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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 2月7日(水)付紙面より

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「サムライシルク」歴史と魅力に触れる 台湾インフルエンサー庄内観光を取材

 台湾在住でSNSなどを通し情報発信に取り組むインフルエンサー・旅行作家のMegumiさん(40)が4~5日、庄内地域で観光取材を行った。5日は鶴岡市羽黒町松ケ岡の松ケ岡開墾場を訪れ、シルクミライ館でサムライゆかりのシルクの歴史や魅力などに触れた。

 県とJR東日本東北本部などが展開する「山形県春の観光キャンペーン」(4月1日~6月30日)を前に、台湾からの旅行客誘致拡大を図ろうと、やまがた観光キャンペーン推進協議会(会長・國井英夫庄交コーポレーション社長)が招いた。

 Megumiさんは5回目の来県で、庄内地域を訪れるのは今回が初めて。4日に庄内入りし、初日は酒田市の山王くらぶや本間美術館を見学した。

 5日午前はシルクミライ館に足を運び、旧庄内藩士3000人による松ケ岡地区の開墾と絹産業の創出など歴史や、養蚕、製糸、製織、精錬、捺染(なっせん)まで絹織物の一貫工程、きびそをはじめとする現在の絹織物の製品について、鶴岡シルクの大和匡輔社長から説明を受けた。大和社長が「安い物を使い捨てることから、良いモノを長く使い続ける方向に世の中の流れは変わりつつある。“本物”の価値を未来につないでいくことが私たちの役目」と解説すると、Megumiさんはしきりにうなずきながらメモを走らせていた。

 「侍シルク」のストールをその場で買い求めたMegumiさんは「昔のストーリーから現在の絹製品までいろいろ学ぶことができた。一つの拠点でこれだけ見学できるのは素晴らしい。鶴岡のシルクがエルメスを超える製品となることに期待している」と話していた。

 同日午後に山形市へ移動し、6日に米沢市を取材した後、本県を離れる予定という。

「サムライゆかりのシルク」の歴史や魅力に触れたMegumiさん(中央)=5日、シルクミライ館
「サムライゆかりのシルク」の歴史や魅力に触れたMegumiさん(中央)=5日、シルクミライ館


2024年(令和6年) 2月7日(水)付紙面より

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暖冬の影響 大自然で体感 一部凍った玉簾の滝に感嘆の声 動物の足跡見付けながら雪原散策

 酒田市升田の名瀑「玉簾(たますだれ)の滝」の氷結した姿などを楽しむトレッキングが4日、同市八幡地域で開かれた。今年は暖冬の影響で升田地区の積雪は約50センチ、日向地区の積雪は約30センチと、例年に比べかなり雪が少なく、滝の氷結も一部にしか見られなかったが、少雪の中でも参加者たちは雪原散策を楽しんだ。

 2000年に旧八幡町が主体となり設立したボランティアガイド組織「鳥海やわたインタープリター協会」(信夫効次会長)が主催。同協会は八幡地域の自然環境を紹介するツアーを季節ごとに企画しており、氷瀑トレッキングは冬の人気イベントとして例年2月上旬に開催している。

 この日はスタッフを含め、40―70代の男女23人が参加。升田地区の産直「ららら」の駐車場から10分ほど歩いて御嶽(みたけ)神社を抜けると、奥に大きなつららに囲まれた玉簾の滝が。冷え込みが少ない影響でつららがつながらず、滝の裏側が見える状態だったが、参加者たちは冬にしか見られない神秘的な滝の姿に感嘆の声を上げ、しきりにシャッターを切っていた。

 その後、旧日向小学校を活用した「日向里(にっこり)かふぇ」を経て北緯39度、東経140度が交わる「ポイントゼロ」へ。道中キツネ、カモシカ、ウサギ、リス、テンなどさまざまな動物の足跡が見られ、参加者たちは「カモシカは名前に『鹿』が付いているが偶蹄(ぐうてい)目で『牛』の仲間。ひづめの跡を見るとよく分かる」「リスは歩幅も足跡も小さく見落としがち。見つけられたのはラッキー」など信夫会長の解説を面白そうに聞いていた。

