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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 6月8日(土)付紙面より

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サクランボ皮切りにシーズンイン 鶴岡 「くしびき観光果樹園」開所

 鶴岡市の「くしびき観光果樹園」が、サクランボを皮切りにシーズンインした。西荒屋の産直あぐりで7日、観光果樹園紹介所の開所式が行われ、櫛引観光協会の安野良明会長が「今年も『フルーツの里くしびき』を広くアピールしたい」と語った。櫛引地域にある8つの観光果樹園ではシーズン中、ブドウやナシ、リンゴのもぎ取りが楽しめる。

 産直あぐり内にある紹介所は例年通り6月から10月まで開設し、行楽客に各観光果樹園をPRしている。開所式には紹介所を運営する櫛引観光協会の関係者ら合わせて約20人が出席し収穫期を迎えたサクランボの作柄状況を紹介した。この後、地元・くしびき南部保育園の園児が元気いっぱい踊りを披露。集まった参加者の笑顔を誘った。園児たちは西荒屋の「フルーツハウス鈴木」で鮮やかに実った「紅さやか」や「紅ゆたか」「佐藤錦」といったサクランボのもぎ取りも楽しんだ。

 フルーツハウス鈴木の鈴木光秀さん(62)は「例年、隣県をはじめ首都圏の観光ツアー客、遠くは九州から来てくれるお客さんもいる。昨夏の高温少雨の影響で双子果や割れが見受けられるが、総体的に作柄は平年並み。県内外から訪れる行楽客にみずみずしいサクランボのおいしさを伝えたい」と話した。くしびき観光果樹園は次の通り。

 ▽さくらん坊やの鈴木さくらんぼ園=電080(6649)4715▽平藤隆農園=電090(2369)5607▽佐久間利兵衛観光農園=電090(5182)5817▽カラフルぶどう園=電090(3369)8447▽長南農園=電090(1938)4247▽フルーツハウス鈴木=電090(8787)9028▽佐久間ファーム=電080(1843)9275▽安野りんご園=電090(1806)5720

サクランボのもぎ取りを楽しむ園児=フルーツハウス鈴木
サクランボのもぎ取りを楽しむ園児=フルーツハウス鈴木


2024年(令和6年) 6月8日(土)付紙面より

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つながり創出拠点 クラッセ喫茶コーナー 庄内町の障害者福祉3事業所開設

 庄内町の新産業創造館クラッセのアンテナレストランスペースに、今月3日から町内の障害者福祉サービス事業所で手作りしたケーキやプリンを販売する「喫茶コーナー」がオープンしている。同事業所利用者が接客も担当し、接客する利用者も「お客さんと触れ合うのは楽しい」と手応えを感じている。

 同施設内「食のアンテナレストランスペース」を活用し、交流イベントの開催や創業支援、チャレンジ食堂など同町が進める「つながり創出拠点『マチバ』事業」の一環。同事業所の商品PRや利用者の社会参画などを目的に、町社会福祉協議会(奥山賢一会長)が取りまとめ役を務め、町内の就労施設みなみ(庄司武晴代表)、自立訓練事業所yao8(佐藤佳範代表)、障害者多機能型施設ひまわり園(高橋克幸園長)の3施設が参加した。

 喫茶コーナーは毎週月―木曜日の午前10時―正午開設。ゆったりとコーヒーなどの飲み物が楽しめるほか、地元食材などを使い、3施設が製造しているラズベリーやマンゴー、チョコレートなどの手作りプリン、米粉のシフォンケーキ、カップタイプのサラダうどん、手作り野菜、コーヒーロールなど約10種類のスイーツや野菜を販売。接客も3施設の利用者4―5人が日替わりで務める。

