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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 6月1日(土)付紙面より

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SEADS鶴岡市の農業担い手育成学校 情報発信力向上へ 開校から5年 新プロジェクト始動

 鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS」(シーズ、同市千安京田)は29日、同市内における知名度アップと情報発信力強化を図る新プロジェクトを立ち上げ同日、同施設で「第 1 回SEADS情報発信力向上プロジェクト会議」を開催した。メンバーには農業者や行政改革推進員、地元農協関係者、修了生など 8 人を迎え、会議で情報発信の方法について意見を出してもらう。メンバーの助言、提言を基に市が施策を練り、地元での認知度向上に取り組む。

 開校から5年が経過し、これまで3期計20人の修了生を輩出したSEADSは、市が主導して多方面の機関と連携し農業人材の育成に取り組んでおり、新たな形の農業経営者育成施設として全国でも注目を集めている。その一方で地元での認知度は十分でないといった声が内部から上がっている。

 事務局を担当する市農政課は「行政のみでは視野の狭まりや観点の抜け落ちがあるのでは」と考え、さまざまな立場の有識者や地域農業者などから受けたアドバイスを基に、研修生のさらなる確保と新規就農者の増加につなげていく。

 この日、SEADSの施設内で委嘱状交付式が行われ、プロジェクトへの参加要請を受けた8人が皆川治市長から委嘱状を受け取った。皆川市長はあいさつの中で「農業に必要な要素として土地、資金、担い手の3つが挙げられる。担い手育成に取り組むSEADSは今後も研修生を確保し、修了後の地元定着を図らなくてはならない。そのためには情報発信が重要。会議で多くの意見を出してもらい、これに基づく施策をしっかりまとめていきたい」と協力を呼び掛けた。

 その後行われた第1回プロジェクト会議では、メンバーがそれぞれ自己紹介するとともに地域農業やSEADSの取り組みについて思いを述べ合った。この中で修了生から「研修だけでは知識や技術が足りないと、就農してから気付いた。研修生を増やすことは大事だが、就農してから経営に困る人が増えることのないよう意見を出したい」といった提言があった。

 また、情報発信力向上のため必要な手段について話し合い、「地元住民から『(SEADSは)どんなことをやっているのか分からない』という声も聞こえてくる。知ってもらうためには施設見学会や芋煮会、収穫祭、学校祭などのイベントが効果的では」、「情報発信の際、市のホームページだけでは広がりに欠く。JAなど連携している団体に協力を求めるべき」、「SEADSが求めるのは自立した就農者か、親元就農による地域農業の継承者の増加か、人口減少への対応策として移住者をメインとするのか。ターゲットは絞った方が良い」などと盛んに意見を交わしていた。

 プロジェクトは2025年度までの2年間。本年度は11月に活動の実施状況を振り返り、改善点や新たな取り組みを検討する。それまでの間、随時メンバーが集まりSEADS研修生と交流しながら情報発信について意見を出し合う。

 メンバーは次の通り。

 ▽有識者など=佐藤龍一(プロジェクトリーダー、元SEADS関係者、農業者)、齋藤聡(渡前地区自治振興会事務局長)▽行政改革推進員=富樫あい子、宮城妙▽農業者関連=小笠原隆道(JA鶴岡青年部委員長)、高橋誠(JA庄内たがわ青年部長)▽SEADS修了生=冨樫英司(第1期)、青木麻衣(第2期)

SEADS情報発信力向上プロジェクトがスタート。メンバーが地元での認知度アップのため意見を出し合った
SEADS情報発信力向上プロジェクトがスタート。メンバーが地元での認知度アップのため意見を出し合った


2024年(令和6年) 6月1日(土)付紙面より

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ローカル線で温泉地巡り いやし旅鶴岡ロケ収録 鶴岡出身者が番組制作

 スカパーと地上波で放送を予定するテレビ番組「湯めぐり鉄道~温泉といやしの旅~」の収録が29、30の両日、鶴岡市で行われた。シンガーソングライターで温泉レポーターを務める立石純子さん(37)=サンミュージック所属=が、鶴岡カトリック教会や富樫ろうそく店、湯田川温泉を訪ね鶴岡の魅力を紹介した。

 「鉄道と温泉の魅力」をテーマに国内の温泉地をローカル線で巡る旅番組。鶴岡市出身で番組制作会社「エス・フィールド」(東京都)の齋藤有三社長(75)が「生まれ育った鶴岡で番組を作りたい」とロケ地に選んだ。

