2021年(令和3年) 10月28日(木)付紙面より
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庄内町の庄内総合高校(池田理校長、生徒193人)の2年生メンバーが「リアビズ高校生模擬企業グランプリ」(認定NPO法人金融知力普及協会主催)に挑戦している。高校生が企業運営のノウハウを学ぶもので、24日午後には、三川町のイオン三川店で模擬店を出店。生徒たちは「売れ行きが良くてうれしい」などビジネスの手応えを感じている。
リアビズは、「リアルなビジネス」テーマに、高校生が模擬企業を立ち上げ、実際に資金を使いながら仕入れや商品製作、経理などを体験するもので今年で2回目。
同校では現代社会を学習する中で、「環境やエネルギー」に興味を持った2年生10人でリアビズ挑戦を決めた。企業名は「くりーんあーす どるふぃんず」。地球環境を綺麗にしたいという思いと、思案中庄内浜にイルカが来ていたことから命名した。
販売する商品はコットン製エコバッグ、手作りせっけん、キーホルダー型アクセサリー、クラゲ柄のミニタオルの詰め合わせ。エコバッグは地元企業、ミニタオルは加茂水族館からそれぞれ仕入れた。アクセサリーはクラフト作家に製作協力を依頼、せっけんには地元の生花店から規格外品を提供してもらい取り入れるなど生徒と福祉施設で手作りした。価格は2800円と2400円(せっけんなし)の2種類。
今年7月に行われたビジネスプランなどを審査する1次審査には全国から49校の応募があり、同校含め10校が通過した。県内では同校が唯一。運営資金として30万円の融資を受けた。
この日、イオン三川店ATMコーナー近くに出店した模擬店では生徒たちが接客しながら午後2時から1時間ほど販売。当初10セットの販売予定だったが、15セットを売り上げ、予約も入るなど盛況だった。社長役の片桐未夢さん(17)は「自分たちが思っていたよりも売れ行きが良くてうれしかった。あらためてお金の流れなども知ることができ、勉強になった」と話していた。
クラッセで模擬店
ネット販売も開設
同校では来月3日(水・祝)午後1時から庄内町の町新産業創造館クラッセでも模擬店を開く。また、同1―30日にはネットショップを開設し、販売への理解を深める。最終審査は12月に行われ、決算書類の提出、書類の完成度や利益率、マーケティング方法などが評価され、優勝校が決定する。
2021年(令和3年) 10月28日(木)付紙面より
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心と体の性が一致しないトランスジェンダーなどについて理解を深めるトークセッションが24日、鶴岡市の鶴岡まちなかキネマで開かれた。「LGBTQって、なに?」と題し、現在まちキネで上映中の映画を通して、性の多様性について考えた。
「LGBT」とはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとった言葉で、性的少数者を表す総称の一つ。その割合は10―13人に1人と言われている。最近になって「Q」(クエスチョニング=性自認や性的思考が定まっていない人)も合わせて呼ばれている。国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)でも「ジェンダー平等を実現しよう」を目標としている。
今回のイベントは、まちキネでトランスジェンダーを主人公にした「ミッドナイトスワン」が上映されることを知った、自身も「T」の渡部香織さん(鶴岡市在住)が、LGBTQについて話す機会を設けてほしいと申し出て、まちキネの存続と再生を願う会(代表・菊池俊一山形大准教授)の主催で開催。当初予定した定員40人を超える申し込みがあったため、2回に分けて開催、約70人が参加した。
トークセッションは郷土タレントの三浦友加さん(酒田市)の司会で、男性から女性になった渡部さんと、女性から男性になった「X」さんが、トランスジェンダー当事者として、映画の感想や日頃思っていることなどについて語った。
渡部さんは米沢市出身。幼い頃から自分が男性であることに違和感を持ち、「神様が間違って生まれたのだと思っていた」という。映画で草なぎ剛が演じる主人公の凪沙(なぎさ)が、水泳の時間に「海パンではなくスクール水着が着たかった」と打ち明けるシーンがあるが、自分も「体育の運動着や身体測定が大嫌い」だった。引きこもりの時期もあったが、同じような仲間と出会い、手術を受け、戸籍上も女性となったことで「まったく違う強い自分になれた」と話す。そして「理解できないものは排除するのではなく、そういう人もいるのだと優しく受け入れて」と語った。
また、三浦さんの「LGBTQの人にどんな対応をしたらいいか」という質問に、Xさんは「へー、んだなーという程度でいいと思う。特別に見てほしいのではない。障がいや何らかの困難を抱える人も含め、多様性を知ってもらうことで誰もが優しい気持ちを持てる社会になってほしい」と答えていた。