 このうち、5日にはひまわり園やyao8の利用者が、手作りプリンなどを笑顔で客に手渡すなどしていた。接客に当たったひまわり園の30代女性利用者は「商品の出し入れやお客さんへの手渡しなどとても楽しい」、yao8の10代女性利用者は「レストランスペースでの販売は初めてなので少し緊張するが、お客さんと触れ合うのは自分にとってとても良いこと」とそれぞれ手応えを話した。また、県の就労継続支援事業所利用者平均工賃(賃金)月額は2022年実績では全国と比べてもかなり低く、みなみを運営する翔陽会の庄司佳寿事務長は「施設側としてもチャンスと捉え、サービスを広げていきたい」と工賃アップにもつなげたい考えだ。

 奥山会長は「将来的には庄内町だけでなく他市町の施設の商品も取り扱うことができれば」と期待を述べた。利用者の体調などを優先するため喫茶コーナーは休む場合があるという。実施状況などの問い合わせは町商工観光課商工労働係=電0234(42)0138=へ。

接客に当たる女性利用者(左)
接客に当たる女性利用者(左)


2024年(令和6年) 6月8日(土)付紙面より

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蚕の仕分け作業省力化 AI学習モデル用いる 鶴岡工業高のグループ

 春蚕飼育キットの配布が始まった鶴岡市羽黒町の国指定史跡「松ケ岡開墾場」三番蚕室で6日、鶴岡工業高校の3年生5人が、AI(人工知能)を用いて蚕の仕分け作業の省力化を図る実践を行った。

 同校では3年生が年間を通して課題研究に取り組んでおり、週1回5時間の授業を行っている。このうち、今春の卒業生1グループが養蚕を通して地域の産業や歴史を理解しようと、AIを用いて蚕を認識するオリジナル学習モデルを作成。本年度、「AIの顔認証システムを用いた出席確認」の研究に取り組んでいる情報通信科3年の1グループがその学習モデルを使い、まずは蚕の頭数を正確に数えることができるかなどを実践し、課題を探った。同科ではグループが7つあるが、AIを使った研究をしているのは、この5人のグループだけだという。

 三番蚕室「おカイコさまの蔵」に事務所を持つ松ケ岡産業では、毎年6月と9月に蚕の飼育の様子を一般公開するとともに、市内外の学校や幼稚園などに春蚕の飼育キットを配布している。本年度は52施設が体験する。同校も8ケース譲り受けて飼育することにしており、この日は受け取りを兼ねて、ウェブカメラとシングルボードコンピューターなどからなる学習モデルを作動させた。

 仕分けでは、蚕室で2―3センチほどに育った4齢の蚕を、桑の葉ごとに発泡スチロールの箱に30頭ずつ入れ、ウェブカメラで画像を読み込んだところ、ピントが合わないと正確に数が読み取れなかったり、読める範囲が狭いため、分割して取り込まなければならないことが分かった。また、読み取りの精度も60%ほどだった。指導した同科の日向洋伸教諭(40)によると、昨年度は4回脱皮した7センチほどになる5齢の蚕で設定したため、誤差が生じたのではないかという。グループのリーダーの大滝空さん(18)は「機械の使い方を知ることができて重要な学びになった。これからはAI関連がないと生きていけないので、さらに研究していきたい」と話した。

 今後は、カメラをより精度の高いものにするなど学習モデルに改良を加え、秋蚕の時期に蚕室を訪れて再度読み込みに挑戦するという。さらに、画像から蚕の成長度合いやふんを捨てるタイミングなどを読み取れるようになることを目指し、最終的にクラスの仲間の顔認証に結び付けることにしている。

AIを用いた学習モデルを使って蚕の頭数を調べる鶴岡工業高の生徒
AIを用いた学習モデルを使って蚕の頭数を調べる鶴岡工業高の生徒


2024年(令和6年) 6月8日(土)付紙面より

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三大祭りは郷土を知る学びの場

 「酒田まつり」「鶴岡天神祭」「大山犬祭り」の庄内三大祭りが終わった。今年は3つの祭りとも神事の中に華やかさを演出するイベントもあった。大勢の子どもが祭りに参加して学校では得られない体験をした。併せて地域を見つめ直し、郷土愛も育まれたのではないか。

