2018年(平成30年) 4月3日(火)付紙面より
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鶴岡市のあつみ温泉で1日、今シーズンの朝市の営業が始まった。売り子たちの「いらっしゃい」の掛け声が早朝の温泉街に響き、地元の特産品を求める観光客らでにぎわった。
あつみ温泉の朝市は、江戸時代中期に「あば」と呼ばれる海岸部の女性たちが新鮮な魚介類や農産物を露店販売したのが始まりとされ、1989年からは温泉街の中心部にあるあつみ観光協会管理の木造平屋建て長屋式店舗で行われている。今年は7店舗が出店し、11月30日までの期間中、毎日午前5時半―同8時半に営業。また11月までの毎月第4土曜の午前11時―午後4時は、同じ場所で「ひるいち」も開催される。
朝市の初日は、温海地域特産の赤カブ漬けをはじめ、地元産の米で造った地酒「摩耶山」、関川地区特産のしな織製品、干しぜんまい、とち餅、地元の海水で作った天然塩、板状の焼き麩(ふ)「庄内麩」など多彩な商品が並んだ。午前6時ごろから朝市広場に温泉宿泊客が訪れ、中には丹前姿でげたをカランコロンと鳴らしながら足を運ぶ家族連れや女性グループの姿もあり、温泉情緒があふれた。群馬県前橋市から夫婦で訪れた下田勝明さん(68)は「宿泊した旅館で、朝市が始まると聞き、昨晩から楽しみにしていた。きょうが誕生日で、お店の人からたくさんおまけしてもらい、プレゼントも頂き、思い出に残る旅行になった」と笑顔で話し、朝市の雰囲気を楽しんでいた。