 一行は齋藤社長と立石さん、カメラマンら合わせて6人。29日午後、JR鶴岡駅に到着した一行は1913(大正2)年創業の「東京庵」で名物のかつ丼を食べた後、鶴岡公園の大寶館や荘内神社でカメラを回した。

 鶴岡カトリック教会天主堂(国指定重要文化財)では立石さんが、03(明治36)年にフランスの修道院から寄贈され、国内には1体しかない貴重な「黒い聖母マリア像」を紹介。富樫ろうそく店では鶴岡の伝統工芸品「絵ろうそく」の絵付け体験にチャレンジした。

 その後、宿泊地の湯田川温泉に向かい、孟宗(もうそう)を使った郷土料理や老舗居酒屋の人気店「焼きとりひで」で串焼きを楽しむ場面、早朝の露天風呂シーンをカメラに収めた。収録の合間に立石さんは「鶴岡に来たのは初めて。駅のホームに降り立った瞬間、私を受け入れてくれているような温かさを感じた。仕事とはいえプライベート感覚みたいにワクワクとした気持ちになる」と鶴岡の印象を笑顔で話した。

 齋藤社長は「楽しさがあふれる番組を通じて鶴岡の魅力を伝えたい。テレビを見た全国の人たちが一人でも多く、この地に来てもらえればうれしい」と語った。

 全国を巡る全13話の各30分番組。7月にスカパー!プレミアムch.546「鉄道チャンネル」で放送した後、地上波でも予定する。

鶴岡カトリック教会天主堂で収録する立石さんらとスタッフ=29日
鶴岡カトリック教会天主堂で収録する立石さんらとスタッフ=29日

富樫ろうそく店では同店の黒井朋美さん(右)のアドバイスを受け「絵付け体験」にチャレンジ=29日
富樫ろうそく店では同店の黒井朋美さん(右)のアドバイスを受け「絵付け体験」にチャレンジ=29日


2024年(令和6年) 6月1日(土)付紙面より

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いろは蔵パークで活力の創出を

 酒田市上本町の酒田商業高校跡地に、来年春オープンする新しい商業施設の名称が「いろは蔵パーク」と決まった。江戸時代に庄内藩が創建し、明治期以降は本間家が引き継いだ米蔵、「通称・いろは蔵」にちなんだ。観光名所「山居倉庫」に隣接していることで、相乗効果による新しい活力とにぎわい創出に寄せる期待は大きい。

 新施設の名称公表に合わせて、施設を象徴するロゴも示された。デザインは旧商業高校を100年余も見守り続け、学校のシンボルになってきた大ケヤキをメインに鳥と風を、色とりどりにあしらっている。6月中に建物建設に着工し、新しい酒田のまちづくりを目指す。

     ◇       ◇

 旧商業高校跡地(市有地)の広さは2万1376平方メートル。商業施設整備事業を手掛ける目的会社「いろは蔵パーク」が定期借地権契約の形で貸与を受けて開発を手掛ける。いずれも平屋建てのA棟(4316平方メートル)、B棟(2944平方メートル)を建設。出店テナントは現時点で▽酒田市のスーパーマーケット「ト一屋」▽生活雑貨の「無印良品」▽酒田観光物産館(仮称)▽山形飛鳥(酒田市)が運営するレストラン―のほか、輸入食品関係の会社なども入居する。さらなる出店は今後決まる予定だ。

 100年余も旧酒田商業高の卒業生を見守ってきたケヤキを、そのまま新施設のシンボルに据えたのは、これまで受け継がれてきた歴史を、さらに将来に伝え残すことで、市の活性化にもつなげたいという思いが込められているからではないか。市もこれまでケヤキの保全に取り組んできた。

 新施設には新井田川の新内橋を隔て山居倉庫が隣接している。山居倉庫の道路向かいの旧消防本署跡地には、移住とまちづくりを目指す地域交流拠点形成事業「TOCHiTO(とちと)」がある。ほかにも豪商の本間家旧本邸、北国一の回船問屋と称された旧鐙屋、酒田町奉行所跡などが徒歩圏内にある。観光・商業・文化が集積した地域としてより充実し、酒田を活性化させることになる。