 鶴岡天神祭では、新型コロナ感染症の影響で中止になっていた「化けもの」による見物客への酒などの振る舞いも復活。いつもながらの光景が戻ったことで「これがあってこそ本来の祭り」との声も聞かれた。いつの時代になっても、伝統は新鮮さを秘めているということになる。

◇      ◇

 天神祭の前夜祭は高校生が太鼓や吹奏楽演奏で祭り気分を盛り上げた。小学校では祭りの歴史や化けもののいわれを学ぶ出前講座もあった。九州太宰府に配流された学問の神様・菅原道真公を、老若男女が編み笠で顔を隠し、長じゅばんを着て、誰であるか分からないように変装して別れを惜しんだとのいわれがある「みちのくの奇祭」と称されることを、初めて知った子どももいたことだろう。

 酒田まつりでは、酒田の開祖とされる「徳尼公と酒田三十六人衆」に焦点を当てた、酒田時代行列があった。奥州平泉から逃れて来た徳尼公一行が、酒田のまちづくりの礎になり、京文化は酒田港から最上川をさかのぼって平泉に入ったとの説もある。そうした歴史の流れを時代行列を通じて視覚から学んだのは、祭りならではの演出効果であろう。大山の犬祭りは、あくまでも伝説だが、代々受け継がれてきたことを大事に守る。子どもたちも「犬みこし」を引き、「奴(やっこ)振り」を演じて参加した。

 今年の天神祭では、羽越本線全線開通100周年(7月31日)などを記念、航空自衛隊のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行があった。酒田まつりでは子どもに大人気の、東京ディズニーリゾートスペシャルパレードで、ミッキーマウスらのキャラクターが愛嬌(あいきょう)を振りまき、大勢の目を楽しませた。

◇      ◇

 祭りはその土地の神事などに由来する人々の心のよりどころであり、地域がまとまる絆にもなる。子どもたちは多彩なイベントや出店を見て回ることに心を弾ませる。祭りが世代を超えて受け継がれてきたのは、見て参加した記憶が子どもの心にいつまでも刻み込まれているからではないだろうか。

 両方の手と指を駆使して楽しむゲーム全盛の時代である。言ってみれば“孤独の中での遊び”ということに。しかし、多勢の協力がなければ成り立たない祭りは、人の心を結び付ける好機であり、地域を見つめ直すことで、郷土愛も育まれる。学校を離れた場での体験を通じて、心の成長にもつながる。少子化という困った現象もあるが、いつまでも「祭りは地域の宝」としていかねばならない。

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2024年(令和6年) 6月8日(土)付紙面より

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きれいな海岸で海水浴楽しく 遊佐町西浜 小中高生ら合同漂着ごみ拾い

 海水浴シーズンを前に遊佐町の西浜海岸で6日、「遊佐町小中高合同海岸清掃」が行われ、児童、生徒らが協力して漂着ごみを拾い集めた。

 合同海岸清掃は、同町の児童生徒に海洋ごみなどの環境問題について理解を深めてもらうとともに、地域活動への当事者意識を持ってもらおうと町教育委員会が主催して開催。これまで中高連携で行っていたが、昨年から小中高連携事業として実施している。

 この日は遊佐小6年生79人、遊佐中1年生79人、遊佐高1年生18人と漂着ごみ問題に取り組むNPO法人・パートナーシップオフィス、鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会など関係団体から計約220人が参加。児童生徒らは初めにパートナーシップオフィスの担当者から「海のごみは冬の間に流れ着く。外国から出たものも多く、どこからのごみなのか考えながら拾ってほしい」などと説明を受けた後、約20人ずつ小、中、高校混合の10班に分かれ、砂浜約200メートル区間でごみを拾い集めた。海岸には漁網や発泡スチロール、プラスチック片のほか約3メートルのパイプなども打ち上げられていて、参加者は「少しでもごみがなくなるように頑張って拾いたい」などと話しながら汗を流していた。約1時間の作業で195袋分のごみを回収した。

西浜海岸で清掃活動を行う児童生徒ら
西浜海岸で清掃活動を行う児童生徒ら



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