 約6・5キロ、約3時間のコースを歩き切り、ゴールの御滝(みたき)神社「不動の滝(開運出世の滝)」に到着。残念ながら不動の滝は氷瀑の様子が見られなかったが、参加者から充足感ある笑みがこぼれていた。参加した佐々木良子さん(76)=同市若宮町一丁目=は「初めて参加した。歩くコースもつらくなく、景色を楽しみながら歩けて良かった。滝も全部は凍っていなかったが、大きなつららの横を水が落ちていく様子は見応えがあった」と笑顔で話した。

 市八幡総合支所によると、玉簾の滝の遊歩道は冬期間、土日祝日に限り除雪されていることもあるが、積雪が多い日は雪で埋もれる可能性もあるため、長靴や雪用ブーツなどの準備が必要という。

一部氷結した玉簾の滝をバックに記念撮影
一部氷結した玉簾の滝をバックに記念撮影

棚田と日本海を眺望しながらポイントゼロを目指す参加者
棚田と日本海を眺望しながらポイントゼロを目指す参加者


2024年(令和6年) 2月7日(水)付紙面より

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障がいを体験的に学ぶ 鶴岡 中高生ボランティア交流会

 鶴岡市で活動する中学・高校生のボランティア団体が集う「高校生等ボランティア交流会in鶴岡」が4日、同市の第三学区コミュニティセンターで開かれ、活動紹介や障がいを理解する講座を受講するなどして学びを深めた。

 鶴岡市には生徒や学生が学校単位や地域単位で活動するボランティアサークルが約10団体あり、それぞれの活動や思いをお互いに知る機会とするとともに、地域共生社会の環境づくりにつなげようと、市社会福祉協議会が「障がい者サポートボランティア入門講座」として実施している。

 本年度は鶴岡南高校JRC部、鶴岡中央高校ボランティア・インターアクト部、加茂水産高校ボランティア部、鶴岡東高校奉仕部、羽黒高校インターアクトクラブ、藤島地域青少年ボランティアサークル「Ben,s」の6団体と関係者ら合わせて30人あまりが参加。各団体の活動報告の後、庄内花笠ほーぷ隊による出前講座「知的・発達障がいを理解する講座」を受講した。

 花笠ほーぷ隊は、知的・発達障がいのある家族がいる人や、活動に賛同する人たちで構成され、県内にメンバーがいる。障がいを正しく理解してもらうために疑似体験を取り入れた出前講座を行っている。

 配布した紙に絵を描く体験では、「サクランボ」や「ボール」のほかに、「ちょっと」や「ちゃんと」といった、絵では簡単に表せないお題もあり、隊員は「『コップにちょっと水を入れて』ではなく『ここまで水を入れて』と線を引いて示すなど、具体的な指示をしないと理解できないことが多い。また、たくさんの物が写っている画像を見せても、興味のある物にしか注意が向かない場合もある」と話し、知的・発達障がいは多様で人によって違うので、その人に合った対応が必要と呼び掛けていた。

言葉だけで指示された図形を一方が紙に書く体験などで知的・発達障がいを疑似体験する参加者
言葉だけで指示された図形を一方が紙に書く体験などで知的・発達障がいを疑似体験する参加者


2024年(令和6年) 2月7日(水)付紙面より

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笹巻は庄内が誇る伝統の食文化

 庄内は食の宝庫で、しかも多彩さの中に歴史も息づいていることを裏付けるようである。端午の節句になくてはならない食の「笹巻」。その「笹巻製造技術」を登録無形民俗文化財とするよう、国の文化審議会が文部科学大臣に答申した。2021年に新設された同民俗文化財に登録されれば東北地方で初となり、新しい庄内が誇る食文化になる。

