十倍も苦労している能登の被災者を励ましたい」と話した。