2025年(令和7年) 3月28日(金)付紙面より
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酒田市上本町の酒田商業高校跡地(市有地)で整備が進められていた商業施設「いろは蔵パーク」のうちA館が27日オープン。同日朝に現地で記念式典が行われ、管理・運営する目的会社・いろは蔵パークの高橋剛社長(丸高会長)は「市民の生活を支えるがテーマ。地域活性化の一つの拠点になることを念願する」と述べた。スーパー・ト一屋と酒田天然ガス運営のキッチンスタジオ「iGot(イゴット)」が入居するB館は来月18日(金)にオープンする。
商業高跡地の利活用について市は、民間のアイデアを生かし市民や観光客が立ち寄って経済活性化につながるような施設にしていくため「酒田商業高校跡地活用基本構想」を策定。民間事業者を公募し2022年6月、優先交渉権者として丸高が代表を務める地元を中心とした企業グループを選定した。
江戸時代に庄内藩が創建し明治期以降、本間家が引き継いだ米蔵(通称・いろは蔵)が建ち並んでいたことにちなみ社名と施設名を命名した。市と同社は昨年、30年間にわたって跡地を年額2137万円で貸与する事業用定期借地権設定契約を締結。「往古来今(おうこらいこん)(古くからの歴史を知り、未来に伝えつなげる)」をコンセプトとし、▽日常生活の拠点▽にぎわい創出▽地域再生―の3つを掲げた商業施設2棟を整備した。
建物は新井田川対岸に位置する国指定史跡・山居倉庫のエッセンスを継承した蔵造り風の外観で、現代的なデザインと機能性を両立したたたずまい。A館(4166平方メートル)には▽無印良品▽酒田地区薬剤師会カイエイ薬局▽JINS▽カルディコーヒーファーム▽酒田観光物産館酒田夢の倶楽▽イカ恋食堂ごはん亭―の6店が入居した。駐車場は304台分(うち車椅子使用者専用6台分)を確保し、自転車40台、バイク12台も駐輪可能という。
この日は午前10時のオープンを前に同9時からA館前で式典が行われた。高橋社長がテナントを紹介した上で「大変な事業だったが、皆さんの協力・支援でようやくオープンすることができた。酒田の繁栄を支えた箇所に、にぎわい創出の拠点を整備することができてうれしい。イベントも企画しており、より多くの人から使ってもらい、共に盛り上げていきたい。いろは蔵パークオープンです」とあいさつ。森田廣県議、矢口明子市長、佐藤猛市議会議長、加藤聡酒田商工会議所会頭らの祝辞、テープカット、太鼓道場「風の会」の演奏に続いて列を作った大勢の市民が早速、入店した。
営業時間は午前10時から午後8時まで(夢の倶楽は午後6時まで、ごはん亭は同9時まで)。高橋社長によると、館内だけでなく多くの生徒を見守ってきたシンボル・大ケヤキがそびえる広場も活用し、ビアガーデンや物産展といったイベントも計画しているという。
2025年(令和7年) 3月28日(金)付紙面より
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いずれも酒田市が制定する「優良工事企業」と「除雪功労者」の表彰式が25日、同市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれ、11企業、2個人をそれぞれたたえた。
優良工事企業表彰は、前年に市などが発注した工事のうち品質、出来栄え、安全管理で顕著な成績を収めた企業をたたえるもの。企業意欲、安全意識の高揚などに向け、2004年度に市優良現場代理人表彰としてスタート、19年から現在の形態となった。一方、除雪功労者表彰は作業技術の継承や安定した体制の維持を目的に、市民生活の安全確保に功績のあった除雪作業従事者を表彰する制度で08年度に開始した。
表彰式は、酒田商工会議所建設業部会(金内勝彦部会長)が主催した「市との研修懇談会」の席上で行われ、矢口明子市長がそれぞれ賞状と記念品を手渡した。
受賞企業・個人は次の通り。
◇酒田市優良工事企業表彰=若松建設、丸高、酒井鈴木工業、三栄電機工業、ハクヨウ電気、東北電機鉄工、テイデイイー、酒田水道設備、羽前建設、グリーンズ、みなと
◇酒田市除雪功労者表彰=阿部勝之(阿部建設工務係長)齋藤将人(荘内土木重機部係長)
2025年(令和7年) 3月28日(金)付紙面より
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「で愛・ふれ愛・ささえ愛」をテーマにした第18回ノーマライゼーション親善交流卓球大会が23日、鶴岡市のつるしんアリーナ小真木原(市小真木原総合体育館)で開かれた。障害者と健常者が一緒になって卓球を楽しみ、互いの技術を競い合った。
卓球競技を通して障害者と健常者が触れ合い、相互理解と共生社会を目指そうと、市民有志などで実行委員会(芳賀誠委員長)を組織し、毎年この時期に開催している。鶴岡市、鶴岡卓球協会、県身体障害者卓球協会、鶴岡市身体障害者福祉協会が後援した。
今回は鶴岡市や酒田市、内陸のほか、新潟県や宮城県などから10~70代の男女48人が参加。開会式で芳賀委員長や皆川治市長などのあいさつに続き、佐々木星亜さん(鶴岡高等養護学校)が「日頃から鍛えた心と技を十分に発揮し、正々堂々と戦う」と選手宣誓した。
競技はA、Bの2クラスが設けられ、6人が出場したAクラスは総当たりのリーグ戦が行われた。Bクラスは3人ずつ14ブロックに分かれての予選リーグを経て、各ブロック1、2位による決勝トーナメントと3位による友好トーナメントが繰り広げられた。
各コートでは激しいラリーで競り合う選手たちもおり、強烈なスマッシュが決まると「シャー!」と大きな叫び声も聞こえた。
2025年(令和7年) 3月28日(金)付紙面より
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庄内浜の冬の味覚「あんこう鍋」を食べ、おいしさの秘密を学ぶイベント「鮟鱇(あんこう)を知り、味わう」が26日、鶴岡市加茂の「渚の交番カモンマーレ」で開かれた。小学生から高齢者まで約20人が参加し、料理人による「あんこうさばき」の実演を見学した。
地域の海を深く知るための海洋教育、多彩な海の遊び体験、地域の魚食文化継承など同施設が取り組む事業の一環として行われ、庄内浜文化伝道師で坂本屋(鶴岡市三瀬)料理長の石塚亮さんが調理を担当した。
調理前に石塚さんは「アンコウの皮膚はヌルヌルしているのが特徴。頭に突起があり、これを揺らして餌と思って近付いてきた小魚を丸のみする」と解説。石塚さんの勧めで実際にアンコウを触った子どもたちは「ひゃー」「ヌルっとした!」と大騒ぎした。
続いて尾やひれなどを切り落とし、腹を裂いて皮を剥がすなど一連の作業を進めながら、石塚さんは「アンコウはほとんどの部分が食べられる。身、皮、水袋、肝、えらなど7種類の部分に分けられ、これらは『あんこうの七つ道具』と呼ばれる」と説明した。
解体したアンコウが鍋で煮られる間、参加者はコンブとマグロ節でとっただしの風味を確かめたほか、オレンジとイチゴ、キウイなどフルーツを巧みに盛り合わせる石塚さんの技術を見学した。
祖母やいとこと一緒に参加した朝暘二小3年の佐藤朝日君(9)は「(石塚さんが)アンコウをさばくのが速くて驚いた。魚の構造をしっかり分かっていてすごいと思った。あんこう鍋は初めて食べるので、どんな味がするか楽しみ」と話していた。
しょうゆ仕立てのあんこう鍋が完成すると全員で試食。締めにはご飯を入れてあんこう雑炊を味わった。