 笹巻は草木の「灰汁(あく)」で煮て作るという独特な郷土食。灰の防腐効果や笹の殺菌性から戊辰戦争をきっかけに保存食にもなったとされる。そうした「発見・気づき」には、先人たちが経験則から学んだものであろう。笹巻はさまざまな笹の巻き方があり、芸術性も持ち合わせている。

     ◇       ◇

 笹巻は水に浸したもち米を水切りした後、笹の葉で包んでゆで上げる。同じ笹巻でありながら地域によって包み方の形状が異なる。「三角巻き」には、平たい巻き方や、三角すい形の「こぶし巻き(げんこつ巻きとも)」があり、遊佐町などでは月山筍を連想させる細長い円すい形の「たけのこ巻き」がある。灰汁で煮た鶴岡・田川の笹巻は黄色であめ色をしている。

 笹巻には、子どもの七つ祝いの際に特別に作られる大きな「祝巻き」もある。普通の笹巻では2枚ほど使う笹を、祝巻きは約40枚も使い、笹の葉を着物の襟を交互に重ね合わせるようにして巻く。三角すいだが、十二単を連想させるような豪華な作り。今では作られることはまれになったとされるが、昔はお祝いに来た客に、紅白の餅と一緒に持たせる習わしがあった。

 それにしても煮汁に灰汁を使うのは、独特の食文化なのであろうか。栃の実のあく抜きには、現在は苛性ソーダを用いることもあるが、庄内では灰汁を使うことが多い。自然の恵みから得た木灰を使うという、半ば原始的とも思えるところに昔からの知恵があり、伝統的な食文化を支えてきたことになる。「灰汁文化」とでも言うか、将来に大事に受け継いでいかなければならない。

     ◇       ◇

 以前、遊佐町で「笹巻きサミット」が開かれた。笹巻の伝統食を通して地元の食・産品の活用を図ろうとの狙いがあった。黒蜜やきな粉をかけて食べるのは素朴にも思えるが、それこそが郷土の味。

 笹巻は庄内の大事な郷土料理であり食文化。端午の節句の頃に作られる季節性に加え、高齢化や手作りの面倒さから存在感が薄れてきているのではないかと危惧されている。産直施設などで季節を問わず販売されているが、人々が多く買い求めることで郷土の食文化伝承を後押ししたい。そのためにも、ぜひ登録無形民俗文化財の指定を待ちたい。併せて、庄内が誇る伝統食を子どもの世代から将来へと伝えてもらうため、「笹巻給食があってもいいのでないか」とは、飛躍し過ぎた考えだろうか。

画像(JPEG)


2024年(令和6年) 2月7日(水)付紙面より

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魚のつかみ取りや多彩なイベント 庄内の食文化と庄内町の特産品をPR 寒鱈汁にも舌鼓

 庄内の食文化と庄内町の特産品などをPRするイベント「かんだら うん米 魚魚まつり」が4日、同町の道の駅しょうない風車市場で開かれ、親子連れらが魚のつかみ取りなどを楽しんだ。

 庄内を代表する冬の味覚である寒鱈(かんだら)汁や魚の魅力を感じてもらおうと、庄内浜文化伝道師協会(事務局・県庄内総合支庁水産振興課)と同町が共催した。今年で2回目。

 この日は午前10時の開会から大勢の行楽客が訪れた。会場では約300食分の寒鱈汁や、同町で毎年秋に開催している「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」の入賞米で作った塩むすびの販売、マダラの解体ショー、「ニジサクラ」や「ガッサーモン」のつかみ取りなど多彩な催しが繰り広げられた。このうち、魚のつかみ取りでは、いけすの中に約25センチの魚約100匹が放たれ、子どもたちや親子連れらが素足で水に入り、素手での魚取りに挑戦した。せっかくつかまえても滑って落としてしまう人などもおり、詰め掛けた観衆から歓声が上がった。参加した田澤侍河(じんが)君(7)=立川小1年=は「水が冷たく、魚の動きも速くて難しかった」などと話していた。

魚のつかみ取りに悪戦苦闘する子どもたち
魚のつかみ取りに悪戦苦闘する子どもたち



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