2017年(平成29年) 3月11日(土)付紙面より
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庄内町と友好町・南三陸町(宮城県)をつなぐ“ワカメ献立”が8、9の両日、庄内町の各小中学校の給食に登場した。2011年の東日本大震災発生時、毎日のように庄内町から支援物資が届けられたことに対し、南三陸町の漁業者が「お礼がしたい」と翌12年から毎年贈ってくるもの。児童たちが「シャキシャキしていておいしい」と南三陸町産のワカメを頬張った。
両町の交流は合併前から続いている。小学生の体験交流事業などをきっかけに1999年、旧立川町と旧歌津町が友好町の盟約を締結。それぞれ合併で2005年に立川町が庄内町に、06年に歌津町が南三陸町となって以降、あらためて両町で友好町盟約を締結し、災害時における相互応援協定なども結んだ。
東日本大震災の翌年、南三陸町歌津漁協の漁業者が修復した施設で栽培したワカメを庄内町へ届けた。これをきっかけに「庄内町PTA主催わかめ交流事業」がスタート。以来、毎年11月に庄内町の小中学生と保護者、教員約50人が南三陸町を訪れてワカメの種付けを教わるなど交流が続いている。
庄内町の5小学校2中学校でワカメ献立は年間数回、給食のメニューに上がる。このうち同町払田の余目二小(齋藤直英校長、児童211人)では9日にワカメ献立が給食に登場。今回はワカメとツナのあえ物で、児童たちは「いただきます」の合図とともにワカメを頬張った。中には他のおかずに手を付ける前にあえ物を平らげる子どももいた。
交流事業で南三陸町に2年連続で訪れたという6年で運営委員長の佐々木春瑠(はる)君(12)は「いつも食べているワカメと違って、とてもシャキシャキしていておいしい。南三陸町の皆さんに感謝しながら食べている」と語り、「幼稚園児だったので震災の当時のことはほとんど覚えていないが、被害の状況など南三陸町でいろいろ学んだ。いつまでも覚えていなければならないと思う」と話していた。