2021年(令和3年) 6月30日(水)付紙面より
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山形大農学部(村山秀樹学部長)と西アフリカ・ベナン共和国の駐日大使館は、ベナンの農業振興に向けた人材育成などに関するパートナーシップ協定を結ぶことになった。農学部の国際化の促進と相互交流も視野に入れた取り組みとなり、本年度中に調印し、2022年度からの交流開始を目指す。農学部が駐日大使館と協定を締結するのは初のケースとなる。
ベナンは日本の国土面積の約3分の1で、人口約1100万人(2018年)。1990年に民主化され、西アフリカの民主国家のモデルともされる。綿花やパーム油など農業が主要産業となっている。農学部は2017年からベナンの留学生を受け入れており、大学院修士・博士課程を含め現在3人が園芸学や森林学などを学んでいる。
パートナーシップ協定では、駐日大使館がベナンの大学との橋渡し役を担い、農学部は特に修士課程への留学生受け入れを行うほか、大学間の教員の交流も進める計画。
今月23日には、アデチュブ・マカリミ・アビソラ駐日大使が、鶴岡市の農学部を訪れ、村山学部長と相互交流の推進などについて懇談した。アビソラ駐日大使は「山形大農学部は国際性が豊かで、英語で講義を受けることもでき、言葉の問題がないという点が大きい。協定締結に向けスタートラインに立てたことをうれしく思う」と述べ、村山学部長は「駐日大使館との協定締結は初のケース。今後、ベナンとのさらなる交流と連携の強化を期待している」と述べた。
農学部は留学生受け入れなど国際化を推進しており、20年度の留学生は約120人に達し、5年前の15年度と比べ約2倍で、在学生の1割を超えている。
2021年(令和3年) 6月30日(水)付紙面より
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東京2020五輪の正式種目となっているスケートボードについて多くの人から知ってもらおうと、鳥海小学校(酒田市、小松泰弘校長、児童148人)の6年児童2人が29日朝、同校全校朝会の場で、これまでの練習成果を生かしてスケボーの「技」を披露、見守った全校児童、教職員から大きな拍手を受けた。
妙技を披露したのは、池田太迦君(11)、打田優羽君(11)の2人。池田君は小学1年時、動画共有サイトでスケボーを見て、そのとりこに。9歳の誕生日に両親からスケボーをプレゼントされ、同時に同市浜中のスケボー教室「アートガレージ」に入門。打田君はその翌年、池田君に誘われて始めた。2人は現在、週に2回通い技を磨いている。
2人は今回、「五輪を前に競技について多くの人から知ってもらいたい。発表の場を設けてほしい」と担任教諭を通して小松校長に依頼した。同校の前身の一つ、旧本楯小は本県初の五輪選手(マラソン競技)となった茂木善作翁(1893―1974年)の出身校。五輪を身近に感じてもらうとともに、「自らの得意を生かし、進んで表現し、互いに認め合うことは、本校が目指す『互いの良さを認め合う学級づくり』そのもの」(小松校長)と快諾し、朝会での披露となった。
この日は最初、練習の様子を収めた動画を全員で観賞。実技で2人は、ジャンプと同時に体を半回転させる「180(ワン・エイティー)」、ボードごとジャンプする「オーリー」、ジグザクに走らせる「チックタック」といった技を次々と披露、見守った児童たちは「すごい」と話し、大きな拍手を送っていた。
小松校長は「2人の発表を見て、新しい世界を見た思い。さまざまな分野で頑張っている人がいることが分かった」と話し、「野球でも、サッカーでも、暗記でも、読書でも何でも良い。みんなに知ってもらいたいことがあったら、ぜひ発表を」と呼び掛けた。終了後、2人は「大勢から見てもらったのは初めてだったので緊張した。発表は楽しかった」と口をそろえ、「スケボーを広めるためにも、これからもぜひ続けたい」と語った。