2021年(令和3年) 11月27日(土)付紙面より
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公益財団法人の東北活性化研究センター(仙台市)主催の「人口の社会減と女性の定着に関する情報発信山形フォーラム」(フィデア情報総研など共催)が25日、山形市のメトロポリタン山形で開かれた。基調講演やパネルディスカッションを通し、出席者が人口減の原因や若者定着について学んだ。
県内の企業や経済団体関係者など約100人が出席。東北活性化研究センターの齋藤幹治専務理事があいさつした後、基調講演が行われた。講師はニッセイ基礎研究所生活研究部人口動態シニアリサーチャーの天野馨南子さんが務めた。
天野さんは「人口減少 真の原因を探る?若年女性流出の実態?」と題し、「人口減少は少子化が主な原因。2020年の日本の出生数は戦後最少の84万832人で、1970年代と比較して43%と半分以下になった。なぜ日本で生まれる赤ちゃんが減ったのか。山形県の50年間減少率は全国12位の65%と上位にあり、大きな問題と認識してほしい」と問題提起。
少子化の原因として「夫婦が子どもを生まなくなったのではなく、少子化は初婚同士の結婚の激減と連動して起こっている。出生率と同様に初婚同士の結婚数は50年前と比較して42%まで落ち込んだ。山形県の婚姻件数は再婚を含め、1970年と比べて約54%減少している」と説明した。
さらに本県の婚姻件数が激減した一因として「コロナ禍前の2010年?19年の10年間で山形県から男性の約1・4倍に及ぶ女性が出ていっている。中でも20代前半の『就職期』の女性が圧倒的に多い。若い未婚女性が流出することで婚姻件数は下がり、少子化加速につながっている」と指摘した。
続いて行われたパネルディスカッションは、フィデア情報総研の熊本均上席理事をファシリテーター(進行役)に、天野さんや山形大男女共同参画推進室の柿崎悦子准教授、キャド・キャム(鶴岡市)の齋藤士郎社長がパネラーとなり、「山形県が若い世代に選ばれる地域になるために」のテーマで討論した。
2021年(令和3年) 11月27日(土)付紙面より
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鶴岡市のあつみ小学校(松田裕可校長、児童158人)の3年生23人は25日、8月に種をまいた「焼畑あつみかぶ」の収穫と漬け込みを体験した。
同校と市が毎年行っている「天魄山自然教室」の一環。3―5年生が天魄山周辺でさまざまな活動を通し、森・川・海のつながりを学ぶもの。同市槙代の「温和の森」で5年生が7月に枝打ちを行い、3年生が8月にその枝を使って焼き畑を体験し、4年生から引き継いだ赤カブの種をまいていた。
この日、子どもたちは温和の森で、成長した赤カブ約30キロを収穫。温海町森林組合で洗浄機を使って洗い、3種類の大きさに分けた。
その後、学校で児童の保護者とともに甘酢漬けの漬け込みを体験。3班に分かれた子どもたちは12キロずつ量り、ビニール袋で砂糖、塩、酢と混ぜ合わせ「おいしくなーれ」と、全体が赤く染まるまで優しくもんだ。
今野愛良さん(9)は「カブを引っこ抜くのが楽しかった」、齋藤芯平君(9)は「大きく育ってうれしい。おいしい漬物になってほしい」と話した。
カブは3週間ほど漬け込んで全校児童にお裾分けする。