2018年(平成30年) 10月30日(火)付紙面より
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庄内三十三観音信仰や羽黒修験道について学ぶ「出羽庄内の精神文化シンポジウム―現代に受け継がれる出羽三山信仰」が28日、鶴岡市羽黒町手向のいでは文化記念館で開かれた。山伏修行のドキュメンタリー映画上映、羽黒修験の持つ現代的な意義を探るパネルディスカッションなどが行われた。
庄内三十三観音の御開帳(31日まで)と、いでは文化記念館での企画展「観音様と羽黒山」開催(11月26日まで)に合わせ、庄内伝統文化魅力発信事業として県庄内総合支庁主催、庄内5市町と羽黒町観光協会の共催で開いた。
この日は約100人が来場。山形大農学部の岩鼻通明教授の「出羽三山参りと西国巡礼」と題した講演、羽黒山荒澤寺正善院(島津弘海住職)の山伏修行・秋の峰を記録した北村皆雄監督によるドキュメンタリー映画「修験羽黒山秋の峰」(2005年制作)のダイジェスト版の上映と続いた。
その後のパネルディスカッションでは、岩鼻教授をコーディネーターに北村監督と島津住職の2人をパネリストに「庄内三十三観音と修験道」のテーマで実施。ドキュメンタリー映画撮影のエピソードや廃仏毀釈(きしゃく)で大きな影響を受けた中で修験が受け継がれてきた背景、東北など広い範囲の伝統芸能に羽黒修験が与えた影響、庄内三十三観音の発起人である羽黒山荒澤寺の経堂院東水和尚などについて触れた。修験の現代的な意義について北村監督は「自然の中に自己を投影し、自然を自らに取り込むところに修験の本質があるのでは。草木大地あらゆるものに仏性があるという思想に、今日的な意義のヒントを感じる」などと語った。
2018年(平成30年) 10月30日(火)付紙面より
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「菓子」をテーマにした駅前活性化イベント「鶴お菓子まつり」が27日、鶴岡市の鶴岡食文化市場FOODEVERなどで行われ、高校生による地元食材を使った創作菓子コンテスト「鶴お菓子甲子園」や、駅前クイズラリーなどでにぎわった。
メーンイベントの一つでFOODEVERを会場に開かれた「鶴お菓子甲子園」では、鶴岡南、鶴岡中央、庄内農業の3校から計6チームが出場。「庄内の食文化をPRする」をコンセプトに、庄内柿やズイキイモ、つや姫米粉、もってのほか菊、だだちゃ豆、スイオウ、月山ワインなど地元食材を組み合わせて考案したオリジナルの和洋菓子をプレゼンした。
審査員が試食した上で、鶴岡南高校のいずれも1年生、鈴木柚さん(15)、松浦美月さん(15)、徳田朱音さん(16)のチームによる、もってのほか菊、ラ・フランス、イチジクを使った「もってのほかムース」が最優秀賞に輝いた。「海、山の豊かな鶴岡の食の魅力をあらためて実感した」「食のPRに少しでも貢献できたのでは」などと喜んだ。
イベントは、文部科学省スーパーサイエンスハイスクール指定の県立鶴岡南高校の「鶴南ゼミ」の一環で鶴岡駅前活性化と有効活用について研究する同校2年生5人と、鶴岡駅前商店街振興組合との共催事業として今回初めて開催した。
メンバーの安野ななみさん(16)は「無事に終えてほっとしている。アンケートも取っているので、引き続き駅前有効活用のヒントを探りたい」と話した。