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荘内日報ニュース


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2020年(令和2年) 2月12日(水)付紙面より

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荘内病院「緩和ケア病床」開設 庄内で初 専従医師と認定看護師対応

 鶴岡市立荘内病院は、終末期のがん患者の心身の痛みを和らげ、患者や家族の希望に沿った療養環境を提供することを目的にした「緩和ケア病床」を3月に、庄内地域の医療機関で初めて開設する。専従の緩和ケア医師や緩和ケア認定看護師らを中心にしたスタッフで診療やケアに当たり、地域の在宅療養も支援するもので、鈴木聡院長は「地域医療の中核を担う病院として、終末期の在宅療養を行っている人たちがいつでも入院できるという安心感につなげたい」と話している。

 緩和ケア病床は、一般病床511床のうち7階東入院棟の個室4床に開設する。各診療科の入院棟で治療を受けている終末期の患者に対し、ゆったりとして静かで、精神的にもリラックスできる環境を整え、より緩和ケアに特化した診療、細やかなケアを提供する。家族の面会時間に制限を設けず、個室利用料も原則として徴収しない。

 専門知識を持ち研修を重ねてきた専従の医師、認定看護師に加え、薬剤師や理学療法士、栄養士らがチームを組み、主治医と連携して対応する。緩和ケア病床は患者本人や家族の希望に基づいて運用する。

 荘内病院は2008年度から3年間、全国4地域の1つとして鶴岡・三川地域を対象に実践された厚生労働省の戦略研究「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」に参画。その後も鶴岡地区医師会などと連携して緩和ケアの普及に力を入れ、患者が希望する療養場所で最期を迎えられるよう、終末期の在宅療養もサポートしてきた。

 そうした取り組みの結果、病室ではなく、自宅で最期を迎えるがん患者の在宅死亡率が07年の5・7%から16年には15・3%に大幅に上昇した。

 一方で、依然として8割ほどは病院で最期を迎えており、地域住民からの要望もあり、緩和ケア病床を設けることにした。緩和ケア病床は、県内では既に県立中央病院(山形市)が15床、県立河北病院(河北町)が20床、三友堂病院(米沢市)が12床を設けている。

 荘内病院の緩和ケア病床では、在宅療養に向けて体調を整えたり、在宅で病状の急変や療養が困難になった場合などでの一時利用も想定する。鈴木院長は「地域の中核医療機関として終末期の療養場所の選択肢を増やしたい。在宅でも、病院でも患者さんや家族が希望する場所で充実した療養生活を送ってもらえるようにしていきたい」と話している。

3月からの緩和ケア病床開設に向け、スタッフと打ち合わせする鈴木院長(右)
3月からの緩和ケア病床開設に向け、スタッフと打ち合わせする鈴木院長(右)


2020年(令和2年) 2月12日(水)付紙面より

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豊作願い なし団子作り 酒田市・旧阿部家伝統の小正月行事

 酒田市山元の「旧阿部家」(市指定文化財)で11日、恒例の小正月行事が行われ、市内の親子連れが豊作を願う「なし団子」作りなど伝統行事を体験し、昔の暮らしに触れた。

 旧阿部家は江戸・元禄3(1690)年に建てられた肝煎(庄屋)の住宅で、1984年に旧平田町の文化財に指定された。小正月行事は、地元住民でつくる「旧阿部家の四季を楽しむ会」(長谷部善也会長)が86年から毎年実施。35回目の今年は市内の親子連れ約40人が参加した。

 参加者は初めに、土間で餅つきを体験。「よいしょ、よいしょ」と掛け声とともにきねと臼で餅をついた。引き続き座敷に移動し、ついた紅白餅を団子にし、豊作を願ってミズキの枝に付ける「なし団子」を作った。

 初めて参加したという浜田小6年の高橋ももさん(12)は「普段は体験できないこと。地域や日本の歴史、伝統を感じることができた」と感想。庄内地方が好きで約40年にわたりこの時期、庄内旅行に訪れているという岡山県倉敷市の無職、三寺徹さん(63)は「倉敷は干拓のまちなので、伝統があるようでない。最近は観光客が増え、昔と変わってしまったものも多い。庄内は豊かな自然や古い建物、古い伝統行事が豊富で、全てが魅力的。大切にしてほしい」と話した。餅は雑煮にして会食。そのほか、稲わらと豆殻を雪に植える予祝行事「雪中田植え」、無病息災を願う「廿日(はつか)灸」、雪遊びなどを楽しんだ。

真剣な表情で「なし団子」を作る子どもたち
真剣な表情で「なし団子」を作る子どもたち



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