     ◇       ◇

 いろは蔵パークという名称からは、酒田が北前船寄港地として港町文化が栄え、本間家が日本一の豪商として知られたことなど、酒田の文化と歴史を、そのまま物語るようなイメージが感じられる。いろは蔵パークと山居倉庫を起点として市内巡りをする。回遊性を持たせることで市内の魅力発見にもつながる。

 旧酒田商業高から、創立以来送り出された多士済々によって、酒田の産業や文化が支えられてきた。そうした歴史を引き継ぐように、高校跡地を活用したいろは蔵パークには、酒田の経済的な活力を生み出す新たな拠点になってもらいたい。そうなるためには、大勢の市民が足を運び新施設を育てていくことも大事になってくる。

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2024年(令和6年) 6月1日(土)付紙面より

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運動会で国際交流にぎやかに 鶴岡市の田川地区 11カ国50人の外国人チーム楽しく参戦 “日本流”満喫 賞品に大喜び

 鶴岡市田川地区の「第69回大運動会」が26日、田川地区コミュニティセンター(旧田川小学校)グラウンドで開かれ、集落単位のチームに交じって今年も「国際村」チームの外国人50人が参加した。ユニークな競技がある日本流の運動会を楽しんだほか、運動会後の集落ごとの「反省会」にも参加し、地域の国際交流の輪を広げた。

 外国出身者向けに日本語教室を開講している同市の出羽庄内国際交流財団に働き掛け、2017年度から住民運動会に招いている。5回目の“参戦”で、留学生や企業の技能実習生ら中国やフィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、ベルギー、オランダ、ブラジルなど11カ国の国際色豊かなチーム編成。借り物競走や玉入れ、綱引き、長縄跳び、混合リレーなどの競技に住民チームと競い合った。結果は参加9チーム中の9位となったものの、みんなが和気あいあいと日本流運動会を満喫し、対抗戦種目では上位に入って賞品を手にして大喜び。中国料理やインドネシア料理も出店し、地元住民を楽しませた。夜の反省会には4つの集落に計10人が参加。昨年に続いて同じ集落の反省会に顔を出した人もいて、互いの健闘をたたえながら地元の料理を堪能し、地域ならではの草の根の国際交流を繰り広げた。

 大会会長を務めた田川地区自治振興会の三浦総一郎会長は「国際村チームは昨年より多い50人の参加で、開会式の入場行進は国際色豊かで壮観だった。回を重ねるごとに住民との交流が深まり、歓声を上げて喜ぶ姿が地域を元気づけてくれる。来年以降もぜひ続けていきたい」と話した。

玉入れなど日本流の運動会を楽しんだ「国際村」チームのメンバー
玉入れなど日本流の運動会を楽しんだ「国際村」チームのメンバー

上位入賞の賞品を手に笑顔が広がった
上位入賞の賞品を手に笑顔が広がった


2024年(令和6年) 6月1日(土)付紙面より

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幕末の志士 清河八郎の遺徳しのぶ 庄内町・清河神社例大祭

 幕末の志士・清河八郎(1830―63)を祭る庄内町清川の清河神社(正木尚文宮司)で30日、例大祭が行われ、神社役員や関係者が八郎の遺徳をしのんだ。

 八郎は天保元年10月10日、出羽国田川郡清川村(現・庄内町)に生まれた。幕末の激動期、諸外国から日本を守るため、対等な立場で交易を進めるべきと考え、横浜の外国人居留地の焼き打ちを決行するなど尊王攘夷運動を推進。そうした行動が仇(あだ)となり34歳の若さで幕府側の刺客に暗殺された。八郎が組織した浪士組を母体に、会津藩による京都警護の「新選組」、庄内藩による江戸警護の「新徴組」が誕生している。

 清河神社は1908(明治41)年、八郎に正四位が贈られたのを機に33(昭和8)年に建立された。同神社の例大祭は八郎の祥月命日である毎年5月30日に行われている。

 この日の例大祭には関係者ら約60人が参列。八郎が作った和歌の奉吟や、玉串拝礼が行われ、参列者が八郎の遺徳をしのんだ。正木宮司は「昔は清河神社ではなく、『八郎様』と言っていた。子どもたちの遊び場であり、よりどころだった。今後も子どもたちをはじめ、多くの人に八郎様を伝えていきたい」などと講話した。

清河八郎の遺徳をしのぶ参列者ら
清河八郎の遺徳をしのぶ参列者ら



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