2020年(令和2年) 2月11日(火)付紙面より
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酒田市升田の大台野集落で8日、「日向ささえあい除雪ボランティア」が行われ、県内外のボランティアが独居老人宅などで除雪を行った。
日向コミュニティ振興会(小松幸雄会長)が中心となり、住民が地域課題を主体的に解決していく「地域支え合い活動」の一環で2012年度から年1、2回実施している。本年度は当初、先月25日とこの日の2回計画していたが、記録的な少雪のため初回は中止。この日も本来は3集落で計画していたが、最も奥まった大台野のみで実施した。東京都や千葉県、鶴岡市などを含めボランティア24人が参加した。
大台野では例年この時期、積雪が2、3メートルに達しているが、この日は同50センチほどで、「2、3日前まで雪はほとんどなく、水道の検針もできた。ここに嫁いで60年以上になるが、こんなに雪のない年は初めて」(住民)という状況。それでも軒下には屋根から落ちた雪が1メートル以上の高さになり、玄関への道が埋まっている家も。参加者たちはスコップやスノーダンプを使い、手際良く雪を取り除いていた。
昨年に続き2回目の参加という千葉県館山市の臨時公務員、小澤等さん(65)は「定年を機にボランティアに積極的に参加するようにしている。昨秋の台風で地元が被害を受けた際、全国のボランティアの支援を受けたので、今回はそのお礼の思いも込めて参加した。ここは住民との触れ合いも楽しく、来年以降も参加したい」と話した。
終了後は日向コミュニティセンターに移動し、住民たちと昼食を食べながら交流した。日向コミュニティ振興会は、除雪ボランティアを含む地域支え合い活動が評価され先月、本年度の総務省「ふるさとづくり大賞」総務大臣表彰を受賞している。
2020年(令和2年) 2月11日(火)付紙面より
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昨年6月の本県沖地震で酒蔵などが被災した鶴岡市大山地区で8日、「第25回大山新酒・酒蔵まつり」が行われた。応援消費や復旧の多くの支援を受けた4酒蔵は、感謝を込めて仕込んだ新酒で歓迎。県内外から訪れた日本酒ファン3300人超を喜ばせた。
酒どころ大山のPRとともに地酒の消費拡大、地域振興や交流人口の増加につなげようと、地元を中心とした実行委員会が1996年から行っている人気イベント。今年で25回目。
天候に恵まれたこの日正午近くになると、街中にはしっかりと着込んだ酒蔵巡りの客たちが大勢繰り出した。羽根田酒造(白梅)、渡會本店(出羽ノ雪)、冨士酒造(栄光冨士)、加藤嘉八郎酒造(大山)の4つの酒蔵の前には入場待ちで長蛇の列をつくったが、購入したばかりの酒瓶をその場で知り合った客同士で勧め合うなど終始陽気。酒蔵内では順路の右から左から次々つがれる自慢の逸品を堪能した。
友人たちを連れて来た庄内町の50代女性は「毎年来ている。お酒との出合いもあるし、並んでいても交流が楽しめるのが魅力。地震があったのに今年も変わらず開催してもらって良かった。1軒目だからまだまだ頑張ります」と張り切っていた。
いずれも酒造りに影響のないところまで復旧したというが、外壁など建物全体の3割ほどが未補修のところもある。各酒造の代表や担当者は支援への感謝を口にし、「おかげで例年並みの酒造りができた」(白梅)、「冬は2週間ほど早く仕込み始め、順調」(出羽ノ雪)、「例年以上に力を込めた自信作ができた」(栄光冨士)、「今年もいい酒ができた。4蔵欠けずに今日を迎えられて良かった」(大山)とそれぞれ話していた。