2025年(令和7年) 2月23日(日)付紙面より
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遊佐町合併70周年記念式典が21日、町生涯学習センターで行われた。町民ら関係者約200人が出席。さまざまな出来事を乗り越え現在に至った町の“古希”を祝った。合併した8月1日に合わせ昨年の同日に式典を行う予定だったが、豪雨災害の復旧作業のため延期されていた。
この日は遊佐混声合唱団が、1983年から交流を継続しているハンガリーで第2の国歌として親しまれているという「夕ぐれの祈り」を原語で披露。引き続き遊佐町子ども合唱団「スマイルキッズ」と共に「遊佐讃歌」を歌い上げ開幕した。
松永裕美町長が「町民と手を取り合い、本町の末永い発展を歴史として築き上げていくことを誓う」と式辞。自治や行政、教育、産業、社会福祉などの振興に功労のあった79個人・団体を表彰した。
ハンガリーのオルネル=バーリン・アンナ駐日特命全権大使が、ハンガリーの歌で歓迎してくれたことに感謝を表した上で、「遊佐町とハンガリーの40年を超える交流は相互理解のために非常に大事。大使としてうれしく思う」と祝辞を述べた。
遊佐町は54(昭和29)年、当時の遊佐町と蕨岡、稲川、西遊佐、高瀬、吹浦の5村が合併し誕生した。町のシンボルとする鳥海山、白砂青松の海岸、胴腹の滝や丸池に代表される数多くの湧水とそれらが稲を育む広大な田園、本州で最多を誇るサケの遡上(そじょう)数など多種多様で豊富な資源を有する。
2020年12月に日本海沿岸東北自動車道が遊佐比子インターチェンジまで延伸され高速道路が初めて町内に達した。沖合で進む洋上風力発電事業は昨年暮れ、大手商社の丸紅や丸高(酒田市)など5社で構成する事業者が選定され、近く海底地盤調査が開始される見通しなど順調に推移している。
一方、人口は合併時の2万5543人から1万2157人(昨年末現在)まで減っており、他自治体同様に人口の減少率緩和が大きな課題になっている。