2019年(平成31年) 3月30日(土)付紙面より
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水稲の大品種「亀ノ尾」の生みの親、阿部亀治翁(1868―1928年)の生誕150年を記念した記念誌がこのほど発行された。亀治翁の功績をはじめ、「亀ノ尾」への地域の思いなどが記された貴重な資料で、町立図書館などで閲覧できる。
亀治翁は1893年、旧立谷沢村の熊谷神社周辺で原種を発見し、改良を重ねて「亀ノ尾」を生み出した。良食味で虫害、冷害に強く、昭和初期まで東北地方の主力品種として広く栽培され、ササニシキやコシヒカリなど良質米のルーツで、現在は酒造好適米としての需要もある。
記念誌は阿部亀治翁顕彰会(会長・原田眞樹庄内町町長)を中心につくる「阿部亀治翁生誕百五十周年記念事業実行委員会」が亀治翁の孫、谷内昭治氏(札幌市)からの寄付金を活用して作成。昨年7月ごろから作り始め、今年3月25日に完成した。顕彰祭事業の経過や「亀の尾サミット」「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」の開催など「亀ノ尾」にまつわる各種行事、頌徳碑周辺整備工事や生誕150周年記念顕彰祭の様子を紹介する写真、生誕50周年の際に作られた「阿部亀治翁業績」復刻版などが掲載されている。
実行委員会代表の中村準一さん(69)は「たくさんの人のつながりのおかげで完成した。図書館などに置いてあるので多くの人に読んでもらえれば」と話している。A4判。150部印刷。非売品。寄稿者や亀治の出身地である小出新田の住民に配布されるほか、町立図書館で閲覧できる。